前回のとおり待望の旋盤が導入されました。長谷川機械製作所の3尺旋盤です。
欲を言えばもうちょっと大きい方が更にいろいろとイタズラできるのでよかったのですがトリニティースクールに置いてある同型の旋盤はそれなりに触って長谷川の小型旋盤の良さは判ってましたので導入に踏み切りました。
多少小さくとも知恵を絞って普通では出来ないような事をやるのも旋盤仕事の醍醐味。まあそんな感じに言い聞かせつつ去年末の28日に旋盤が当ワークショップにやってきました。
現在も色々とセッティング中でSDそっちのけでやってます。
まずは本命のインチねぢの作成だ、と思いつつ旋盤下の物入れの窓を開けるとコレットは一杯入っているのですがねぢ切り用の歯車が入っていません。
本体にはテキトーに90と100の歯車が付いています。本来は純正でもっとギアがあるはずですがこいつには付いてきていません。
アカン、これじゃインチねぢ所かミリねぢすら切れない・・・
どうしようか若干思案の末、トリニティースクールの同型旋盤にあったギアセットを無期限供与してもらうことに決定。校長の了解を取りました。
トリニティースクールでは旋盤のねじ切りはやりません。というかモーター逆回転が壊れているのでインチのねぢ切りはかなり無理に近いです。という訳で死んでるギアは有効に活用させてもらうことにします。
で、早速借りてきました。
見ると20から始まって110まで5丁刻みでギアがそろってます。
しかもインチねぢ切りに必須のギア、127丁もあります。なぜか45丁だけ無いですが。
ギアもそろった所で早速どのギアを組み合わせると何山になるのかちょっと考えてみるも答えが出ません。
旋盤に貼り付けてあるプレートにも当然のようにピッチ表記しか無い。
旋盤といえばアノ人、Triumph SD友の会会員の旋盤職人白田氏です。
相談してみると俺が最初に勤めた会社の先輩に貰った本だ、と一冊の古い本を貸してくれましたました。旋盤ねぢ切りの専門書です。
しかも初版は昭和13年、中をめくると乗っている各種規格がISOはおろかJISでもなくJESとあります。
早速ググッて見るとJIS以前の日本の規格のようです。JESとはJapanese Engineering Standardsの略で日本語では日本標準規格と呼んだそう。
大丈夫かよこんな古い本で・・・。
で中身を確認するとずばり私の知りたいことがしっかりと解説付きで書いてある正に神の書籍。
何故歯車が5丁刻みなのか、何故山数の多い奇数のねぢ山規格が少ないのか等今まで意識まではしていなかった謎が鮮明に理解できました。
いやこの機構考えた人本当に天才です。
旋盤って本当に知的な機械だなぁ、と改めて確認した次第。
次回は多分誰も望んでいないその辺の解説をしてみたいと思います。
まあそもそも数人しか見ていないしな。オナニーみたいなもんですよ、このWikiは。
最終更新:2011年02月03日 23:18