- 小さな揺らぎの2に似たシーンを舞が見て、心を揺らすのが目的(以下のシーン)
遊佐が都に初めて教わる技を練習して、下校時間になるがもう少しで掴めそうと居残りを希望する。
舞はそのまま先に帰る。
都も最初は付き合っていたが、過去を思い出し、やはり早々と切り上げる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【舞】「兄様、もうとっくに下校時間過ぎてます。
みぃネェも疲れてるみたいだし、今日はこの辺にしませんか?」
【士郎】「ん…、もうそんな時間か。けど、もう少しな気がするんだ。
悪いが先に帰ってくれ。」
格闘バカモードの兄に、何を言っても無駄なのは分かっていたが、
こうもそっけなく返されると、温厚な私でもムッとする。
このまま普通に帰るのも癪なので、ちょっとからかって帰ろうと思った。
【舞】「みぃネェともっと一緒にいたいだけでしょ?舞にはわかってるんだから!
邪魔物はさっさと帰りますよーっ!」
そう言うと兄の顔がみるみる赤くなっていった。
みぃネェも兄の反応に顔を赤くする。
図星か……。
私は深いため息を吐き、二人の反応にうんざりしつつも、その場を後にした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
- ここで好感度判定によりルート決定。判定成功なら心の穴埋めなら続きへ
舞の好感度が一定以上ある場合、それがクッションになり上記のイベントを乗り切れる。
二段階で好感度判定があり、心の穴埋めにいったとしても舞の感情値が一定以上の場合、
舞ゲームへ行ってしまいバッドエンド確定は酷?
足りず判定失敗ならバッドエンドルート。舞失踪エンド。
遊佐はよく分かっていないが舞が凄く嬉しそうにしている。
(士郎はそのまま死んだが、遊佐は生きていたから。何もしていないから当然だが、
舞に取ってはトラウマになっているので、不安から解放され一気に安堵する)
と同時に今まで忘れていた感情を思い出し、心の防衛本能が活動しはじめ、
欠けていた人員の補充をし、本来あるべきはずだった現在を構築しようとする。
- 舞が士郎と遊佐を重ね合わせ始める。この日の放課後にお兄ちゃんって呼んでも良い?
という話になる。
(その前に好感度判定と、遊佐と士郎の重ね合わせるネタを入れる)
舞、一人っ子だから。
この時の舞の気持ちは、今までの士郎=舞の兄様and都の彼氏 遊佐=都を奪う邪魔者 から
士郎=都の彼氏 遊佐=舞の兄 にシフトする。
遊佐先輩を兄にすれば、みぃ姉を取られることもないかも?
- 舞が遊佐をお兄ちゃんと呼ぶようになると、言葉遣いが標準語に変わる。
(兄妹でわざわざ余所行き言葉を使う必要は無いからという理由で)
私は朝起きて日課である兄様へのお祈りを捧げていた。
お線香をあげ、御リンを鳴らすと静かだった仏間に音の波紋が広がる。
静かに目を閉じて、音の余韻が無くなるまで手を合わせた。
あれからもうすぐ一年になる。
以前に比べれば体力も付き、ある程度活発に動けるようにもなった。
空手部にもちょくちょく顔を出せるようになり、
そこそこ楽しい一時を味わえる事が出来ている。
みぃ姉と遊佐先輩と私と……。たった三人だけど、楽しい時間だ。
そうそう、遊佐先輩ってなんだか兄様に似てるんですよ?
からかった時の反応が兄様にそっくりで、兄様苛めてるみたいでとっても楽しいの!
……いつまでも、この時間が続けば良いのにな。
●同日 昼 舞
今日のお昼は遊佐先輩の新しい道着が話題になった。
昨日みぃ姉と一緒に買いに行ったものらしい。
ついでにデートとかしちゃったのかなぁ。
私がいない間に楽しいことしてるなんて、ちょっとずるいな。
悔しいから少しからかっちゃおうかな?
【村崎】「では、今日から部活が一層楽しみになるな」
【俺】「ええ、気が引き締まって頑張れる気がします」
良いタイミング。
【舞】「ほなら、今までは頑張っとらんやったんか?」
【俺】「そんな事は無いよ!?今まで以上に頑張れるってことさ!」
私はじっとりとした疑いの目を向け、
ぼそっと「みぃ姉の胸ばかりみてただけじゃないの?」といつものようにからかった。
みぃ姉は困った顔でにゃははと笑っただけだった。
みぃ姉の反応は少し小さいな。流石にこれだけ何度も言ってれば慣れちゃうか。
相変わらず遊佐先輩の反応は良い。
でも、この反応って図星って事かな。
【村崎】「ふふ。なぁ、遊佐君」
【俺】「は、はい。何でしょう?」
村崎先輩は珍しく含み笑いをしていた。
……なんだろう?村崎先輩がこういう笑い方してるときは、
大抵なにかあるけれど……。
【村崎】「たまには舞の胸も見てあげたらどうだ?」
【俺&舞】「……え!?」
なっ!?何言ってるの!?
なんで、そこで私に振るんですか!?
【舞】「な、何言ってるんです!?村崎先輩!
舞の胸なんて見たって……!
