今日は一月一日。新しい年の始まりだ。
「美希たん、ブッキー、せつな、はやくはやく~」
初詣を済ませてラブの家に集まった。晴れの日の晴れ着姿、天気も快晴よ。
みんなの振袖姿があまりに綺麗なので、せっかくだから記念写真撮りましょうってことになったの。
「みんなステキよ。こんな時は娘ばかりでよかったって思うわ、だってこんなに華やかなんですもの」
「いやあ、はははっ、困ったなあ」
おとうさんもおかあさんも嬉しそう。でもおとうさんは何を困ってるのかしら?
ラブはおかあさん。私はおとうさんの腕を取ってにっこりポーズ。
ラブは桃色の濃淡を基調とした着物にグリーン系の帯。小物は赤。
私は蘇芳色に黒をポイントにした着物。帯はゴールド系。小物は白地に金の箔押し。
美希は藍色から浅葱色のグラデーションに金のポイントが入った着物。帯は黒系。小物は朱。
ブッキーは山吹色にピンクの模様の着物。帯は色を押さえた海老茶系。小物はグリーン。
「せっちゃんのはね、私が若い頃お父さんに頼んで作ってもらったものなの。
ラブに着せたかったけど、大人っぽ過ぎてあんまり似合わなかったから。
とてもお気に入りだったのよ、お蔵入りせずに済んで嬉しいわ」
おかあさんが着ていたもの。今は私が受け継いだ。嬉しくて心が弾む。
私もおかあさんのような素敵な女性になれるかしら。
ラブは迷わずピンクの着物を選んでた。
お母さんやお店の人と相談して小物選び。
「どう?せつな、見て見て~~、似合う?」
似合うに決まってるじゃない。ラブはいつだって可愛いわ。
そうね、小物は赤い色がいいと思うわ。ピンクの隣は赤が一番、当然ね。
美希のはママと選んだ現代作家のちょっとモダンな色柄で、着る人を選ぶ個性的な物ですって。
「どお?せつな。アタシ完璧!」
うん、似合ってるわ。でも感想聞く前に自分で言っちゃうのはどうなのかしら。
それと美希には赤い色も似合うと思うの。今度一緒に選んであげるわね。
あれ、どうして蒼い顔してるの美希?
「えへへ、わたしはどうかしら」
ブッキーのは典型的な可愛らしい古典柄で、祖父母が奮発して仕立てくれた名匠の作品らしいわ。
普段の可愛らしさはそのままに、高貴で優美で見とれちゃうわね。
ちょっと着物に着られてるところがまた可愛い、なんて全然思ってないわよ。
四人でたくさん写真撮って、桃園家は写真館で記念撮影。
もちろん美希やブッキーとも一緒に撮ってもらったわ。
あんまりいい写りだから、写真屋さんのウインドウに見本で飾らせて欲しいんですって。
『はい!よろしくお願いします』
ちょっと恥ずかしいけど、忘れられない思い出になったわ。
おとうさん、おかあさん、ラブ、美希、ブッキー、今年もよろしくね。
最終更新:2010年01月04日 16:39