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○月×日(雨)
ラブちゃんとしばらく会えない日が続き、そろそろ不安に
落ちる。携帯やメールでは連絡取り合ってるのだけど、
何か物足りない・・・

(勇気があれば言っちゃうのにな。。。)

ラブちゃんはすっかりダンスに夢中で、学校もそっちのけらしい。
私も獣医を目指すための勉強と、家のお手伝いで悪戦苦闘。
いっつも思うのが、「学校一緒だったら良かったのに」って。

結局今日も会えずじまい。日記書くのも辛くなってきた・・・


○月△日(曇り)
外は相変わらずすっきりしない天気。神様もいじわる。私の
心をそのまま天気にしちゃってる・・・。

(待ってても何も始まらないよね、、、)


「ラブちゃん、明日久しぶりに会えないかな?」
私なりの精一杯の言葉。めーいっぱいの勇気。

「遅くなっちゃうかもしれないから、ブッキーの家に寄るよ!」
ラブちゃんの声はいつもと変わらず元気いっぱい。私とは大違い。

        【頑張れ山吹祈里!!!】


○月□日(晴れ)
どことなく落ち着かない私がもどかしい。鳴らない携帯ばっか
見ちゃってる。

結局連絡が着たのは20時すぎ。会えるのが楽しみだったはずなのに、
いつしか待ち疲れしちゃってる自分がいた。

「ブッキーごめん!これでも急いだんだよ~。」
一生懸命走って来てくれた事が私の疲れを一瞬で吹き飛ばして
くれた。

「ううん、忙しいのにこっちこそゴメン。さ、あがって。」

階段をあがるラブちゃんを少し見つめ、私は決心する。
(思い切って言っちゃおう。自分を信じよう)


「ひっさしぶりだね~、会うのもこの部屋に来るのも♪」

「うん。私も会えて嬉しい。ダンス頑張ってるね。体大丈夫?」
「あ、へっちゃらへっちゃら!まだまだ若いも~ん」
「くすくす。。。ラブちゃん相変わらずだね。」
「ソレ褒めてないよブッキー(笑」

「で、私にもしかして話あるんじゃない?」

「うん・・・。」

「なーんでも聞いちゃうぞ!私にまっかせなさーい♪」
「うん。あのね、ラブちゃんは今好きな人とか・・・」

「お?恋話ですか!?私はソレどころじゃないかなー今。」

「そ、そうだよね。。。実はね、私・・・」
「ちょーっと待った。ブッキー、目をつぶって?」

「え?」

そう言うと、ラブちゃんは私の頭に手を置いて
「ははーん、なーるほど。ふむふむ・・・」

「ラ、ラブちゃん???」

「やっぱりねー。わかる、うんうん。。。」


「平気だよブッキー。その恋実ってる♪」

「なんで!?まだ私何も・・・」
「むしろ遅すぎたかなー・・・。」
「え?」

「ごめんねブッキー。私から言うべきだったよ。」

「ラブちゃん、もしかして・・・」


「私は山吹祈里さんが大、大、大、大、だーい好きですっ♪」
「嘘・・・。ほ、ほんとに???」
「うん。落ち着いてから言うつもりだったんだけど、これが
また、その、恥ずかしくてさぁ~」

思わず私はラブちゃんに抱きついて。。。
「嬉しい・・・」

「待たせちゃったよねホント。」
と言ってラブちゃんは私の頭をなでなでしてくれた。



久しぶりの晴れ、私の心の太陽は夜に現れ、幸せを届けてくれました。
最終更新:2009年10月04日 22:15