バザーの日の夜ラブ達は今度こそパジャマパーティーのリベンジをした。
その日の夜、ラブの部屋に4人で雑魚寝をした。
「ラブ、起きてる?」
パジャマパーティーが終わって、他のメンバーが寝静まった後せつながラブに声をかける。
「ううん、まだ起きてるよ。なんだか眠れなくて。」
えへへと笑ってラブが少し身を起して答える。
「トイマジン、きっと幸せになれるよね。」
「あったり前だよ、これからトイマジンは幸せになって行くんだから。」
「そうね、そしてトイマジン以外の呼び方で呼べるようになりたいわね。私がイースじゃなくてパッションになったように。」
「せつな…」
少し物思いにふけるような少し悲しそうな口調で言うせつなを心配そうに見つめるラブ
「本当はね、ラブがうさぴょんを見て攻撃をためらった時、本当は私も攻撃しようか迷ってたの」
「せつなも?」
「そう、トイマジンが本当は攻撃したいんじゃなくて、助けを求めてるように見えて、昔の自分と重なったから……」
「せつな…」
昔の自分というのはイースだったころ、やみくもに身を削ってまでこの世界の人間と戦おうとしてきた時の事だ
「本当は人間の事を愛しているのに、自分への選択肢がそれしかないような気になって無理して悪事を働いてるように見えた。」
「だからラブがトイマジンを攻撃出来ないって言って座り込んだ時、不謹慎だけど少し嬉しく感じたの。」
「でもせつなは他の2人に続いてすぐ攻撃したよね?」
「ええ、昔の自分とかぶってたからこそ戦う事を選んだの。」
少し真剣な口調でせつなは続ける。
「あの頃の自分とかぶったからこそ、甘えないで!あなたのやってる事は間違ってるわって戒めたかった。」
「ははは、せつなはスパルタだねー。」
「もう一つはやっぱり戦う事で彼を助けたかった。ラブが私にしてくれたみたいに…」
「せつな…」
「そして、ラブは彼を救ってくれた」
そう……ラブは苦しんでる人や辛い人を見るとほっとけない子だ。
たとえそれがボロボロになって捨てられた人形であっても……
そう、自分はボロボロになって捨てられた人形と同じなのかな……
そんな事を考えてるせつなの心を見透かしたのかラブが答える。
「言っておくけど、せつなもうさぴょんもトイマジンもみんな大切な友達なんだからね。」
「ラブ……そうねごめんなさい、うさぴょん達に失礼な事考えてたわ…」
「うさぴょん達だけじゃなくて自分にもだよ。」
本当にラブは色々な人の事を考えてくれる。
自分はプリキュアになって日が浅いけど、ラブみたいにみんなを救えるプリキュアになりたい。
「それにー、えいっ」
不意を突いたかのようにラブはせつなに抱きつく。
「ちょっとラブ…」
「うーんこの抱き心地はやっぱりうさぴょんに匹敵するものがあるよー。」
「も、もうそんな所で褒められても嬉しくないわよ。」
そういいながらも安らいだ表情をするせつな。
この温もりを味わったトイマジンならこの後の引き取り先でも幸せになれる気がする。
そんな気がした。
「私もラブみたいにキュアエンジェルになれるといいな…。」
「なれるよ、みんな。もちろんブッキーも美希たんも」
「でも美希の翼だけメカみたいな翼だったりして。」
「まっさかー。」
その日はそんなたわいもない話をしながら夜が更けていった。
最終更新:2012年01月14日 17:49