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26 : ◆BVjx9JFTno :2009 > 08 > 15(土) 05:27:46 ID:66tdVY2Y

んじゃ俺も投下。
ぶきせつで被ってしまったスマソ


「せつな、ブッキーが今日どこに行くかとか聞いてた?」

ラブが私の部屋に入ってきた。

「ううん、別に聞いてないよ」

「そっか...まだ帰っていないってブッキーの家から電話あったから...」

時計を見る。夜11時をとうに回っている。

「携帯も出ないし...何もないといいけど...おやすみ」
ぶつぶつ言いながらラブは自分の部屋に戻った。

読みかけの本に目を戻すが、何か胸騒ぎがする。

ブッキーとは、ダンス合宿でお互いを知ってからは
よく一緒に図書館や買い物に行っていたが、いつも
夜8時には家に戻るように予定を組んでいた。

そのうち胸騒ぎは嫌な予感になり、本の内容も
頭に入らなくなってきた。

服を着替え、アカルンを呼び出す。
「キィ」

いつも陽気な声で出てくるアカルンも、私の気持ちを
察したのか、真面目な表情をしている。

「ブッキーの居るところへ」

赤い光が私を包んだ。




27 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:30:28 ID:66tdVY2Y
光が消えると、そこは閑散とした路地だった。
四つ葉町にこんな場所は無い。

周りを見渡すより前に、声が聞こえた。

「やめてください...離してください...」
聞き覚えのある声が小さく聞こえる。

それをかき消すかのように、男達の声が聞こえる。
「あきらめろよ。ここまできたら叫んでも声聞こえないし」
「つかマジでおっぱい大きいよなぁ。俺にも触らせろよ」
「まてよ俺が終わってから!先にこいつ狩ろうって言ったの俺だし」

声の方を向くと、ブッキーに男3人が覆い被さっていた。
ブラウスは半分破られ、下着が見えている。
色々と触られているが、まだ最悪の事態には至っていないようだ。
ブッキーの表情は絶望と悲しみでで覆い尽くされている。

嫌な予感が的中した。




28 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:31:44 ID:66tdVY2Y
「ブッキー!」

大声を出してブッキーに走り寄る。

「...せつなちゃん...?」

「なんだよお嬢ちゃん。お友達かい?」
「おほっ、こりゃまたおいしそうなカラダしてんねぇ」
男達が私の方に寄ってくる。

ブッキーの表情がみるみる変わり、涙があふれている。
助けてって言うんでしょ。言うまでもないわ。そのために来たんだもの。

ところが、次に出てきた彼女の言葉は私の予想とは
違っていた。

「せつなちゃん!逃げて!はやく逃げて!」

「ブッキー...」

この期に及んでも、友達を逃がそうとするブッキーが
たまらなく愛おしい。

それと同時に、男達に対する黒い憎悪が心を覆い尽くす。



29 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:34:13 ID:66tdVY2Y
私は立ち止まり、男達を睨み付けた。
全身に殺気をみなぎらせる。こんな感覚は久しぶりだ。
まだ私はこんな感覚を持てるのか。

いや、今までとは少し違う。
全ての人を不幸にするためにこの感情を持っているのではなく、
大事な人を守るため...大事な人を傷つけた奴に対する憎悪。

「ねぇ、一緒に遊ぼうよぉ」

胸に伸びてきた左端の男の手首を内側にひねる。
男は浮き上がるように反転し、簡単に腕を極められた。

「あうぅぅぅぅおぉぉ」

情けない声を出す男だ。股間を蹴り上げる。
声もなくその男はのたうち回る。

「てめぇっ」

残り2人の男が色めきだつ。




30 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:35:45 ID:66tdVY2Y
正面の男を睨み付ける。
男の目に怯えが走る。

勝負は既に決しているようだ。
こいつは生きるか死ぬかの闘いを経験していない。

「調子こいてんじゃねぇぞ!」

怯えを隠すかのように、正面の男が殴りかかってくる。
まるでスローモーションを見ているかのように遅い。
顔の動きだけで拳を避け、軸足を払う。
男は簡単に転がった。

ふいに後ろから腕を捕まれた。
もう1人の男が後ろに回っていた。
反射的に体をひねり、肘を飛ばす。
無意識だった。


31 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:38:50 ID:66tdVY2Y
ラビリンスの兵士訓練は苛烈を極めた。
総統メビウス直下の兵になるには、戦術はもとより
実戦の能力が重視される。

