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「まったく、タルトも困ったもんだよ!」

タルトのヘソ騒動は解決し、家族全員で帰宅した桃園家。
ところが、タルトの体調不良はアイスを全部食べてしまったせいだったことが判明した。
ラブとせつなは二人でアイスを買い直し、せつなの部屋へ。
ラブの部屋はタルトが泣きながら逃げ込んだせいで入れない。

「それじゃあ、アイス、食べようか……」
「え、ええ……」
アイスが楽しみだったのは、ただアイスが食べたかったからだけではない。

「はい、せつな。あーん」
ラブはアイスを容器からスプーンですくい取って、せつなの口元まで移す。
せつなは顔を赤くしながら。それを咥え、飲み込む

「どう? せつな? おいしい?」
「うん。アイスも美味しいけど、ラブが食べさせてくれたから、もっと、美味しい」
「もう照れるなぁ~。じゃあ今度は、せつなの番だね」

今度はスプーンを受け取ったせつなが容器からアイスをすくい、ラブの口元へ移す。
ラブも先程のせつなと同じようにそれを食べる。
「クッハー! せつなのアイスで幸せゲットだよ」
「やっぱり恥ずかしいわ、もう!」

二口だけ食べられたアイスの容器が二人の真ん中に置いてある。
「それじゃあ、もう一回やろっか……」

それからは無言で交互にアイスを食べさせていく二人。
お互いから手渡されるスプーンが徐々に熱を帯びていくのが分かった。
ただ黙々と時間が過ぎていく。

アイスの容器が空になったのは夕方頃だった。
タルト同様、二人揃って仲良く腹痛を起こしたのは言うまでもない。
最終更新:2009年08月30日 17:37