ラブとせつなは今頃沖縄か……。
久しぶりにブッキーと二人きり。
このチャンスは絶対モノにするわ!
とは言うものの、いつもと変わらぬ待ち合い場所。
デートプランは完璧にシミュレーションしてるはずなのに。
ブッキーはアタシが誘うと、いっつもカオルちゃんのドーナツショップを
指定してくる。逆にブッキーがアタシを誘う時はやれ、動物園だの
遊園地だの映画館だの公園だの。。。
「ハァ…」
なーんか振り回されてない?
別にイヤじゃないんだけど、完璧主義なアタシにはちょっと……ね。
何だかんだ考えてると、いつもの明るい声が近づいてくる。
「美希ちゃーん!」
「遅いぞ!ブッキー。」
「ごめんねぇ。小鳥さんたちとお話してたの。」
あのねぇ…。ブッキーはアタシと小鳥、どっちが大切なのよ?
そりゃね、動物大好きなアナタだから百歩…いや千歩譲って小鳥を選んでも、、、まぁ……許すけど。
にしてもよ?今日は久しぶりの二人だけのデートでしょうが!
「どうしたの美希ちゃん?さっきから怖い顔してるけど。」
「はっ!う、うぅん、だ、大丈夫大丈夫。怒ってなんかないから。アハハハハ…」
「変な美希ちゃん。くすくす…」
ダメ。今日もブッキーペースにハマってるわ。危ない危ない。そうはさせないわよ。
流れを変えなくちゃね。
「あ、お腹空いてるでしょ?座ってて。ドーナツ持ってくるから。」
「うん。ありがと美希ちゃん。」
きゃわゆ~い。何この笑顔。何回見ても飽きないわ。
もはや…罪よね…。
しばらくドーナツを食べながら談笑の花を咲かせていると。
「沖縄…、行ってみたいね。たまにはプリキュアもお休みして。」
ブッキーにしてはちょっと大人の発言にアタシは思えた。
「今度の3連休行ってみる?ママにお願いすれば何とかなりそうだけど。」
「ほんと!?あ…、うーん…。お父さんとお母さんにも聞いてみないと…。」
そりゃそうよね。アタシと違ってブッキーは大事に育てられてるし。
二つ返事では済まない事ぐらい、わかってたんだけど。
「でも!許してもらえると思うの。だってね、沖縄には…」
まさかのブッキー沖縄生態系説明が始まる。旅行じゃなくて動物観察なら許して
もらえる訳ね…。納得だわ。
ま、どんな理由でもイイから、一度ブッキーとは旅行してみたいなって。
全てを忘れて二人だけの時を過ごしたいと言うか。
―――甘い時間を二人で―――
共有出来るハズなのよ、アタシたちなら。
バランスも取れてるハズだし、お互い美少女だし、相思相愛なハズだし。
「待ってよ美希ちゃーん」
「ほらほらーおいでー」
「置いてかないでよー」
「もう。しょうがないわねー。」
「捕まえた!」
「コラ。ズルイぞ、ブッキー。」
「祈里って…、呼んで?」
「え…?」
「今夜は…、ずっと一緒…だよ?」
「祈里……。愛してる…。」
「ーい」
「希ちゃーん」
「聞こえてるー???」
「なっ!」
「美希ちゃん、誰かとお話してたの?ずっと空見上げてたから。」
アタシの完璧な人生に汚点が、、、
カッコ悪すぎる。
ここは一つ…
「行くわよ沖縄!ブッキー、3連休絶対空けといてね!お金はアタシが出すわ!」
「え!?」
「決めたのもう。完璧な思い出、作りましょ!」
「うん。素敵な思い出作れるって、わたし……信じてる。」
でもこの後、せつなが現れてアカルンで沖縄強制連行になっちゃうんだけど…。
「すいません、このクレジットカード使えます?女性二人なんですが泊まれますか?」
「大丈夫ですよ。ご案内致します。」
(泊まれるよブッキー。)
(何かどきどきするね。)
~END~
最終更新:2009年11月10日 00:47