んじゃ俺も投下。
ぶきせつで被ってしまったスマソ
「せつな、ブッキーが今日どこに行くかとか聞いてた?」
ラブが私の部屋に入ってきた。
「ううん、別に聞いてないよ」
「そっか...まだ帰っていないってブッキーの家から電話あったから...」
時計を見る。夜11時をとうに回っている。
「携帯も出ないし...何もないといいけど...おやすみ」
ぶつぶつ言いながらラブは自分の部屋に戻った。
読みかけの本に目を戻すが、何か胸騒ぎがする。
ブッキーとは、ダンス合宿でお互いを知ってからは
よく一緒に図書館や買い物に行っていたが、いつも
夜8時には家に戻るように予定を組んでいた。
そのうち胸騒ぎは嫌な予感になり、本の内容も
頭に入らなくなってきた。
服を着替え、アカルンを呼び出す。
「キィ」
いつも陽気な声で出てくるアカルンも、私の気持ちを
察したのか、真面目な表情をしている。
「ブッキーの居るところへ」
赤い光が私を包んだ。
27 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:30:28 ID:66tdVY2Y
光が消えると、そこは閑散とした路地だった。
四つ葉町にこんな場所は無い。
周りを見渡すより前に、声が聞こえた。
「やめてください...離してください...」
聞き覚えのある声が小さく聞こえる。
それをかき消すかのように、男達の声が聞こえる。
「あきらめろよ。ここまできたら叫んでも声聞こえないし」
「つかマジでおっぱい大きいよなぁ。俺にも触らせろよ」
「まてよ俺が終わってから!先にこいつ狩ろうって言ったの俺だし」
声の方を向くと、ブッキーに男3人が覆い被さっていた。
ブラウスは半分破られ、下着が見えている。
色々と触られているが、まだ最悪の事態には至っていないようだ。
ブッキーの表情は絶望と悲しみでで覆い尽くされている。
嫌な予感が的中した。
28 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:31:44 ID:66tdVY2Y
「ブッキー!」
大声を出してブッキーに走り寄る。
「...せつなちゃん...?」
「なんだよお嬢ちゃん。お友達かい?」
「おほっ、こりゃまたおいしそうなカラダしてんねぇ」
男達が私の方に寄ってくる。
ブッキーの表情がみるみる変わり、涙があふれている。
助けてって言うんでしょ。言うまでもないわ。そのために来たんだもの。
ところが、次に出てきた彼女の言葉は私の予想とは
違っていた。
「せつなちゃん!逃げて!はやく逃げて!」
「ブッキー...」
この期に及んでも、友達を逃がそうとするブッキーが
たまらなく愛おしい。
それと同時に、男達に対する黒い憎悪が心を覆い尽くす。
29 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:34:13 ID:66tdVY2Y
私は立ち止まり、男達を睨み付けた。
全身に殺気をみなぎらせる。こんな感覚は久しぶりだ。
まだ私はこんな感覚を持てるのか。
いや、今までとは少し違う。
全ての人を不幸にするためにこの感情を持っているのではなく、
大事な人を守るため...大事な人を傷つけた奴に対する憎悪。
「ねぇ、一緒に遊ぼうよぉ」
胸に伸びてきた左端の男の手首を内側にひねる。
男は浮き上がるように反転し、簡単に腕を極められた。
「あうぅぅぅぅおぉぉ」
情けない声を出す男だ。股間を蹴り上げる。
声もなくその男はのたうち回る。
「てめぇっ」
残り2人の男が色めきだつ。
30 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:35:45 ID:66tdVY2Y
正面の男を睨み付ける。
男の目に怯えが走る。
勝負は既に決しているようだ。
こいつは生きるか死ぬかの闘いを経験していない。
「調子こいてんじゃねぇぞ!」
怯えを隠すかのように、正面の男が殴りかかってくる。
まるでスローモーションを見ているかのように遅い。
顔の動きだけで拳を避け、軸足を払う。
男は簡単に転がった。
ふいに後ろから腕を捕まれた。
もう1人の男が後ろに回っていた。
反射的に体をひねり、肘を飛ばす。
