●300年前の事件(赤埴家秘封録より)
地方の一村落である『赤埴村』。
当時の赤埴村に未知の疫病が発生した。
人々は皆、顔に、体に膿を持ち、女子は異形の子を孕み、体の内側から腐るものもいた。
困り果てた村人に、折よく村へやってきた渡り巫女は言う。
『山中に荒らぶりし木花咲耶姫と、その娘がおわす。
姫を鎮め、姫の娘を祭祀となすべし』
驚いた村人が山中に分け入ると、白き髪に赤い瞳の母娘がいたそうな。
されど姫は荒らぶりし神。人の姿であるが、人に近づけるモノにあらず。
姫と娘の紡ぐ言葉を解する事はできず。
幾ばくか時の後、渡り巫女の御力により鎮まりし姫は、
村人と土地へ恵みを与え、後事を託して山中にて眠りにつく。
残された者は娘と共に新しき社を築き、火産霊の御力を借りて姫を鎮め続けた。
かくして村の土地は栄え、女子は子宝に恵まれ続けた。

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最終更新:2014年06月08日 01:09