ってそうじゃなくて!」
突然の事になんて言ったら良いのかわからなくなってしまった。
私の慌てぶりを見て村崎先輩はお腹を抱えて大笑いをしている。
薄っすら涙も浮かべて。
うぅ……、先輩。酷いです……。
【村崎】「あははははははは!すまんすまん、舞……くくっ!
いや、なに。いつも都か私の話ばかりだからな。
たまには良いだろう。……くくくっ!」
仕返しか。もうこのネタは自爆するだけだから使えないな……。
村崎先輩に言われた所為か、遊佐先輩が私の胸元に視線がいっているのを感じる。
【舞】「うぅ……。遊佐先輩!言われたからって見ないで!」
この弩スケベ!
私は力いっぱいグーで遊佐先輩を殴った。
天誅です!自業自得です!
みぃ姉と村崎先輩は満足そうに笑っていた。
私のこの反応がうれしいらしく、お昼休みの間はずっと笑っていた。
遊佐先輩にセクハラされて嫌な思いをしたはずなのに、
私もその笑いにつられて自然に顔が緩んでしまった。
……あれ、違う。
そんなに嫌じゃない……。
●同日 放課後 部活
午後の授業が終り、楽しみにしている部活の時間が始まる。
私は更衣室に急ぎ着替えた。
外に出ると既に遊佐先輩が準備運動を行っていた。
男の子は着替えるのが早くて良いなぁ。
程なくしてみぃ姉も来て、部活が始まる。
体作りから始まり、今日は遊佐先輩のために基本的な動作を指導してくれるみたい。
私は昔から少しやっていたから、多少は出来るけれど、
遊佐先輩のそれは酷い物だった。
妖しい踊りを踊って、敵のMPを減らすの?っていう表現がぴったり当てはまりそうだった。
でも、なんか面白い。
【舞】「全然なっとらんどすなぁ。くす」
【俺】「今さっき教えてもらって、すぐにできるかああ!」
遊佐先輩を嘲笑した後、それだけじゃ可哀想だから私が型を見せて教えた。
それを真似ようと真剣に型を整えようとするが、やっぱりどこかおかしい。
遊佐先輩は目も感も良いってみぃ姉から聞いていたんだけど、
不器用だからダメみたい。
でも、違うところは理解してるみたいだから、
気がつけばすぐ出来るようになるのかも。
そして帰宅の時間になった。
【俺】「あの、もう少しでコツを掴めそうなんで、少し自主練していきます」
道着効果がさっそく現れたのかな。
でも、折角だから皆で一緒に帰りたい。
【都】「ふむ。ほなら、あたしも付き添うで?
見れる人がおったほうがええやろ」
えっ……、うーん。めんどくさいな。
私も疲れたし、帰ろうよ。
【舞】「え~、下校時間も過ぎてはるし、遊佐先輩も疲れてはるし、
今日はもうしまいにしといたほうがええんちゃいますか?」
【俺】「けど、もう少しなんだ。もう少しで何か掴めそうで」
…………あれ。
どこかで。
【都】「せやなぁ。その気持ちはわかるで?
それに疲れとる時の方が、余計な力が抜けて上手くいくかもしれんなぁ。
せやから舞、先に帰っといてくれへん?」
違う。言っちゃダメ。
【舞】「二人きりになりたいだけでしょ!?」
みぃ姉は顔を赤くしながら慌てて言い訳をしている。
この反応、思い出したくない。
今からでも間に合う。私も一緒に残るって言わなきゃ一人になっちゃう。
……本当にそれでいいの?
アレは私が居たから起きてしまった事だよ?
アレは舞ガいたから、オキてシまっタコトだ。
帰ろう。帰ったほうが良い。
【舞】「先に帰るね」
【都】「あ、うん……。気ぃつけてな?」
●同日 放課後 帰路
この時間に一人で帰るのは久しぶりだ。
部活の無い日は急いで帰らなければいけないこともあるため、
一人で帰ることもあるけれど、部活のある日はいつも皆と一緒だった。
ふと空を見上げると綺麗な夕焼けが目に付いた。
ここまで気が付かなかったほど、頭が一杯になっているのか。
その夕焼けは凄く綺麗だけど、それがかえって寂しく感じた。
ただ一人で帰るだけなら、こんなに寂しくないし不安にもならない。
アレを思い出したからこんな不安になっているのもわかっている。
仲の良い男女に嫉妬した女が不機嫌になっただけ。
何のことは無い。
良くある話じゃないか。
不安になる理由なんてないんだ。……今度は大丈夫。
私がそこにいないから。
……そうか、私が居なければ。
●判定
※遊佐への好感度高い場合
ダメ。不安に飲み込まれる!
私はそれでも遊佐先輩ともっと一緒にいたい。
みぃ姉ともずっと一緒にいたい。
しぃ姉も村崎先輩も一緒に……。
不安と戦いつつ翌朝へ。
※遊佐への好感度低い場合
簡単なことだった。
私の存在が全てを狂わせていた。
それだけだ。
ナラバ、どうスレバ良イかワカるナ?舞ヨ。
マトン君が私に話しかけた。
私は黙って頷いた。
バッドエンドルート【舞の失踪】へ
最終更新:2009年06月15日 02:32