新2-135

 私とラブの部屋はベランダで繋がっていて、部屋の戸を開ければお互いの部屋に行き来できる。
 夜中に自分の部屋のベランダ側のドアを開けておく。それはOKだっていうサイン。
 何がOKか、ですって。ふふふ、そんなの、決まっているじゃない。
 もちろん、私の部屋のドアはいつでも、Open my hea・・・と、じゃなかった、Open my door.

 いつもだったら、ラブがもうとっくに来ている時間・・・・
 痺れを切らして、ラブの部屋に向かう。私の方から行ったら、嫌われるかしら?
 いいえ、ここで決めなきゃ女がすたるわよね。・・・・何を決めるのか分からないけど。
 Go!Go!Let’s Go!!

 ラブの部屋のベランダ側のドアは開いていて、その事に勇気を得て、部屋に入る。
 眠っていたラブが物音で目を覚まして、自分の部屋にいる私を認識したらしく、
 「せつな、どうしたの」って聞いてくれる。ラブはいつでも、どんな時でも優しい。
 「ラブ、私、眠れないの」って言うと、ラブが布団を捲って私を中に誘ってくれる。
 みんなが寝静まった夜、愛する二人が狭いシングルベッドで・・・・

 えっ、良く眠れる方法を教えてあげるって、・・・・・眠れる方法??
 最初、頭の中に柵がある草原を思い浮かべて・・・・・草原に・・・柵・・?
 その柵を羊が乗り越える、その羊の数を数える・・・・羊なの、どして?
 別に、馬でも、牛でも、ライオンでもいいじゃない。
 手本を見せてくれるって?羊が一匹、羊が・二匹、羊が・・三・・匹、ひつ・・じが・・

 それから、幾ら経っても、四匹目の羊が出てこない。
 横目で見ると、ラブはすでに夢の中。羊を数えるという、この世界の方法は効果覿面らしい。
 でも本当は、眠れないからラブの部屋に来たのではなく、眠れないのを口実にラブのそばにいたかっただけなのに。

 私が隣にいるのに、ラブったら何も感じないの?
 暢気に寝ているけど、ほっぺでも抓ったら起きるかも。
 ラブの顔に触れようとした瞬間、「せつなぁ~」とラブが私の名前を呼ぶ。

 起きたのかと思ったけれど、目は閉じたままだから、ただの寝言だったらしい。
 夢の中で、私達が何をしているか分からないけれど、ラブは幸せそうに微笑む。

 私も夢でラブに逢えるかしら。
 瞼を閉じて、羊を数えてみる。

 羊が一匹、羊が二匹、羊が三匹、羊が四匹、羊が五匹・・・・・



 了



 ~おまけ スレ投下Ver~

 それから、幾ら経っても、四匹目の羊が出てこない。
 横目で見ると、ラブはすでに夢の中。羊を数えるという、この世界の方法は効果覿面らしい。
 でも本当は、眠れないからラブの部屋に来たのではなく、眠れないのを口実にラブのそばにいたかっただけ。

 隣に美少女がいるのに、ラブったら何も感じないのかしら。
 暢気に寝ている寝顔が妬ましい。ほっぺでも抓ったら起きるかも。

 ラブの顔に触れようとした瞬間、「せつな、もう、駄目だよ」??

 ・・・・一体、夢の中でラブと私は、何しているのかしら?

 まあ、いいわ。今夜は夢の中でラブを懲らしめているみたいだから。
 じゃあ、おやすみなさい。
最終更新:2012年10月07日 21:05