わたしばっかりいつもしてもらって、美希ちゃんには何もしてあげられない…
付き合い始めてからもうすぐ2ヶ月。毎日がほんとに楽しくて。
ラブちゃんとせつなちゃんもわたしたちの事を心から祝福してくれた。
引っ込み思案なわたしをいつも引っ張ってくれた美希ちゃん。
ラブちゃんとはまた違った優しさ。
せつなちゃんの優しさともまた違う、何か。
それを本当に実感したのは………。
〝あの時で〟
初恋の人と一緒になれた事。
何もかもが初めてで。
怖かった。
……痛いって聞いてたし……
だから、わたしは正直に美希ちゃんの胸にすがりついて。
幸せなはずなのに、目にいっぱいの涙だった。
けど、零れないようにずっとがまんして。
見上げると、美希ちゃんは優しく微笑んでくれていた。
「美希ちゃん…」
「祈里。ずっと守ってあげるから。いつまでも、その魅力的な祈里のままでいてね。」
そして二人は一緒に。
嬉しかった。
愛されてる喜びを初めて知ったから。
それからの二人の距離はさらに縮まって。
お互いを求め合うまでに発展していった。
でも。
どこか満たされないわたしがいて。
愛されてるのは自分ばかりな気がしたの。
わたしたちの関係。今よりももっと、もっと…。
さらに長いお付き合いをしていくためには?
わたしにも出来る。
だって
美希ちゃんを…
――愛しているから――
自分を信じて。
「美希ちゃん! き…今日はわたしがんばる!」
「えっ?」
(なんかブッキー、すごい可愛い顔してる!!!いや、いつも可愛いけど…。いつにもまして、ほっぺた真っ赤よ!?)
「あんまり…、上手くないかもしれないけど………、わたしに…まかせて……くれる?」
「…え、う、うん!」
(本気ね…。嬉しすぎてアタシ昇天しちゃうカモ……)
「美希ちゃん…」
「あっ…」
(うそ……、ブッキーうますぎ…………)
「もうこんなに…」
(み…美希ちゃんすごい色っぽい)
わたしなりに。
一生懸命に。
「ん……祈里…。ア…アタシ……」
初めて見る美希ちゃんの表情。
繰り返される動き。敏感に反応する体。
次第に熱を帯びてくる感情。
「美希ちゃん。…最後は一緒に…、ね?」
一人よりも二人で。
やっぱり仲良く。
ずっと一緒に。
そう…。決して上手じゃないけれど。
――せめてわたしらしく――
最終更新:2009年10月07日 23:28