1
開かれた窓から、秋になりかけの優しい風が舞い込んでくる。
その風の流れを心地良さそうに身に受けながら、シフォンちゃんはスヤスヤおやすみ中。
可愛らしい寝顔を横目で見ながら、わたしは微笑みを浮かべた。
「赤ちゃんって本当に可愛いわね」
「……あ、あの~……ぶ、ブッキー……?」
怯えた様子のラブちゃんが、押さえ込んだわたしの身体の下から話し掛けてきた。
「ん?」と首をかしげて、彼女の服の上から乳首を抓り上げている指の力を少し強める。
「い、痛いぃぃ!!」
「……今何て言ったの?ラブちゃん?」
わたしは優しく彼女に尋ね返す。
今のがよほど痛かったのか、ラブちゃんは少し涙目になってるみたい。
おかしなラブちゃん……まだ泣き喚くには早いのに。
「―――――い、痛いでちゅ……ま、ママ……」
「そう……理解の早い子は、ママ大好き」
よしよし、と軽く彼女の頭を撫でる。
それに安心したのか、ラブちゃんはぎこちない笑みを顔に浮かべ、許しを請うように手を合わせて。
「お、おイタちたから……ママ……怒ってる?」
おイタ……彼女が言っているのはさっきまでの行為の事かしら。
ここはラブちゃんの部屋―――今日は珍しく二人きりでここに集まっていた。
そんな中、彼女の悪戯じみた行為にわたしは―――……。
「……怒ってなんかいないわ、ラブちゃん」
「……ほ、ホント?……でちゅか?」
彼女に気取られないように、そっと傍らにある自分のバッグを引き寄せる。
そしてその中から、本来は美希ちゃん用である、ある物を―――。
「……本当よ、ママ嘘なんてつかない。ただラブちゃんはママに甘えたかったのよね?」
「そ、そうそう!甘えたかっただけなんでちゅ!!」
話に合わせようと、コクコクと首を縦に振る彼女。
わたしはそんな彼女の様子をにこやかに眺めて――――――。
ガシャン!
「へ……?な、何これ……?」
不思議そうな顔で、自分の両手首にかけられたものを見つめるラブちゃん。
一瞬の沈黙の後、それが何か理解したのか、さぁっと彼女の顔から血の気が引いた。
それからおずおずとわたしの顔を見上げて。
「じょ……冗談でちゅよね……ママ……」
「……ママね、少し反省してるの」
芝居がかった動きで、うう、と目頭を押さえる。
おままごとですもの。これくらい派手な演技の方がいいわよね?
「ママがしっかりしてないから、ラブちゃんが悪い子になっちゃったのよね?………ごめんなさい。もっと
キッチリとやるべきだったのよ」
「は、はぁ?き、キッチリって……何を?」
「勿論―――――」
もう片方の手も伸ばし、彼女の両乳首を服ごと捻り上げる。
途端に悲鳴を上げだす彼女に、わたしは本当のお母さんのように優しく笑って。
「――――――躾を、よ」
カチャカチャ、と彼女の手首にかけられた手錠が、震えた音を立てた。
2
「さあ、ラブちゃん、おっきしましょうね」
組み敷いていたラブちゃんから身を起こすと、彼女に起き上がるように促す。
余程さっき乳首を抓り上げられたのが効いたのか、それとも逆らえば何をされるかという恐怖からなのか、
素直に彼女は立ち上がった。
わたしは彼女にかけられた手錠を引くと、部屋の壁を見渡す。
「……これがいいわ」
丁度良い高さについているフックに気が付くと、ラブちゃんを壁に向かって立たせる。
それから彼女の手を万歳するように持ち上げ、手首にかけられた手錠の鎖をフックへとかけた。
少し足のつま先を立てて背伸びする格好になっちゃったけど、まあいいかしら。
「………あ、あの……ブ、ブッキ……マ、ママ?」
無言だったラブちゃんも、不安になったのか、口を開く。
わたしはその言葉には答えずに、彼女の履いているホットパンツのホックに後ろから手を伸ばす。
ラブちゃんは少しお尻を振って嫌がったけれど、不自由な体勢の為か、何の抵抗にもならない。
ジッパーを下ろし、するん、とホットパンツを引き下げると、その下からピンク色の下着に包まれたお尻が
現れた。
「ふふ……可愛いお尻……」
「や……は、恥かしいって!あ……で、でちゅ……」
彼女の羞恥の言葉はそのままに、わたしはしゃがんで、バッグの中からもう一つ、穴の開いたピンポン玉
に、皮のベルトのついた器具を取り出した。
ラブちゃんの頬を掴み、口を開けさせると、玉の部分を咥えさせ、後頭部でベルトを固定する。
「おしゃぶりが無いから、これで我慢してね?」
「ん!?んんんん――――!!」
「美希ちゃんの―――パパの味がするでしょう?間接キスなんて、ママ妬けちゃうな」
くぐもった声をあげ続けるラブちゃんの頬を、安心させるかのようにそっと撫でる。
「んん……ん……?」
「―――心配しないで。ちょっとお仕置きするだけだから」
それから、スヤスヤと眠るシフォンちゃんに目をやる。
これならラブちゃんもそれ程大きな声は出せないと思うから、ゆっくり眠っててね。
お尻の割れ目に食い込むように下着を引き上げて、わたしは微笑んだ。
おやすみなさい。シフォンちゃん。
パー――――ン!!!!
