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避-19

「せつな、ドッジボールだよ!」

次は体育ということで着替え終わった私にラブは興奮気味に話しかけてきた。

「ラブったら、嬉しいの?」

「嫌なんだよ! だってせつなと違うチームになったら嫌だよ。
せつなに怪我をさせちゃうかもしれないのにボールを当てるなんて無理無理!」

「それは私もよ」

もし、そうなったらチーム分けをした先生、もしくはラブ以外全員を狙うわ。

「そうならないように祈りましょう? 私、信じてるわ」

「あはは。せつな、それブッキーの台詞だよ」


「よかったー。せつなと同じチームだよ」

本当によかったわ。これで先生やラブ以外全員を狙わなくて済んだわ。

「そうね。がんばりましょう。私も精一杯がんばるわ」

「大丈夫だよ。せつなと一緒なら、あたし完璧なんだから」

「ラブったら、それ美希の台詞よ」

でも、ラブと一緒なら何でもできる気がするわ。

「でも、向こうに男子のほとんどがいっちゃったよ・・・」

確かにあっちのチームには大輔君をはじめとしたクラスの男子のほとんどがいる。
明らかにこっちが不利だわ。何なのこのチーム分け。先生を当てようかしら・・・。

「ボールは桃園のチームからだ」



「ラブ、頑張って!」

「うん! まかせて。せつな」

ラブが始めに投げてゲームは始まる。大丈夫。外野はちゃんと注意して見ているからラブを狙わせたりはしない。

「いくよ!」

ラブはボールを持ち直して、そして・・・

「大輔、覚悟ぉぉぉぉ-!!!」

「へ?」

急に半回転して思いっきり私たちの後ろ(相手の外野)の大輔君に投げつけた。

「ぐふぉ!?」
「「大輔ー!!」」

ボールはもろにお腹に当たって彼はその場に倒れた。そこにみんなが集まる。

「殺ったー!!」

それを確認したラブは「やったー」と叫んでから力尽きた彼を指差してこう言った。

「せつなのことを悪く言ったのは謝っても許さないんだから!」

ラブったら私のために・・・

「これでまた一つ、幸せゲットだよ!」

「ラブ、彼は外野なんだから当てても相手の数に変化は・・・」
「先生、大輔のやつ気絶してます!」

相手チームの数が減った。まさかの外野が・・・

「一人ぐらいハンデだ。続行」

先生が宣言し、ゲームが再開される。
だけどボールは相手の外野から。必然的に残りの二人の挟み撃ちにあう。

「きゃっ! 最低!」
「痛いじゃない!」
「うぶっ!?」

明らかに不利なチーム分け。一人。また一人と相手のボールに当たっていく。



「先生、大輔のやつにボールがあたってます!」
「あたるくらいハンデだ。続行」

避けている途中でラブが体勢を崩した。そこに相手のボールが飛んでくる。
まずい! あれじゃかわせない!
そう判断した私は・・・いや、判断する暇もなかった。無意識に体は動いていた。

「ラブ、危ない!」
「へ?」

私はラブの前に飛び出した。

「くっ」
「ふぎゃ!?」

私は自分の体をつかってボールの軌道を逸らす。肩に当たったボールはそのまま倒れている・・・(誰だっけ?)・・・屍の顔に命中した。

「先生、大輔のやつ泡吹いてます!」

思い出した。大輔君だったわ。
私は思ったよりも強い衝撃を逃がしきれず、そのまま地面に倒れた。

「一旦中断!」

先生が中断する。
大輔君の時は続けたのに、どして?

「せつな! 大丈夫!?」

ラブが私に駆け寄る。私は起き上がりながら答えた。

「大丈夫よ。全然へい・・・痛っ!」

起き上がるときに足首に痛みを感じた。多分捻ったのね。
ラブは私を支えながら聞いてきた。

「せ、せつな。痛む?」

「少しね・・・」

「ごめんね。せつな。あたしなんかのせいで・・・」

「ううん。これでラブが傷付かなかったのなら安いものよ。ラブが怪我をしなかったから本当によかった」

「せつな・・・」

「何? ラブ」

「好きだよ」

「私も好き」

そして私たちは互いに目を瞑って顔を近づけて・・・

「きゃー! 桃園さんと東さん大胆ー!」
「お前たち、授業中だぞ。いちゃつくならよそでやれ」

一気に離れた。
恥ずかしい。みんなの前で・・・

「せ、先生! 保健室に連れて行っても良いですよね」

「何で既に決まってるんだ? まあ、いいや。連れて行ってやれ」

ラブはそれを聞いて顔が赤くなった。

「ラブ、どしたの?」

「せ、せつな。連れて行って犯れって言われたから、行こう?」

「ええ」

なんか、違和感を感じたけど・・・。
私はラブの肩に手をかけたら・・・

「よっと」
「え?」

歩き出そうとした私の首と膝の裏に手を回して来たと思うと、気が付けば私は
ラブに抱きかかえられていた。族に言う、お姫様抱っこ、の状態。

「ら、ラブ、みんな見てるし、重いから降ろして」

「大丈夫。それにけが人はおとなしくする」

そして、そのまま私はラブに抱かれたまま校舎に入った。

「先生、大輔のやつ白目剥いてます!」
「白目くらいハンデだ。再開」





ラブに抱かれたままの私は、ラブの首に両手を回して強く抱きついた。

「ど、どうしたの? せつな」

ラブは少しびっくりしたみたい。

「ラブにもっとくっつきたかっただけよ」

自分でも顔が赤くなるのが分かるくらい恥ずかしい言葉を言ったと思う。

「なんか、こうしてると・・・せつなはお姫様みたいだね」

あたり前よ。私はラブのお姫様なんだから。ラブだけのお姫様。
そしてラブは・・・

「あれ? 誰もいない」

保健室についた私とラブはとりあえずベッドに座った。

「そういえば、今日は先生、休みって言ってたわ」

「あちゃー、授業終わるまで後30分はあるよ」

私は隣に座っているラブにもたれかかる。

「ねえ、ラブ? 私はお姫様?」

「うん。お姫様だよ」

そう言ってラブは私を抱きしめてくれる。

「違うわよ。ラブのお姫様よ」

「なら、あたしだけのお姫様だね」

ラブは強く抱きしめる。

「じゃあ、あたしは?」

私はその言葉に答えずに、ラブにより強く抱きつく。

「せ、せつな」

「大丈夫。鍵はかけたから」

そして私はラブに抱きついたままベッドに倒れこんだ。
ラブはね。私の・・・私だけ女神様なんだから。
最終更新:2009年11月03日 22:40