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ROMANCE DAWN - (2016/12/17 (土) 22:49:01) のソース

*ROMANCE DAWN◆wFkyuCOTbQ

受け継がれる意思。
時代のうねり人の夢。
これら止めることの出来ない物だ。
人々が自由の答えを求める限り、それらは決してとどまることは無い。


◆




「マフィアの仕事も随分と堂に入ってるじゃないか、案外ソッチの方が向いてるんじゃないかい
マスター…いや海賊艦隊提督、首領・クリーク殿?」


大理石で出来た豪奢なビルの一室に、本人の性格を表す快活な女の声が響く。

「おいおい、よしてくれよライダー。今はマフィアをやっちゃあいるが、俺の本分はあくまで海賊だぜ…」

違いない、とライダーと呼ばれた赤毛の海賊衣装の女はテーブルの上で笑った。
その顔に走る縦一文字の傷が印象的な女だった。
傷といっても女の魅力を損ねる事はなく、むしろその野性的な雰囲気を引き立たせる手伝いをしている様に見る者は思うだろう。
対するは女と机越しに座る、巨漢の青がかった髪の男。首領・クリーク。
短髪を白い包帯でまとめており、その眼は明らかにカタギのそれではない。
彼に睨まれれば、肝っ玉の細いものなら失神してしまうかもしれない。

「船をボロボロにされ、餓死寸前の状況から漸く部下達に飯を喰わせ、レストランを襲おうとした矢先にこんなことになるとは思っていなかったが、今思えば渡りに船って奴だったな」

愚かな渦巻き眉毛を欺き腹を満たした後、東の海では名の知れた海賊・赫足ゼフの航海日誌と船を奪おうと準備をしていたその時だった。
略奪した物と思われるトランプを、クリークはガレオン船の甲板上に見つけた。
もっともそれは白紙であり、何時もなら尻を拭く紙にもならないと捨て置いた所だが、
何故かそのトランプは彼の興味を強烈に引き寄せた。
邪魔な部下を蹴倒し、手を伸ばそうとした丁度その時、一陣の風が吹きトランプを連れ去ろうとする。
そうはさせるかと一足で駆け、届いた。そう思った時―――クリークの姿は甲板から失せ、ここに居たのだ。
五千の構成員を束ね、スノーフィールドを牛耳るマフィアの首領(ドン)として。
海賊でないのが不服ではあったが、海賊事業にも手を出しているらしく、全く海と無関係なロールでないことに彼は密かに安堵した。
ちなみにその時のトランプは今も、女に姿形を変えたとはいえ目の前に在る。



「ツイてたぜ、もう少し連れてこられるのが早けりゃ部下達は死んでたかもしれねェ」

「フフ、聖杯ぶんどって凱旋しても讃える部下たちがいないんじゃ締まらないものね」

「あぁまったく。しかし腹さえ満たせばギンがみなを纏めレストランを落とし、俺の帰りを待っているはずだ
ゼフの存在が気にかかるが、あのレストラン一つならギンとパールで問題あるまい」

大きな肩を広げ自分の部下の能力を誇るクリークに、ライダーは益々興味が湧いてきたと言った様相で言葉を紡ぐ。
彼女は、ハッキリ言って目の前の小悪党が嫌いではなかった。むしろ好きな部類に入る男とクリークを評価していた。

「そうかい、そりゃ良かったさね。でもアタシとしちゃアンタがさっき言ってたひとつなぎの大秘宝(ワンピース)って話のほうが興味をそそるねぇ」

テーブルから身を乗り出し、瞳を輝かせて迫るライダーを焦るな焦るなとクリークはなだめる。
彼もまた、目の前の赤毛の女海賊にワンピースの事を語るのはまんざらでもなかった。寧ろ何回でも話してやろう、そう思う程に彼女は魅力的だった。
クリークの説明はぶっきらぼうだったが、ライダーは英雄譚を聞く童子の様に熱心に清聴していた。
もとより、伝え聞かせが完璧な海賊はそうはいまい、寝台で絵本を読む母親や吟遊詩人とは違うのだ。
それでも海賊なら聞き入らずにはいられない、それほどまでに一つなぎの大秘宝(ワンピース)の逸話は、そう、ロマンに溢れていた。