「んぐぅッ!!!」
唐突に振り下ろされたわたしの手が、ラブちゃんのお尻を打ち据えた。
真っ白なお尻のほっぺたに、赤々とわたしの手形が残る。
うふふ、面白い。
壁に落書きでもする子供のように、わたしは次々と彼女のお尻に手形を刻む。
パ――――ン!!
「ひぐッ!!」
パー―――ン!!
「うぎッ!!」
パー―――ン!!
「ぐうぅッ!!」
パ――――ン!!!
「あぐぅぅぅッ!!」
何度も何度も繰り返すうちに、ラブちゃんの可愛らしかったお尻は無残にも真っ赤に腫れ上がり、まるで
熟した果実のようになる。
「ふふっ、ラブちゃんはもぎたてフレッシュなピーチって感じになったわね」
そんな事を呟いて笑ってしまう。……さっきパインよりメロンって言われたの気にしてるのかしら。
「う……う……」
うなだれて、低く唸るだけのラブちゃん。
真っ赤なお尻をいたわるように、両手でそっと撫で擦る。
その軽い刺激ですら今の彼女には辛いのか、身体はピクッピクッと痙攣して。
「ごめんなさい、ラブちゃん。お尻ペンペン……辛かった?」
彼女の耳元に口を寄せて、謝罪の言葉を口にする。
「でもね、ラブちゃんが憎くてやってるんじゃないのよ?ね……分かって……」
わたしの今にも泣き出しそうなお芝居に、微かにラブちゃんが反応した。
「ん……ん……」
「わあ、分かってくれるのね、ラブちゃん!ママ嬉しい!―――――じゃあね……」
勝手な解釈を下し、今までに無く手を大きく、強く振り上げる。
パ――――――――――――――ン!!!!!!
「グウウウゥゥゥゥゥゥッッッッ!!!!!」
「これで終わりにしてあげるね」
ラブちゃんは糸の切れた操り人形のように、だらん、と力なく壁にぶら下がった。
3
「いたぁい……ママの手真っ赤になっちゃったわ……見て、ラブちゃん」
わたしの声にも、もはや彼女は無反応で。
その顔は涙と、口を無理に開けられている為に溢れている涎とでぐちゃぐちゃになっていた。
「まぁ、ラブちゃんたら女の子なのにだらしない顔して……しょうのない子ね」
少し高い位置にある彼女の顔を、背伸びをしてこちらへと傾けて。
そして舌を伸ばし、丹念に彼女の顔を舐め上げる。
涙も涎もキレイにふき取るように。
「猫なんかだとね、お母さんが子猫の毛づくろいとかしてあげるのよ……用を足す時なんて、お尻の穴まで
舐めてあげるの」
彼女から離れて、バッグの中を漁る。
その間も彼女に聞こえてはいないことも承知で、独り言のように話し続ける。
「そういうのが母親の愛情かなって思うのよね。子供の身体に汚い所なんか無いって。だからわたしも――」
バッグの中から鋏と、ある物を取り出し、彼女の傍らへと戻る。
そして彼女の上半身を覆うシャツとブラジャーを、躊躇無く切り始める。
ジョキッ……ジョキッ……。
「今のままだと服を脱がせられないもの。ごめんなさい、ラブちゃん……」
足元に衣服の残骸が散らばり、彼女の身体が露わになった。
後ろ向きだけど、小ぶりで形の良いのが分かる乳房。
その頂には、これもまた小さな乳首が、小さな乳輪の上に、ちょこん、と乗っていて。
「……ラブちゃんの言う通り、わたしの……ちょっと大きいのかも……」
自分の胸を軽く押さえて、溜息をつく。
えっちなおっぱい……なのかしら。
軽く首を振る。いけない、本題に戻らなきゃ。
「……ラブちゃんいっぱい汗かいちゃったでしょ?だから、ママがキレイにしてあげるね」
汗に濡れ光る彼女の背中を、つぅっと舐め上げる。
そしてペロペロ……と背中全体に舌を這わせて。
「ん……ん……」
くすぐったいのか、意識も朦朧としてるであろう彼女の口から、少しだけ声が聞こえた。
ちゅっちゅっ、とキスも交えつつ、ラブちゃんの背中の汗を舐め取っていく。
「ん……」
「ふふふ、ちょっとしょっぱい……」
吊り上げられた彼女の腕の下へと顔を移動させる。
ここもすごい汗……。
躊躇う事も無く、わたしはラブちゃんの脇の下に顔を近付け。
べろん。
「ん……んふぅ!!」
くすぐったさに意識が戻ったのか、ラブちゃんが唸り始めた。
