「来月のパジャマパーティーなんだけどね。」
「クリスマスイブでしょ?ちゃんとアタシ、スケジュール空けといたわよ。」
「わたしも平気だよ。病院もお休みだし。」
「
クリスマス…。私、すっごく楽しみだわ!」
「でね~。あたし、こんなの用意してみたの!」
「ラブちゃん!内緒だって言ったのに…。もぅ、気が早いんだから。」
「何……コレ…」
「帽子?大きな袋もあるけど。」
「せつなはこっち。美希たんはこっちね。」
「私?どして?」
「なーーーーーーーんでアタシがトナカイになんなくちゃいけないのよ!!!」
「せつなの大好きな色ってなーんだ?」
「赤…だけど。」
「せつなちゃん。悪いんだけど…、そのキュアパッションに…」
「お願いせつな!ちょっとだけでイイから!」
両手を合わせて懇願する二人にちょっと戸惑い気味のせつな。
「あなたたち…、アタシはほったらかしなワケ!?」
「いやいや、んな事ないよ美希たん。買ってきたのが大きかっただけだよ。」
「美希ちゃんお願い。わたし、信じてる。」
「美希が着替えるなら私も精一杯がんばるわ!」
(どう考えてもおかしくない?この現状…。)
少し不満気な様子の美希。とは言え祈里からのお願い、はたまたせつなからも
条件を突き付けられ、とても逃げれる雰囲気でもなく…。
「わ、わかったわよ!完璧に着こなしてみせるんだから!」
「わはー!ありがと美希たん!じゃせつなもお願いね。」
「わかった!」
―――チェィィィンジ・プリキュアッ!―――
(パッションサンタ…。 「ねえ…ラブ?今日はこの姿で…」 的な。)
すっかり脳内はHな事で頭がパンパンなご様子のラブ。
一方…
(すっごく恥ずかしいんですケド…)
せつなの変身に比べて、明らかに地味な〝変身〟の美希。
思わず本音がぽろりとこぼれる。
「トナカイなんてあたし…」
「かわいいよ美希ちゃん。なでなで」
「どうせトナカイの方に興味あるんでしょ!」
「美希ちゃんの方…」
祈里の〝本音〟が聞けてすっかりご満悦の美希。
が、しかし。準備が出来た二人を見つめてみると、明らかなミスマッチで。
こらえ切れずに吹き出してしまうラブと祈里。
(秘密の企画ってこう言う事だったの…。ラブの仕業なのね。…哀れな美希…)
もちろん、熱いお説教が美希からラブにされたのは言うまでもなく。
祈里の仲裁が無ければ来月のパジャマパーティーも中止になっていたはずで。
「来月楽しみにしてるよ。ラブちゃんせつなちゃん、またね。」
「うん!絶対来てね!」
「さようならブッキー。美希も似合ってたわよ。くすっ」
「せーつーなー!!!」
~その日の夜~
桃園家にせつなが最初に来た冬くらい、 サンタクロースを信じさせてもいいのかな…。
朝起きたら枕元にプレゼントが…なんて素敵サプライズも考えたりして。
でも、中学生じゃもう無理かなぁ?
いや!んな事ないよ、絶対。
「サンタさんはいつ来てくれるのかしら!」とかワクワクして
眠れなくなって、せつな徹夜しそうだし。
「もし…、本当に居たとしても…私の所には来てくれるかしら…」
なーんて、俯いちゃうのも良いんじゃない?
そんな時こそ!あたしが100円貯金貯めて買ったプレゼントを
夜中にこっそり置きに来るわけだ。
(我ながらイイハナシダナー)
バレたらウルウル、
バレなくてもキラキラのせつなが拝めちゃう。
「……ラブ?」
「(ギクリ)せ、せつな……起きてた……の」
「あら?ラブ、その手に持ってるのって、もしかして……」
「(バレた?ど、どうしよう……)ええっと、これはね、あのね」
「あ、もしかして……」
(!)
「サンタさんって、ラブのことだったのね!」
(えっ……そっちなの?)
というわけで、バレても問題ないんだよん。
やっぱりせつなは、私の大切なお嫁さんなのだー!
「いい加減脱がせてよ…」
「いやいやいやーん。わたしだけのトナカイさんなんだもん!」
(やっぱりアタシじゃないのね…)
「そんなに脱がせて欲しかったの?じゃあ脱がせてあげる」
「祈里…」
「!!…美希ちゃん、トナカイさんの下って…裸だったのね」
「早く祈里に脱がせてほしくて…」
「美希ちゃん可愛い…」
~END~
最終更新:2009年11月30日 23:00