238話

第238話:黒


二人が倒れる。パウロセフィロス
その光景を前に、無防備に飛び出そうとするテリーを、サイファーは抑えねばならなかった。
「離して、離せよ!!」
「バカ野郎、あいつの意思を無駄にするつもりか!!」
飛び出したいのはサイファーも同じ、しかし彼は止めるほうに回っている。
何故だ?クラウドやパウロの意志を汲んだから?
(クソっ、これはビビってなんかねぇぞ…!)
目の前の化け物に臆しているわけではないと、自分に言い聞かせる。
額に、脂汗が滲んでいた。


そして、セフィロスがこちらに一瞥もくれず立ち去った後…。


パウロの頬から、熱がだんだんと奪われていく。
破壊の剣を手から外し、手を胸で組ませ、衣服を整える。
埋葬してやる余裕はない。
「仇を討ちにあいつを追うか?」
サイファーは、応と答えるのなら止めるつもりでいった。
しかしテリーの反応は違う。
「ううん。俺には力がないから、仇なんて討てっこない」
そこには、先程までの頭に血を上らせ、暴走しかけていた子供の顔はない。
驚くほど冷静に、テリーはパウロの死体を眺めていた。
「…そうだな、俺達には力がない」
一参加者も倒せずに、あの魔女を倒すことなどできようか。
サイファーは、パウロの横においた破壊の剣を手に取る。
「サイファーさん!!」
「制御できねぇっつったって、これも力には変わりねぇ。何、心配すんな。もしものとき以外は使わねぇよ」
そういって、ザックの中に入れる。
「とにかく、レックスを探そう。大丈夫、あいつならきっと無事だ…」
子供にしては暗すぎる闇色を瞳にたたえ、テリーはいう。

ロザリーはそんな彼らを見て、胸に苦しみを覚えた。
かつて何か黒いものに追い詰められ、デスを名乗った優しい人を見ていたときと、同じ苦しみだった。

【サイファー(負傷、若干は回復) 所持品:破邪の剣、破壊の剣 G.F.ケルベロス(召喚不能)
 第一行動方針:レックスを探す 基本行動方針:ロザリーの手助け 最終行動方針:ゲームからの脱出】
【ロザリー 所持品:世界結界全集、守りのルビー、力のルビー(ルビーの指輪)、破壊の鏡、もう一つ不明
 第一行動方針:レックスを探す 第二行動方針:ピサロを探す 最終行動方針:ゲームからの脱出】
【テリー(DQM) 所持品:突撃ラッパ、シャナクの巻物、樫の杖
 第一行動方針:レックスを探す 第二行動方針:わたぼうを探す 最終行動方針:ゲームから脱出する】
トンベリ(トンヌラ) 所持品:包丁(FF4) スナイパーアイ
 行動方針:テリー達についていく】

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最終更新:2008年02月16日 23:33
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