ぺろぺろ……ちゅっちゅ……。
「んふぅ!!んふぅ!!!」
舐め回すたびにくすぐったそうに身を捩る彼女。
「ほら、ラブちゃん……大人しくしてないとキレイキレイできないでしょう?」
困った子、と呟いて、鋏と共にバッグから取り出しておいた物を彼女の両乳首に噛ませる。
バチンッ!バチンッ!!
「あぐぅッ!!」
普通の物よりもバネの力を強くしてある洗濯バサミ……これも美希ちゃんの愛用品の一つ。
それを、ちょんちょん、と上下に軽く振ってあげるだけで、ラブちゃんは首を仰け反らせて悶絶した。
「あぐぅ……!!ぐうぅ……!!!」
「痛い?ママだって、さっきラブちゃんにおっぱいカプッとされて痛かったの。だからお返し」
言いながら、今度はビィーン!と強めに弾く。
「んぐぐぅぅぅっ!!!」
「人の痛みも知らないと、いい子になれないわよ?」
乳首の痛みに震えるラブちゃんの脇へと再び顔を伏せ、今度は舌先で全体を愛撫。
ちろちろ……ちろちろ……。
「んふぅ!……ぐ!……んんぅ……!!」
くすぐったさと痛みに耐えかねたのか、再び彼女の顔は涙と涎で濡れ出して。
もう、困った赤ちゃんなんだから……。涎掛けまでは用意してないし……。
たっぷりと時間をかけ、彼女の脇の下の汗を舐め取ると、今度はしゃがんで、真っ赤になったお尻へと舌
を移動させようとして。
「――――――あら?」
わたしの目を引いたのは彼女の下着の股布の部分―――。
そこは明らかに汗とも、淫らな分泌物とも違う物で少し濡れていた。
「ん!!ん―――!!ん―――!!」
わたしの視線に気が付いたのか、更に顔を真っ赤にして焦った様子のラブちゃん。
その様子が可笑しくて、わたしはクスッと笑ってしまう。
「―――大丈夫よ、赤ちゃんだもんね。オムツ用意してなかったママが悪いの……」
お尻をぶたれたのと今のくすぐったさのせいで汚してしまったのだろう。
私は下着をするすると下ろし、片足ずつ上げさせてホットパンツごと脱がせた。
「ん―――……ん――――…」
ラブちゃんは顔を伏せて、目を固く閉じている。
その姿に心が高揚するのを感じながら、触れただけで痛がっていた彼女のお尻の肉に指を食い込ませる
と、強引に割り開いた。
「すごく綺麗―――」
外気に晒された彼女の秘裂は、少女らしさを残しつつ、微かに綻んでいた。
その上には蕾のような窄まりが、恥かしがるかのようにヒクついている。
「んんん……んんん……」
ふと床に水滴が落ちるのに気付いて見上げると、ポロポロと涙を零すラブちゃんの顔が。
これは……悔し涙だ。痛みやくすぐったさで流す涙じゃなくて。
純粋な、屈辱の涙。
床を濡らすそれを、指でそっと掬い、口へと運ぶ。
「――――――美味しい」
じっくりと、味わうように指を舐める。
それからおもむろに、彼女の秘唇へと顔を近付けて……。
「んー!!んー!!」
わたしが何をしようとしたか気が付いたのか、ラブちゃんは拒否するようにブンブンと首を振った。
わたしは彼女を安心させるような穏やかな声で。
「―――言ったでしょ?子供の身体に汚いところなんて無いって―――」
言って、一息に彼女の柔らかなお尻の谷間に顔を埋める。
ちゅっ……。
秘裂へと軽くキスをして、舌で彼女の女性器全体を舐め回す。
れろぉ……れろぉ……。
ちょっと独特の味が口の中に広まる。
女性特有のものでは無い、刺激臭を伴なうそれは――――――。
「んー!!んー!!んん!……ん……」
最初は嫌がっていたラブちゃんの声が、徐々に快楽の色を帯び始めた。
精神的な屈辱を、肉体的な快感が上回ろうとしているのだ。
秘裂の上に息づく肉の真珠も、包皮からちょこん、と顔を出している。
一旦顔を離し、それを確認すると、飴玉をねぶるように舌先でその部分を転がす。
「んぅ……んぅ……んんん……」
その声の調子から、彼女が蕩けた顔をしている事は判断できた。
秘裂もすっかり蜜と唾液で濡れ光り、花開いて来ている。
その中心部……膣孔へ、わたしは尖らせ、固くした舌先をねじ込んだ。
ずずっ……!!