「成程ね、クリーク。それじゃあアンタは聖杯にそのひとつなぎの大秘宝を願うのかい?」

存分に極上のお宝話を楽しんだ後に、ライダーは問う。
その眼は相変わらず爛々と輝いていたが、先ほどとは方向性が違う。ここからは商談の時間だ。
場合によっては、腰のピストルを抜くこともあるかもしれない。
雰囲気の変化を敏感に感じ取った男は肩をすくめ、そんなワケはねェさ、と事もなげに答える。



「偉大なる首領・クリークはワケの分からねェ場所で聖杯を手にし、願いを叶えてひとつなぎの大秘宝を手に入れましたとさ、めでたしめでたし。じゃページが余って歴史書を書く連中が大変だろう?」

ライダーはほう、と息を漏らしもう一度クリークに問いなおす。
それじゃあアンタは何を願うんだい?と。
彼の答えは簡潔だった。

「どんな悪路、悪天候、異常現象にも耐える最強の艦隊と偉大なる航路の情報全てさ
それを手に入れるためなら女子供であろうと殺すし、だまし討ちに留まらずどんな卑怯な真似だってするぜ」

ライダーは思わず噴き出した。もっとも、それはクリークを卑下するものではない。
ここまで聞けば最早疑いようは無い。後は聞かずとも分かる。
この男は一度惨敗しているにも関わらず、もう一度大海原に漕ぎ出そうとしているのだ。
大海の荒波に打ちのめされ井戸に叩き戻されながらも、ここで終わってたまるかともがく蛙のように。
そのためなら外道な事も躊躇なくできるであろうこいつは、きっと骨の髄まで海賊だ。
何とまぁ、一体どれだけ身の丈を超える大風呂敷を広げてくれるのだろう。
ならばこちらも大風呂敷を広げてやるしかないではないか!

「そうさねぇ…じゃあアタシは仕事の報酬にそのひとつなぎの大秘宝を願うとしよう
アンタより一足先に本当にそんなモンがあるかどうか、確かめておいてやるよ」

そう宣言するライダーの瞳は朗々と語っていた。
―――――奪いに来い。
暗にそう言っているのを察したクリークはたまらず一緒に笑い出す。

「クク……じゃあこの戦争が終わって次あうときは海賊の高みってワケか」

「ああ、アタシはロハで仕事はしない主義でね。
ここではアンタの副官だが、その時は一切合財奪い合おうじゃないか、楽しみにしてるよ」

「あぁ、楽しみだ―――お前ごと奪いに行ってやるよ」

大胆な略奪宣言にそりゃいいとライダーは膝を打ち高らかに快哉を上げる。
その様を満足げに拝みながらクリークはテーブルの下からあるものを取り出す。
これが敵ならば数多くの銃口だっただろうが、この時は違った。
出された物、それはライダー/フランシス・ドレイクの大好物。
一本百万はくだらないであろう特上酒。
その見事な一品をクリークは豪快に注ぐ。

「それじゃあ―――」

「ああ」

「「聖杯と、ひとつなぎの大秘宝に乾杯」」





【クラス】

ライダー

【真名】

フランシス・ドレイク@Fate/EXTRA、Fate/Grand Order

【ステータス】
筋力D 耐久C 敏捷B 魔力E 幸運EX 宝具A+

【属性】
混沌・悪

【クラススキル】

対魔力:D
一工程(シングルアクション)による魔術行使を無効化する。魔力避けのアミュレット程度の対魔力。

騎乗:B
騎乗の才能。大抵の乗り物なら人並み以上に乗りこなせるが、魔獣・聖獣ランクの獣は乗りこなせない。

【保有スキル】
嵐の航海者:A+
船と認識されるものを駆る才能。集団のリーダーとしての能力も必要となるため、軍略、カリスマの効果も兼ね備えた特殊スキル。

黄金律:B
身体の黄金比ではなく、人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命。大富豪でもやっていける金ピカぶりだが、散財のし過ぎには注意が必要。

