森の奥の古ぼけた洋館。
アタシ達3人は、誰も住んでいないという森の奥にある洋館の探検に来ていた。
「ねー、もう帰ろうよ」
「何言ってるの、まだ行ってもいないうちに」
「ねえねえ、二人とも遅いよー」
ブッキーを先頭に、次はアタシ、ラブはアタシの服の裾を握り、へっぴり腰で歩いている。
「ねー、叱られちゃうよ」
「叱られる訳ないでしょ、誰も住んでいないのに」
「あ、見えてきた」
ブッキーの持つ懐中電灯の光に、建物が浮かび上がる。
確かに、暗いところで見る洋館は不気味に見える。
と思って、洋館を見ていると、
ブッキーはさっさと扉の所に行き、
ノブを引っ張って、扉を開けようとしている。
ギギー、と不吉な音をたて扉が開く。
「お邪魔しまーす」
「お邪魔します」×2
人様のおうちに入る時はご挨拶しなきゃね。
ってブッキー、これが人様のおうちだったら、不法侵入という立派な犯罪よ。
懐中電灯の頼りない光で周りを見渡す。
広いエントランスの奥は、両側に階段があるようだ。
なんとなく初代バイオ○ザートを思い出す・・。
ってアタシはしてないわよ。だって、発売当時は赤ちゃんだったもの。
階段の脇に何か黒いものが見える。
前の住人が残していった置物だろうか。
そちらに光を向けるとその置物が、
う、ご、き、だしたーーー!!
「ぐおー」
黒い物体は両手をあげ、いまにも襲いかかりそうだ。
「きゃーーー」
「あ、可愛い」
へっ?
「これはねえ、ハイイログマと言って・・」
ハイイログマってブッキー、映画にもなったグリズリーのことじゃない。
確か、人喰いクマのことじゃなかった?
「・・、北アメリカ大陸にしかいなくて、・・アメリカでは絶滅保護種に指定されてるの」
アメリカにしか生息していない熊で、しかも絶滅保護種なのに、なんでここにいるのよ。
というより、さっきからそのハイイログマ、両手を上げたまま硬直してるじゃないの。
後ろを見ると、ラブもさっき悲鳴を上げた口のまんま、硬直している。
アタシがラブの両頬をはたくと、
残りの悲鳴を吐きだし、出口へと一目散に走ってゆく。
「神様、助けてーーーー!!」
ぴちょん。
その頃。
洋館の奥では。
「ウエスター、全然FUKOが溜まっていないじゃない」
「ここへ人を呼び寄せるなんて効率が悪すぎる。
それに本拠地に侵入させるとは、危険極まりない」
「サウラー、お前に借りた本に、人間はお化け屋敷を怖がると書いてあった!
それにイース、お前だって賛成していたじゃないか」
「どうせ、アンタなんかに何言っても無駄だと思ったのよ」
「メビウス様に報告だな」
心底呆れ果てたという風情で、イースとサウラーは部屋へ出てゆく。
部屋には、ウエスターただひとり。
「そんなあ、FUKOだーーーー!!」
部屋には、ウエスターの絶叫が響き渡る。
ぴちょん。
今回のウエスターの成績
FUKO2滴(ラブとウエスターの分)
了
最終更新:2009年09月25日 22:33