8-702

(あたしも女の子なんだな.....)



最近、ふいに目を覚ましてしまう事がある。
決して眠りが浅い訳ではないのだけれど。


恋の悩みに直面してる。
それは嬉しくもあって、寂しくもあって。


「おはよう、ラブ。」
せつなに会える朝は待ち遠しくて。

「おやすみなさい、ラブ。」
せつなと別れる夜は胸が苦しくなる。


目を閉じれば、自然と浮かぶせつなの笑顔。
あたしにそっと微笑みかける。

「そんなに悩まなくてもいいのに。」
「だって…。あたしってさ…」
「ラブはラブのままでしょ。そのままが一番よ。」

「でも…」
「でも?」



せつなはあたしの事――――好きかな





肝心な時に目が覚めちゃう。
(はぁ~あ…)

暗い部屋の天井をぼーっと見上げて。
せつなと毎晩一緒に寝れたら…どんなにしあわせなんだろう。

別に一緒に住んでるんだから臆することなんてないんだけど。


だけど―――ね





枕を抱いて寝る癖がまた出始めちゃって。
ほんと恥ずかしい。
せつなに何回見られちゃったか.....

「ほんと子供っぽいよね、あたしって。」
「そうね。」
「早く立派な大人にならないとなー」


「いいんじゃない?子供っぽくても。」

ちょっと澄ました顔で呟くせつな。
どうせあたしはいつまで経っても子供ですよーだ。


「そんなラブも―――好きよ。」


平然と言ってくれるんだよね、すっごい台詞を。
あ、もちろん、これは夢じゃなくって。

「わはー!朝から嬉しすぎるよー!」



こうしてまた一日が始まる。
もしかすると人生で一番、今がときめいてるのかも。

まだ14年しか生きてないけどね。





(枕より私を抱きしめて欲しいのに.....)



~END~
最終更新:2010年01月10日 13:43