星の開拓者:EX
人類史においてターニングポイントになった英雄に与えられる特殊スキル。あらゆる難航、難行が“不可能なまま”“実現可能な出来事”になる。



【宝具】

『黄金鹿と嵐の夜(ゴールデン・ワイルドハント)』
ランク:A+ 種別:対軍宝具 レンジ:20~40 最大補足:前方展開20船
スペイン無敵艦隊を打ち破った「火船」の逸話と、ヨーロッパの伝承である「嵐の夜(ワイルドハント)」の逸話。
ライダーの生前の愛船である「黄金の鹿号(ゴールデンハインド)」を中心に、生前指揮していた無数の船団を亡霊として召喚・展開。
圧倒的火力の一斉砲撃で敵を殲滅する。ライダーの奥の手にして日常とも言える宝具。
マスターの所持金(貨幣、貴金類)によって威力が増減すると言う一風変わった特性を持つ。

『黄金の鹿号(ゴールデンハインド)』
ライダーが上記宝具を展開した時に乗っている船だが、この船自体が黄金鹿と嵐の夜とは別個の宝具。
イングランド王国のガレオン船でありドレイクが私掠船として用いたことで有名。 全長37メートル弱、船首と船尾に4門ずつの砲を持つ他に、両側舷にも14の砲を搭載。
彼女が『騎兵』たる所以であり水上でなくても船体を地面に隠しながらの移動などもできる。
ただしクリークからの魔力供給がとぼしいため、砲弾の補充が十分にできていない。

【weapon】

二挺拳銃: フリントロック式のものでありながら連射が可能。

カルバリン砲: 空間から自由に出し入れさせる事が出来る、ゴールデンハインドの砲塔。

【人物背景】

真名はイギリスの大海賊、フランシス・ドレイク。
フランシス・ドレイクは世界一周を生きたままなし得た人類最初の偉人である(一人目のマゼランは途中で死去。クルーが航海を引き継いで成し遂げた。他にも達成者はいるが船長としてはドレイクが初である)。
愛船『黄金の鹿号(ゴールデンハインド)』を駆る海賊。冒険家にして私掠船船長、そして艦隊司令官。
世界一周を成し遂げ、その収益でイギリスが大航海時代の覇者となる道を開いた人物。

【サーヴァントとしての願い】

ひとつなぎの大秘宝ゲット!



【マスター】

首領・クリーク@ONE PIECE

【マスターとしての願い】

どんな航海にも耐えうる最強の艦隊と情報、それを以て偉大なる航路にもう一度挑戦する。

【weapon】

大戦槍 :物体にあたると爆発する、重量1トンを超える大槍。

MH5:一息吸えば全身の自由を奪う猛毒ガス弾。小さな村なら一発で壊滅せしめる。
対抗手段は「吸わないこと」のただ1つしかない。

ウーツ鋼の鎧:その身を包む超硬度の鎧。
随所に様々な隠し武器が収納されており、多彩な攻撃やトリッキーな反撃を可能とする。
ダイヤモンドの拳、剣山マント、ニードルマシンガン、炸裂手裏剣、鉄球、火炎放射器、捕縛用の網等。

【人物背景】
クリーク海賊艦隊提督。通称「首領・クリーク」。
勝つためなら手段を選ばない性格で、東の海で最強とも称された。
しかし50隻の艦隊と5000人の部下を束ねて挑んだ偉大なる航路にて、早々に敗北。
わずか100人ほどの部下と餓死寸前になりつつ逃げ帰ることになった。
そして再起を賭けてだまし討ちを仕掛けたレストラン船バラティエでの戦いで、居合わせたルフィに敗北。
その後の行方・生死は不明となっている。

【令呪の形・位置】
右手の甲に海賊旗と同じマーク。

【方針】
聖杯狙い。卑怯もラッキョウも大好物だぜ!