「うーん…」
自分が思った通りに体が反応してくれない。
特に体の調子が悪い訳でもなく。
スランプと言う程、大げさな訳でもない。
それはラブが――――キュアピーチが抱える悩みにまで発展していった。
「はぁーあ…」
「どうしたのラブちゃん。」
「うん…。」
「ん?」
悩んだ時はいつも祈里に相談。
隣にはドーナツと祈里。
最後は祈里と爆睡。
この三つがあれば、普段だと翌朝絶好調の自分に会える。
今回もその予定――――のはずだった。
「ねぇ、ブッキー」
「なーに?」
「重いんだ…」
「何が?」
「ここ」
ラブが指差した所。それは…
「おっぱい?」
「………」
黙って小さく頷く彼女に、祈里は言葉を続ける。
「ラブちゃん成長期に入ったんじゃない?」
「そ…、そうなの…かな?」
「きっとそうだよ!〝大人〟に一歩、前進したんだよ!」
そう言って祈里はラブの両手を、力強く握り締める。
「で、でもさ…」
「ん?」
「邪魔…だよね」
ラブはずっと俯いたまま。余程、打ち明ける事が恥ずかしかったのだろう。
ほっぺたはピンク色に染まってる。
「わたしも最初は、ラブちゃんと同じ気持ちだったかな。」
「…ブッキーも?」
「うん。」
祈里は穏やかな表情でラブを包み込む。
自分が経験した事をゆっくり説明しながら。
「本当にそんなんで楽になるのかなぁ?」
「大事な事だよ。自分の体の事なんだし。」
「でも初めてだなぁ。自分で買うのって。」
「えぇー!?じゃあ今までどうしてたの?」
「…お母さんに買ってきてもらってた。」
確かに。
祈里はふと、過去の出来事を思い出す。
ラブの体を包んでいた下着。
全て―――――白だった
それも、小学生が標準で付けてるような物だったのを…。
「じゃあ今度の日曜日、一緒に買いに行こうよ。」
「ほんと!?」
「うん。ラブちゃんらしい、可愛いの見つけよっ!」
「ありがと、ブッキー。」
これで体は言う事聞いてくれるのかな?って思う。
下着一つ、ブラジャーぐらいで変わるのかなって。
あたしはむしろ、ブッキーに恥ずかしかったけど全部話せた事や、
同じ経験をしたと聞けたのが、楽になれた理由なのかな?と思って。
「ところでラブちゃん。」
「なーに?」
「今度プリキュアに変身したら、触ってもいい?おっぱい。」
あたしは全身から火が出たんじゃないか!?って思うぐらい恥ずかしかった。
プリキュアのコスチュームはそれこそ、肌にぴったりフィットしている訳だし…。
ただでさえおっぱいが大きくなったのを実感してるのに、尚更触るだなんて。
「…どうしても?」
「ダメ?」
「…………いいよ。」
ブッキーになら触らせてもイイのかなって。
どこか〝ほんわか〟しちゃう。
恋してるんだろうなー、あたし。
「それはそうとさー、ブッキー。」
「なになに?」
「テーブルの上におっぱい置くのやめようよー。」
「………ごめんなさーい。」
まだまだ二人は、発展途上な成長期。
~END~
最終更新:2009年12月16日 23:21