「エーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」
それは突然、私の元へやってきた不幸。信じられなかった。
「せつな、好きな人が出来たみたい。遠回しだったけど・・・。今日、私とブッキーの所に相談に来たの。」
「私も驚いちゃって・・・。ラブちゃんにも相談してるの?」
「ラブ?」
「聞いてる?ラブちゃん」
「あっ、あ~、・・・んと、まだかな~。」
心ここにあらず。唖然呆然。まるで天変地異が起きたかのような衝撃。
それから数日が過ぎ
(せつな、また悩んでる・・・。食事もあんま進んでないし。)
「おかーさーん!おかわりー!せつなもいーっぱい食べなきゃダメだよぉ?」
「ごめんなさい。今日はもう・・・」
「あらせつなちゃん。お口に合わなかったかしら?」
「お?具合でも悪いのかい、せつなちゃん。」
「いえ。そう言う訳じゃ・・・。部屋戻ってもいいですか?」
「せつな・・・」
ここ2、3日のせつなは元気も無くどこか暗い。来週から学校も始まると言うのに。
やっぱり他の子と話したり、違う空気の場所へ行かせるのは酷だったのかな・・・。
てな訳ないよ。やっぱ好きな人出来たんだ、絶対。
あ~あ、せつなのためだと思ってやってきた事は正しかったのかなぁ?
私より美希たんの方が、より女性らしいせつなの生き方を導いたのかもしれない。
私よりブッキーの方が、人に優しく思いやりを持った人間へとせつなを導いたのかもしれない。
~せつなの幸せ。せつなの人生。せつなの未来~
考えれば考える程、せつなの事が頭をよぎる。もうパンク寸前だよ、私・・・。
思えば、私なりに精一杯頑張ってせつなと向き合ってきた。向き合ってきたつもり。
だけど
(せつなの道を閉ざしてしまっているのはもしかして・・・私?)
悔しくて涙も出なかった。ため息も。
一人ベランダでたたずんで空を見上げる。神様は私の心を知ってか知らずか、夜空を無謀にも綺麗に輝かせていた。
時計も気がつけば23時を回り、もう寝ようと部屋へ戻りかけようとすると
「ラブ?」
「せつな・・・」
今は会いたくなかった。あんなに好きだったせつなを避けようとするなんて。信じられない。
「もうこんな時間よ。中に入らないと風邪引いちゃうわ。」
「うん。」
「ラブ、ずっと空見上げてた・・・。声かけようと思ったけど、どして?」
「どうしてだろうね。自分でもわかんない。もう、どうでもイイ・・・」
せつなの優しさが私をさらに追い詰める。胸が苦しい。すごく辛い。一緒にいるのも。
「約束して欲しい。」
「え?」
「私の事、ずっと離さないで。」
そう言って私の胸に飛び込んできたせつな。震えてた。
「わからない。わからないよ、せつな。私にはもう・・・」
いつもなら笑顔で抱きしめてたはずなのに。蘇るのは命をかけてあなたを救った事。まだ遠い過去じゃない。
「怖いの。私、一人じゃ何も出来ない・・・。ラブがいないと私・・・」
ずっと私の胸に顔を埋めたままのせつな。私だって、せつながいないとダメなのわかっている。
そう、私は東せつなを愛している。私だけのせつな。昨日も、今日も、明日も、明後日も。
難しく考えたって答えなんかでやしない。悩んだって何も始まらない。悔やんでたって進まないんだ。
「せつな、どした?ずっと元気ないよ?楽しかったお喋りもしてくれないし、ご飯の時だって目も見てくれない。」
「何を喋っていいのかわからない。目を見るのもだんだん恥ずかしくなって・・・」
そっか、せつなには好きな人が出来たんだっけ。私も勝手だから、そんな事実消去して、ただ悩んでるだけなんだと
自分に言い聞かせてた。じゃないと、私が今度は押し潰されちゃいそうだったから。
「もう逃げないって約束したでしょ、せつな。大丈夫、私じゃなくてもその人がせつなを守ってくれるよ?」
「嫌!ラブじゃなきゃダメなの。」
「ダダっこだな~。私以上にせつなを大切にしてくれるんでしょ?私は二人を応援しちゃうけどなぁ~」
私はさっきから嘘ばっかり。せつなの事離したくないのに。あ~あ、カッコ悪い・・・。
「ラブより私の事大切にしてくれる人なんかいないよ。私はラブの事が・・・」
そう言うとせつなは私をギュッと抱きしめる。こんなに強く、私を抱きしめたのは初めてだったから驚いた。
と、同時に
?
??
???
「!?せつな、好きな人・・・出来た?」
まさかねぇ。ちょっと私が・・・、気まずい雰囲気になってきたりして~。
「うん。」
「もしかして・・・、女の・・・子?」
「うん。」
「私だったりしちゃったりするのかな~???」
「うん。」
(くはー!嘘でしょ、この展開!!!)
「ずっと一緒にいて欲しい。私を離さないで。私、何も出来ないけど・・・」
「いやいや!出来る出来る!せつないい子!離さないよ~、ずーーーーーっと傍にいちゃうぞ~!」
(何やってんのよ桃園ラブ!もっとイイセリフないのかっ!)
「大好き。ラブの事・・・」
せつながようやく私の胸から顔を覗かせてくれた。笑顔だった。凄く穏やかな顔した笑顔。私の大好きな笑顔。
「ありがと、せつな。ずっと大切にしていくからね。」
こうして、私とせつなの恋心は見事にハッピーエンドで幕を閉じ・・・
(私って土壇場に弱いよね~!あはっ)
END
最終更新:2009年08月25日 06:29