赤埴家の次男による近隣の村の子供を誘拐・殺害事件が発生する。
だが真実は、赤埴家に嫁いでいた異人の女が主犯であり、異教の禍津神へ捧げる儀式を行っていたのだ。
当時の赤埴家の長男、及び帝都の官憲の手により、異人の女は打ち倒される。
しかしながら、異人の女が持つ『災いの書』はいかなる炎でも燃える事はなかった。
官憲は言う。神社に伝わる火産霊の御霊による審判の炎であれば、焼き尽くす事ができる、と。
その為には神社に伝わる『赤い水晶』が3つ必要であるという。
だが異人の女により荒ぶりし『木花咲耶姫』を鎮める為にも、『赤い水晶』は3つ必要だったのだ。
村の人々は悩み、決断した。
『木花咲耶姫』を鎮める事を。『災いの書』を封印する事を。
結果として『木花咲耶姫』は再び赤埴山に眠りにつき、大地へ恵みを齎した。
結果として赤埴家の長男は山を降り、赤埴家の次男の子供は山へ留まる事になった。
それは『災いの書』から神子の血脈を守るため。
それは異人の女の呪いを広めないため。
山を降りた長男は性を『赤羽』と改め、赤埴家の本家となる。
山に残りし次男の子供は、山へ繋がれる。いつか異人の女の呪いが消える時まで。

異人の女の名は『じゅりあ』。外国では『魔女』と呼ばれるモノ。
かの魔女は未だ、『災いの書』の中に眠る。
いつか、彼女の血族が再び書を手に取る、その時まで。

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最終更新:2014年06月08日 00:59