「ん……んん……」
ずちゅ……ずちゅ……ずちゅっ……。
中のざらざらを舌で楽しみつつ、お尻に埋めた顔を前後させる。
その動きが、彼女を舌で犯しているという意識を高め、わたしをも興奮させた。
肉芽も、人差し指で愛撫をし続ける。
ラブちゃんから分泌される蜜の量も増し始め、わたしの顎を伝い胸へと垂れる。
そんな事をいつまで繰り返しただろう――――――。
「ん……ん……ん――――――――」
昂ぶり始める彼女の声が、絶頂を迎えるのが近い事を知らせる。
でも……。
にゅるん……。
「ん……ん―――――!?」
唐突に行為を中断され、戸惑いの声を上げるラブちゃん。
わたしはすっかり唾液と彼女の愛液でベトベトになってしまった口許を拭うと、立ち上がった。
軽く指先で彼女の顎を持ち上げる。
「……これですっかりキレイになったわ。良かったね、ラブちゃん」
「ん、ん、んんん!」
「ん?どうしたの?」
聞くまでも無く、彼女の言いたい事など分かっていた。
でも、わたしはあえて何も伝わらないように顔を逸らして首を振る。
「ごめんなさい……ママ、ラブちゃんが何を言いたいのか分からないわ……」
「んんん!!んんんんん!!」
「ダメなママ……赤ちゃんの考えてる事が分からないなんて……」
「んん!!んん!!」
ちらり、とラブちゃんの顔を見る。
眉根を寄せて、頬を赤らめ、快楽で潤んだ瞳を向ける哀願の表情……。
――――――みっともない顔……可愛いわよ、ラブちゃん。
くすくすと笑うと、ラブちゃんへと向き直る。
「―――なんてね。ママはなんでもお見通しなんだから……気持ち良くなりたいのよね?」
「ん!!んん!!」
必死に首を縦に振るラブちゃん。
「うふふ……えっちな赤ちゃん……誰に似たのかしら……わたし?それとも美希ちゃん?」
うふ、こんな風に快感に屈服しちゃう所は美希ちゃんにそっくり、かな。
彼女のお尻へと手を伸ばし、秘裂に中指と薬指をあてがう。
ちょっと触れただけで、自分から腰を突き出してくる彼女を「め!」と軽くたしなめて。
ずぶうぅぅぅ!!!
