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避-524

せつなも隅に置けないわよね。あのラブを落としたんだから。
恋に無頓着だと思ってた二人が、アタシより先に恋愛進行形になるなんて。




ほんとはアタシたち――――なんだけど





「美希ちゃんは何をお願いしたの?」
「えっと......好きな人と一生幸せに…ってコラっ!」
「や~ん」


ラブみたいに瞬間、心重ねるようなカッコイイ台詞も言えず。
せつなみたいにときめくようなカワイイ台詞も言えず仕舞い。

そんなアタシに、神様は微笑んでくれるのかしら?
ブッキーはいつも笑ってばかりで、アタシの気持ちなんてどこ吹く風みたいだし。


「ブッキーは何をお願いした訳っ!?」
思わず口調が荒くなってしまう。それもそのはずなのよね。
何か完璧だと思っていた人生に遅れが出始めたと言うか…。


焦ってるんだろうな――――アタシ





「言っちゃうとお願い……叶わないのかな?」
ブッキーの表情が急に暗くなる。少しばかり反省をしつつ、アタシは問いかける。
「ブッキーらしくないわね。神様信じてるんでしょ?」
「………」

俯いたまま頷く彼女を見て、アタシは言葉を続ける。

「ブッキーじゃないけど、アタシ、今年は神様信じてみようかなって。」
「えっ?」

「ラブとせつなを見てたら羨ましいと思った。けどね、同時に.....」
その後の言葉は言わずに飲み込んだ。カッコ悪いと思ったから。


人混みをかき分け、アタシとブッキーは帰路につく。
神社の鳥居を潜ると、いつもと変わらぬ風景が目の前に広がって。


「わたしたちも負けてないと思うよ?」
再び無邪気に笑う彼女。自然とアタシも笑顔になれる。


「そう言っといて、肝心な時にいーっつも逃げるじゃない。」
チョット嫌味な顔して答える。告白しようかなって思うと気を察して誤魔化すのよね。


「だってはずかしいんだもーん。」
後ろ手にしてモジモジする姿がまたカワイイんだけど。

ブッキーってズルい女。
どこまでアタシをトリコにする気なんだか。


「やれやれ…。ま、いいわよ。もう先行くからね。」
振り返らずに前へ進む。遥か前方………、いや、スグに追い越してみせるんだから。
待ってなさいよね、ラブ。せつな。


「待ってよ~美希ちゃ~ん!」

間も無く、背中越しに感じる彼女の体温。
アタシの気持ちに鈍感だけど、アタシのハートには直ぐ火を点けるのよね。




「で、何をお願いした訳?」




「わたし、美希ちゃんとしあわせになりたいですって。」




~END~
最終更新:2010年01月06日 00:09