7/5(木)
次の日もやっぱり二人で登校してきている姿を見かけた。
遊佐「よ、お二人さん」
ましろ「あ、おはよー」
聖「おはよう」
そしていつもの一日が始まると思って教室のドアを開けた。だがそこには異質な雰囲気があった。何事だと思い男友達に聞いて見た。
中島「ほら、あいつ。それがさぁ、見たんだってよ。昨日あいつが血だらけになったようなブレザー着てたのをよ」
指差した方向をみると杏が座っていた。
遊佐「あぁ」
中島「だからさ、ついにやっちまったんじゃねえかってみんな噂してたみたいだ」
遊佐「……」
中島「あいつのことだからさ、やってもおかしくねえしってな」
俺は頭に血が昇るというのを始めて感じた。
遊佐「つまんねぇ話だ、中島本気にしてねえよな」
中島「当たり前。俺はそんな話信じるほど落ちてない」
俺は怒りを抑えてそれだけいって自分の席に戻った。だが、昼休みになると噂もかなり広まっていた。聖も見るからにいらいらしていた。俺もその一人だ。
放課後になった。今日は落ち着かない一日だった。
男生徒「よぅ。お前昨日のあの服どうしたんだ? あれ血じゃねえの?」
数人の男子が杏に話しかける。
男生徒「お前さぁ、ついにやっちまったんじゃねえの?」
好き放題いっている。全員笑っている。
遊佐「おい」
よびかけて肩を掴んでこっちを向かせる。
遊佐「何を勝手に言ってんだよ」
俺はそいつに話しかけると数人の友人が止めにはいってきた。
何で俺こんなに怒ってるんだ?
男生徒「あ? 何? お前こんな女かばうの?」
遊佐「ふざけんな!」
気づいたらそいつの顔をぶん殴っていた。
聖「お、おい。やめておけ遊佐!」
聖も俺を止めにはいった。それが俺は悲しかったが、それは正しいことだ。
俺だって別に特に知ってるわけじゃない。ただ事実をしっているだけだ。後
さらに数人の友人が止めにはいってくる。
遊佐「うるせぇ! てめら何好き勝手いってやがんだ! ふざけんなよ!」
何で俺こんなに怒ってるんだ? 頭は真っ白になりながら、ただ怒りのまま行動した。
遊佐「てめらに何がわかんだよ!」
俺だって別に特に知ってるわけじゃない。ただ事実をしっているだけだ。
後ろでおろおろするましろをみて俺は正気を取り戻した。
遊佐「……悪い。教員室いってくるわ。すまん、殴って」
男生徒「いや、俺も悪かったよ……」
俺は自首をしに職員室へいった。
杏「待て。私も行く」
遊佐「別にいいよ、全部俺がやったんだし」
杏「迷惑をかけたのは私だ。自分の責任は自分で負う」
遊佐「悪いのは俺だけさ」
そういうと俺は一人で教員室へ入っていった。
一部の事実を捻じ曲げて俺は先生に暴力したことを報告した。口論になって
かっとなった俺がぶんなぐった。そういうシナリオ。処罰はまぁ気にしない。別に自分が間違ったことやったとは……まぁ思うが後悔はしないさ。
杏「勝手に迷惑をかけといて、一人で責任を負うのか?」
教員室をでると杏が立っていた。
遊佐「まぁ、俺だけ責任被ればいいし……」
杏「それが私にとって迷惑なんだ!」
そう杏が叫んだ。
杏「もういい。悪かった」
そういって杏は階段を下りていった。
遊佐「迷惑、か。わかんねえよ……」
この後謹慎3日をくらったのは言うまでも無かった。
7/9(月)
遊佐「んー」
あくびをしながら下駄箱へ。
遊佐「よ、二人とも」
ましろ「あ、久しぶりだね。おはようー」
遊佐「まぁな。よぅ聖。おはよーさん」
聖「妹のことですまなかった」
遊佐「気にすんなって。悪いのは全部俺が勝手にカッと」
聖「それがすまなかったって言ってるんだ。悪いのは……」
遊佐「ちょっとまて。悪いのはお前の妹じゃねえよ。実際あいつらが悪いんだしな」
そしてそのまま教室のドアを開ける。
遊佐「ようみんな!」
とりあえず元気に入ってみる。
中島「バカですか!」
等つっこみが帰ってくる。うむつかみはわるくない。この前の印象を消し去るべく俺は明るくいってみる。そしてそこにはやはり杏の姿も見つけられた。
遊佐「よ、おはようさん」
俺は声をかけてみた。
杏「……ん」
無視はされなかった。一応反応があったのでよしとしよう。
そして久しぶりの学校がはじまった。が、だれててめんどくさかった。
放課後
遊佐「そういえばさ、あの犬どうなったんだ?」
俺は用事もないので帰る杏について帰った。
杏「何でついてくる?」
遊佐「いや、別に。なんとなく? それで犬どうなった?」
杏「命に別状は無い。あと数週間したら退院だ」
遊佐「あ、そうなんだ。そりゃよかった」
話題がつきてしまった。
遊佐「あー、そうそう。お金! 動物病院てさ保険効かないからお金高いよな!」
杏「……」
遊佐「あのー?」
杏「全部お前につけた。払いにいけ」
遊佐「え。ちょ、ちょっとそれは困る! 1回目ですら俺が払ったんだぜ」
杏「うそだ。ちゃんと払った」
冗談を言うところなんて初めて聞いた。
遊佐「んでもよー。1回目も払ってくれよ」
杏「時効だ」
遊佐「ちっ。まぁいいぜ。お前のことをしった代金だとおもうさ」
杏「私はこっちだ」
遊佐「あ、そう。んじゃまた明日な」
また明日……か。
最終更新:2007年02月19日 22:50