無意識だった。
31 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:38:50 ID:66tdVY2Y
ラビリンスの兵士訓練は苛烈を極めた。
総統メビウス直下の兵になるには、戦術はもとより
実戦の能力が重視される。
選抜試験は実戦形式の競技ではなく、実戦だった。
容赦なくお互いの急所を狙う。
それで使い物にならなくなった兵は、弾よけの歩兵になるか
クラインに命を止められるだけだった。
それに、勝ち抜いてきた。
容赦なく相手の急所を打ち抜いてきた癖は今も抜けず、
格闘になると無意識に急所を狙ってしまう。
飛ばした肘が男のこめかみに吸い込まれる。
しまった、と思った。ここは殺し合いをする場所ではない。
しかし、体をひねった際に男がバランスを崩したらしく、
私の肘は急所をかろうじて外した場所に当たった。
それでも男は棒のように倒れ、白目をむいていた。
32 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:44:07 ID:66tdVY2Y
「この野郎...」
足を払って転倒した男が立ち上がり、ナイフを取り出した。
「せつなちゃん!!危ない!!」
ブッキーが叫ぶ。
ブッキーの悲痛な叫びとは裏腹に、
私は口元をほころばせてしまった。
構えと目を見ればわかる。
ナイフと打撃の組み合わせは、よほど訓練された
兵士でないと併用できない。
ナイフですべて片付くと思ってしまうのだ。
つまり、ナイフだけ見てれば良い。
「おらああああああああ!」
声は勇ましいが、ナイフが止まっているようなスピードだ。
やけっぱちで振り回しているだけだ。
ナイフを持った腕が伸びきったところで、手首に掌底を入れる。
簡単にナイフが落ちた。
体の回転を生かして、そのまま回し蹴りを入れる。
きれいに首に入った。声もなく男は倒れた。
33 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:47:31 ID:66tdVY2Y
ブッキーの元に駆け寄る。
「ブッキー、大丈夫?」
「せつなちゃん...ありがとう...もうだめかと思った...」
ブッキーの大きな目から涙が止めどなく流れ、私の胸に
飛び込んできた。
「さ、早く行こう」
私はTシャツの上に着ていた襟付きのシャツを
ブッキーに着せ、足早にその場を離れた。
何本か通りを過ぎると、大通りに出た。
隣町のようだ。
「ブッキー、どうしてあんなところに居たの?」
「獣医学の専門書を頼まれて、買いに来たの。
そしたら帰りがけに突然囲まれちゃって...」
よほど怖かったのだろう、ブッキーは私の腕に
しがみついたままだ。
「せつなちゃん...強いね」
「えっ...まぁ...ラビリンスでやらされてたから」
「ありがとう...せつなちゃん」
ブッキーが私にさらに密着してくる。
意外に大きなブッキーの胸が腕に押し当てられている。
34 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:48:04 ID:66tdVY2Y
「あ、連絡しておかなきゃ」
ブッキーがリンクルンを開けて電話をかけ始めた。
「あ、ラブちゃん?連絡取れなくてごめんね。ちょっと色々あって、
せつなちゃんに助けてもらったの。これから戻るね。」
「あ、美希ちゃん?連絡取れなくてごめんね。ちょっと色々あって、
せつなちゃんに助けてもらったの。これから戻るね。」
「あ、お母さん?連絡取れなくてごめんね。ちょっと色々あって、
せつなちゃんに助けてもらったの。終電なくなっちゃったから
タクシーで戻るね。」
ブッキーがリンクルンを閉じた。
「ねえブッキー、私アカルンがあるからすぐ戻れるよ?」
「うん、知ってるよ」
「えっ...」
ブッキーが私の腕にぎゅっとしがみつく。
「ホントに怖かったから...忘れさせて欲しいの」
「...」
私はこれから起こり得ることを想像して、
体の奥底が熱くなるのを感じた。
以上終わり。
続きは思いついたら書きます。
何か表現が某ハードボイルド小説のパクリに
なってしまったorz
最終更新:2009年08月17日 22:53