せつなに会える!
連絡があった。明日せつなに会えるんだ。
お洋服は何を着て行こうかな。
美希たん家の美容院にも行っておこうかな。
貯金箱を確認する。うん、今度はばっちり。
どこに行こうかな。
まず一緒にドーナツ食べよう。
あたしがおごっちゃう、オレンジジュースもつけちゃう。
あ、でも、もしかしたら占い師さんだし、あたしよりお金持ってるかも。
そしたら、たくさん食べちゃおう。
せつなと一緒に食べるドーナツはまた格別なんだ。
後は、映画館なんてどうかな。
あ~ダメダメ、やっぱりやめた。
せっかくせつなと会えるのにスクリーンなんて見てたら勿体無いよね。
お洋服見に行くのもいいな、せつなの服可愛かったもん。
肌が白くて綺麗だし、スタイルもいいから何でも似合うよね。
音楽なんてどんなの聴くのかな。トリニティ好きなのかな。
そうだ、体も動かしたいな。ボーリングなんてどうだろう。
スポーツとかできる方なのかな。お嬢様っぽいし苦手だったりするのかも。
そしたら手取り足取り教えてあげよう。色んな意味で親密に、な~んてね。
あ、せつなの希望も聞かなくちゃね。一緒ならどこでも楽しいな。
「ただいま~おかあさん」
お買い物とかない?お掃除するよ、お風呂も洗っちゃう。それから、それから、
「はいはい、お駄賃欲しいのね、よっぽど明日が楽しみなのね」
だってせつなに会えるんだよ。当たり前じゃない。
夕ご飯もそっちのけでおとうさんとおかあさんに説明した。
「それでね、せつなって凄く可愛いんだよ。それにとっても落ち着いていて…」
名前は東せつな。あたしの大事な大事なお友達。
古い洋館の占い師さんでね。その衣装がまた綺麗なんだ。
とっても美人で、おしとやかで、上品で礼儀正しいの。
優しくて、声が素敵で、仕草が可愛くて、笑顔が魅力的なの。
一回会っただけなのに話題がつきない。もっとせつなのこと知ってほしい。
「ピーチはん、ちょっとは落ち着いたらどないですのん」
落ち着いてなんかいられないよ、今すぐ会いに行きたいくらい。
幸せの素、気にいってくれたかな。身に着けてきてくれるかな。
せつなの幸せ、早く見つかるといいな。
ね、せつな、今頃何してるの?
もしかして、あたしのこと考えてくれてたりするのかな。
あたしせつなと出会えてすっごくすっごく嬉しいんだ。
大好きな友達なら他にもたくさん居るよ。
美希たんとか、ブッキーとか、それに由美。
でもドキドキして、わくわくして、こんな気持ちになるのは初めてなの。
「あ~ダメ。昂奮して眠れないよ」
羊が一匹、羊が二匹、羊が三……スヤスヤ
「めっちゃ寝つき早いですやん……」
よし、学校も終わった。
せつなのことが気になって何の授業受けたかも覚えてないけど。
「ラブ」「ラブちゃん」
「は~い、美希たん、ブッキー、こんにちワン、ワンワン」
「どうしたのラブちゃん、何かいいことあった?」
これからあるんだよ、だってせつなとデートなんだもん。
えっ、美希たん、ブッキーも来たいって?
う~ん、せつなってこちらからは連絡取れないんだよね。
まあ、いっか。みんな一緒の方がもっと楽しいよね。
もうすぐ、もうすぐせつなと会えるんだ。
一緒に幸せ、ゲットしようね。
最終更新:2010年01月10日 03:50