選抜試験は実戦形式の競技ではなく、実戦だった。
容赦なくお互いの急所を狙う。
それで使い物にならなくなった兵は、弾よけの歩兵になるか
クラインに命を止められるだけだった。

それに、勝ち抜いてきた。



容赦なく相手の急所を打ち抜いてきた癖は今も抜けず、
格闘になると無意識に急所を狙ってしまう。


飛ばした肘が男のこめかみに吸い込まれる。
しまった、と思った。ここは殺し合いをする場所ではない。


しかし、体をひねった際に男がバランスを崩したらしく、
私の肘は急所をかろうじて外した場所に当たった。
それでも男は棒のように倒れ、白目をむいていた。



32 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:44:07 ID:66tdVY2Y
「この野郎...」
足を払って転倒した男が立ち上がり、ナイフを取り出した。

「せつなちゃん!!危ない!!」
ブッキーが叫ぶ。

ブッキーの悲痛な叫びとは裏腹に、
私は口元をほころばせてしまった。

構えと目を見ればわかる。
ナイフと打撃の組み合わせは、よほど訓練された
兵士でないと併用できない。
ナイフですべて片付くと思ってしまうのだ。


つまり、ナイフだけ見てれば良い。


「おらああああああああ!」

声は勇ましいが、ナイフが止まっているようなスピードだ。
やけっぱちで振り回しているだけだ。
ナイフを持った腕が伸びきったところで、手首に掌底を入れる。
簡単にナイフが落ちた。

体の回転を生かして、そのまま回し蹴りを入れる。
きれいに首に入った。声もなく男は倒れた。




33 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:47:31 ID:66tdVY2Y
ブッキーの元に駆け寄る。
「ブッキー、大丈夫?」
「せつなちゃん...ありがとう...もうだめかと思った...」
ブッキーの大きな目から涙が止めどなく流れ、私の胸に
飛び込んできた。

「さ、早く行こう」

私はTシャツの上に着ていた襟付きのシャツを
ブッキーに着せ、足早にその場を離れた。

何本か通りを過ぎると、大通りに出た。
隣町のようだ。

「ブッキー、どうしてあんなところに居たの?」
「獣医学の専門書を頼まれて、買いに来たの。
 そしたら帰りがけに突然囲まれちゃって...」

よほど怖かったのだろう、ブッキーは私の腕に
しがみついたままだ。

「せつなちゃん...強いね」
「えっ...まぁ...ラビリンスでやらされてたから」
「ありがとう...せつなちゃん」

ブッキーが私にさらに密着してくる。
意外に大きなブッキーの胸が腕に押し当てられている。




34 : ◆BVjx9JFTno :2009/08/15(土) 05:48:04 ID:66tdVY2Y
「あ、連絡しておかなきゃ」

ブッキーがリンクルンを開けて電話をかけ始めた。

「あ、ラブちゃん?連絡取れなくてごめんね。ちょっと色々あって、
 せつなちゃんに助けてもらったの。これから戻るね。」

「あ、美希ちゃん?連絡取れなくてごめんね。ちょっと色々あって、
 せつなちゃんに助けてもらったの。これから戻るね。」

「あ、お母さん?連絡取れなくてごめんね。ちょっと色々あって、
 せつなちゃんに助けてもらったの。終電なくなっちゃったから
 タクシーで戻るね。」

ブッキーがリンクルンを閉じた。

「ねえブッキー、私アカルンがあるからすぐ戻れるよ?」
「うん、知ってるよ」
「えっ...」

ブッキーが私の腕にぎゅっとしがみつく。

「ホントに怖かったから...忘れさせて欲しいの」
「...」


私はこれから起こり得ることを想像して、
体の奥底が熱くなるのを感じた。



以上終わり。
続きは思いついたら書きます。

何か表現が某ハードボイルド小説のパクリに
なってしまったorz

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最終更新:2009年08月17日 22:53