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 いつからだろう、こんな気持ち。眼を合わせると胸が高鳴り、声を聞くと心が躍り、言葉を交わすと幸せな気持ちになる。
 わたし…あの子が好きなの?

 バカね、相手はまだほんの子供じゃないの。おまけに同性でしょ。やめておきなさい。

 理性は囁くけれど、あの子を前にするとそんなちっぽけなものはすぐに吹っ飛んでく。
 ああ、やっぱり好き。
明るくて誰からも好かれる性格も、キュートな笑顔も、バランスの取れたスタイルも、みんなみんな大好き。

「ミユキさん…?聞いてます?」

「っあ!うん、聞いてる聞いてる。…で何だっけ?」

「んもー聞いてないじゃないですかぁ」

 ラブちゃんは苦笑いして、わたしの肩を軽く叩く。
 彼女にしてみれば、ただのコミュニケーション。なのに、触れられた肩が熱くてじんじんする…。

「じゃあ明日、ダンス合宿で。楽しみにしてますね!」

 明日はラブちゃんと合宿かぁ…(正確にはあと3人いるのだけれど)。
 まるで初デートの前日のようで、気分だけは浮かれている自分がいた。




******

 合宿一日目は無事に終了し、皆それぞれ寝床についた。わたしも一旦はベッドに入ったものの、同じ屋根の下にいるあの子が気になり、とても寝付けそうにない。
 もう一度シャワーを浴びれば寝られるかな…起き上がろうとしたその時………コンコンコン。ドアを叩く音がした。誰だろう?

「…ミユキさん、ラブです。入ってイイですか」

 ひぇ!?なんでラブちゃんがわたしの部屋に?

「…返事がないけど入りますね」

 薄暗い部屋にドアの開く音が響き、ぴたぴたと足音が続く。そのまま足音はベッドの中へと侵入してくる。
 わたしは慌てて寝たふりをするが、ラブちゃんは今や心臓の激拍が聞こえそうな程の距離にいる。
 不意に後ろから抱きしめられた。ラブちゃんのふたつの膨らみを背中越しに感じ、胸の高鳴りが一層激しくなる。

「…あたし、ミユキさんのコト…ずっと前から…好きなんです」

 嘘でしょう!?こんなことありえない。好きな娘が自分のベッドに入り込んできて告白してくるなんて、こんな理想通りのシチュエーション、ありえるわけないんだから。
 夢よミユキ!これはユ・メ!夢なのよ!

 かたく眼をつむって自分に言い聞かせていると、抱きしめているラブちゃんの腕に更に力が込もり、わたしの耳元で囁くように語りかける。




「ミユキさんの意地悪…起きてるくせに…」

 そう言いながら、ラブちゃんは耳たぶを舌で舐め、わたしの胸に触りはじめる。わたしは寝る時にブラはしないのが常なので、もちろん今もTシャツだけ。

「あ…」

 思わず声が洩れ、身体をよじる。
 Tシャツの上から乳房をまさぐられ、敏感な頂きを摘まれ尖らされ、どんどん吐息が増えて大胆になっていく。

「ホラ…やっぱり起きてた」

 わたしは何て言っていいかわからず、ラブちゃんの与えてくれる快楽をただひたすら、無言で貪る。
 今の今まで、胸がこんなに気持ち佳いなんて知らなかった。

「みゆきさんすっごく色っぽいよ…。おっぱい感じるんだね」

 ラブちゃんの言葉が快感を何倍にもする。大好きな年下の娘に、言葉で、指で、なぶられる。
 歓喜と羞恥とがないまぜになり、身体を駆け巡る。
 そのうちに、彼女の指はパジャマの下に伸びてきて、下着の上から秘部を擦りはじめる。
 ラブちゃんがしやすいように自然と脚を開く自分に対し、急に理性が頭をもたげる。
 このまま最後までいっていいの?あなたはこの子のダンスのコーチなのよ!おまけに女同士なのよ!
 けれど、本音が理性に抵抗する。
 たまたま好きになった相手が年下の女の子で、ダンスの生徒だっただけ。わたしだって好きなひとと愛し合いたい!
 わたしは決意して、自ら下着を下ろした。




「ミユキさん…嬉しい。あたしを受け入れてくれるんだよね」

 嬉しそうに言うラブちゃんの言葉を聞き、たまらず叫ぶ。

「わたしも…ラブちゃんが好き!」

「嬉しい…もっと言って」

「好き…大好き…!」

 ラブちゃんはわたしの前に周り込み、指でわたしのくちびるをなぞる。そういえば、すっぴんを見られたの、今日が初めてだ。

「お化粧してないミユキさんも…可愛い」

 ラブちゃんは、わたしのくちびるに顔を近づけ、そっとキスした。
 初めてのキスは、優しいけれど、長くて、甘い甘いものだった。
 ラブちゃんはいったんくちびるを離し、わたしの瞳を見つめる。そしてもう一度、味わうようにくちづけてくる。
 さっきとは打って変わって、激しく舌を絡ませ、強く吸われる。お互いの唾液が混ざり合い、口角からこぼれ落ちる。
 ああ…なんて気持ち佳いの。今度こそ、理性は何処かに吹き飛んでいった。
 キスされている間中、ラブちゃんの指は愛撫をやめようとはしない。
 割れ目を直になぞり、奥から溢れ出した蜜を、突起した部分に丁寧になすりつけ、快感を塗りこめてゆく。
 何度も何度も電流が走り、やがて大きな放電がわたしを貫いた。

「すっごく綺麗だったよ…」

 ぴくぴくと下腹部を痙攣させるわたしを、ラブちゃんは抱きすくめ髪を梳く。
 抱きしめあったまま、幸せな気持ちで朝まで眠った。

******

 眩しい…。
 朝の光が差し込み、何も身につけていない裸体を照らす。
 生まれたままの自分の姿に気づいて、夕べの出来事が頭をよぎった。
 脚の間には、昨夜の蜜が乾ききらずに残っている。
 くちびるに舞い降りる優しい感覚がして、顔を上げるとすぐそばに、照れくさそうにはにかむ笑顔。
 夢じゃなかった。そこには確かに、愛しいラブちゃんの姿。

「―――――おはよう、あたしの恋人」

       …FIN…
最終更新:2009年10月21日 22:58