「ン――――!!!ン―――――!!ン――――――!!」
肉のぬかるみの中に一気に指を突き立て、乱暴に掻き混ぜる。
その動きに合わせて、彼女の体内から溢れた飛沫がわたしの手首まで飛んで来て。
「あはぁ……こんなにママの手を汚して……はしたない子……はしたない子ね……!」
「ンンッ!!ンンッ!!ンンンッ!!」
彼女の歓喜の声を途切れさせないように、指を絶え間なく抜き差しする。
内側を擦る指はときどき爪を立てるように肉壁をひっかき―――。
陰核にももう片方の手を伸ばし、押しつぶすように、刺激を送り続け―――。
「ン!ン!ン―――!!」
ラブちゃんが一際大きく唸り声を上げた。
それに合わせて彼女の中がきつく収縮して―――……。
「堕ちちゃっていいのよ!ラブちゃん――――――」
最奥にまで届かせるように、深く指を潜らせる。
その瞬間―――――。
「ンフンンンンンンン――――――――――――!!!!!」
嵌口具越しに絶叫すると、ラブちゃんは再び力なく壁にぶら下がった。
彼女から指を引き抜き、軽く振って飛沫を切る。
それから、体重の掛かって外しにくくなった手錠を、なんとかフックから取り外す。
その途端、ラブちゃんは背中からわたしへと倒れこんできた。
「……ホントにえっちな子ね、ラブちゃんは」
座り込み、ラブちゃんの頭を膝枕して、優しく髪を撫でる。
ラブちゃんはまだ快楽の波が引かないのか、肩で息をしつつ、時折身体を大きく震わせて。
「んふぅ……んふぅ……ふぅ……」
「ふふ……可愛い……」
頭の後ろの留め金を外し、嵌口具を外す。
口に溜まった涎が器官に入ったのか、ラブちゃんは軽く咳き込んだ。
「えほっ……えほっ……あ、あ……あ……」
目はまだとろんとしたままだったけど、咳をしたせいで少し意識が戻ったみたい。
そんな彼女に、わたしは柔らかな笑みを見せて。
「……ラブちゃん?まずママに言う事があるんじゃない?」
「あ……あ……あぁ……言う……こ……と………?」
要領を得ない彼女の乳首に付いた洗濯バサミを、もう一度思い切り弾く。
「んあぁぁッ!!ゴ……ゴメン……なちゃ……い……」
「ん……ママ怒ってませんよ?よしよし……」
ラブちゃんの頭を軽く撫で、彼女の顔の前へ、彼女自身のもので汚れてしまった指を差し出す。
「さ、じゃあママの指キレイキレイしてね?ラブちゃんが汚したんだから……」
「あ……は………い……」
朦朧としているせいか、それとも更なる責めを恐れてなのか、素直にわたしの指を彼女は口に含んだ。
「……ちゃんとママがやったみたいに隅々までキレイにしてね?」
「は…い……ちゅっ……ちゅぱ……れろ………」
ラブちゃんが指を舐め終わるのを待ち、頬を挟んで持ち上げる。
「うん、キレイになった。じゃあご褒美―――――」
そう言って、彼女と唇を重ねる。
開ききった口に舌を潜らせ、口内まで犯し尽くすような、淫靡なキス。
ちゅるっ、ちゅば……ちゅう……。
舌を存分に絡ませ、お互いの唾液を交換して。
「ぷうっ……」
たっぷりと堪能した後、キラキラと糸を引きつつ唇を離した。
そしてまだ光の戻らないラブちゃんの瞳を見つめる。
「……今度から、オイタしちゃだめですよ?」
「は……い………」
「……いい子ね……」
ぎゅうっ、と彼女の頭を胸に抱き締める。
「………ラブちゃんならいい子になってくれるって、わたし、信じてた」
4
トントントン、と階段を上がってくる音。
それから間を置かずドアがノックされ、返事を待たずに開かれた。
「ただいま、ラブ……あら?ブッキー、来てたの?いらっしゃい!」
部屋へとやって来たせつなちゃんに、わたしもにっこり挨拶を返す。
「お邪魔してます。留守中にごめんね?」
「謝る事なんかないのに。ここはラブの部屋なんだから……そういえばラブは――――」
ちょちょい、というわたしの指の動きの先には、ベッドで布団をかぶっているラブちゃん。
意識のない彼女にパジャマまで着せて寝かせるのはちょっと大変だったけど。
―――楽しませてもらったからこれくらいはね。
それを見たせつなちゃんは肩を少しいからせて、腰に手をやる。
「―――――お客さんが来てるのに何?ほら、ラブ―――――」
「あ、いいのよ、せつなちゃん。―――ラブちゃん、ちょっと疲れてるみたいだし……」
「―――?そう。どうしたのかしら」
後ろ手にバタン!とドアを閉めて、腰を下ろすせつなちゃん。
そのドアを閉める音で目を覚ましたのか、目を擦りながら、ベビーベッドからフヨフヨとシフォンちゃん
が宙に浮いた。
「せちゅな~!!」
「ただいま、シフォン!」
シフォンちゃんを抱きとめ、せつなちゃんは高い高い、と持ち上げる。
わたしはそんな光景を、頬杖をついて、微笑ましい気持ちで眺めていた。
「―――ん?何?ブッキー?」
「ううん……ただ、いい絵だなって思って……せつなちゃんって子供好きそうだもんね」
「ええ!―――ブッキーは子供嫌いなの?」
「まさか!大好きよ」
言って、チラッとベッドに視線を走らせる。
「………特に、赤ちゃんとか。だ~い好き」
意識が無いはずのラブちゃんの身体が一瞬怯えたように震えたのを、わたしは見逃さなかった。
了
最終更新:2010年01月04日 21:50