避-648

 上級生に呼び出しを受けたブッキー。

「山吹さん……こっちへいらっしゃい」
「あ、あの……せ、先輩……わたしに……何か……」
「ふふ……可愛い娘……震えてるの?」

 す、っとブッキーの頬を撫でる先輩。
 その手はやがてブッキーの制服のボタンを……。

「せ、先輩!!」
「怖がらなくていいのよ……さあ……」
「あ……」

「響け!希望のリズム!プリキュア・エスポワールシャワー・フレーッシュ!!!」

「きゃあああああああ!!」
「せ、先輩!?」

「ふう……危なかったわね、ブッキー」
「み、美希ちゃん!先輩に何てことするの!!」
「い、いや……な、ナケワメーケかと思って……」
「そんなワケないじゃない!!先輩!先輩!!」

「わ、私はただ……や、山吹さんが制服……のボタンか、掛け違えてたから……直してあげようと……」

 ガクッ。

「い、イヤ―――!!先輩!先輩!!」
「あー、じゃ、じゃああたし学校に戻らなきゃ……」

 そー……。

「みーきーちゃーん―――!!」

 ゆらり……。

「ご、ゴメンなさいブッキー!許して!!」


「ブッキーのボタンを外していいのはアタシだけ。アタシだけなの…。
だから、アタシ…アタシ、つい…ごめん!ブッキー、ごめん…なさい…」

 ぽろぽろと美希の瞳から流れ落ちる涙。

 祈里はそれ以上何も言えなくなって、泣き続ける美希を、ただ黙ってそっと背中から抱きしめた。

「私こそ、美希ちゃんの気持ちも考えないで…ごめんなさい…」

「…ううんいいの。悪いのはみんなアタシなんだから」

 美希は振り返り、祈里と見つめ合う。

 潤んだ美希の瞳があんまり蒼く深く輝いていて、その光に吸い込まれるように、祈里は美希に顔を寄せ、口づけた。


 そしてそのまま、美希の手をボタンへと誘うブッキー。

「ね、美希ちゃん……ボタン、外して……」
「え?ぶ、ブッキー……?」
「今の時間なら……この礼拝堂……誰も来ないから……」
「いいの……?」

 コクリ、と恥かしそうに頷くブッキー。
 美希はそんな彼女を愛しげに抱き寄せ、制服の下に手を潜り込ませていく。

「ん……」
「ブッキー……もうこんなに……」
「え、えへへ……か、神様の前なのにね……い、いけないコ……かな……」
「いいえ……むしろ見てもらいましょう。神様に。あたし達の契りを……」

 いちゃいちゃ。


「あ、あの~……せ、先輩のあたしはほったらかしなの……?」
最終更新:2010年01月16日 03:18