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酒2-287

そりゃ、妬いてくれるのは嬉しいわ。
ラブが私を好きって証拠だものね。
でも、美希やブッキーにまで嫉妬しないでよ。

私の気持ち、わかってるくせに……。



「由美っ、あたしから愛を込めて」
ちょっと、ラブ。

「カオルちゃ~ん、はい。
 愛情たっぷりのチョコレート、いつもありがとう!」
だから、ラブ!

「ミユキさ~ん、今日も素敵です。いつもありがとうございます。
 これ、どうぞ」
聞いて、ラブ!

「ソバ屋さ~ん。パン屋さ~ん。お豆腐屋さ~ん。八百屋さ~ん」
…………。


にこにこ、いちゃいちゃ、でれでれ、街中にたっぷり愛情の大サービス。
私の時はさんざん妬いといて、自分は何よ。


「あの……せつな?」
ふん、だ。

「もしもし、せつなさん?」
知らない。

「せつな~?」
聞こえない。

「せつなっ!」
「きゃ! ちょっと、やだ。くすぐったいったら!
 どこさわって……。あーーもう、やめて、わかったから」
私の事、何でもわかってるって顔、憎たらしい。

うそ――――ラブはとっても愛らしい。



本当はわかってる。
私の全てはラブのもの。そう望んだもの。
でも、お日様の光を独り占めできないように。
私がラブの全てを独り占めすることはできないのかもしれない。

ラブの愛はどこまでも大きくて、きっと世界中を照らす。

それでも、時々でもいい。私だけを見て。
私だけを見つめて。そして愛をささやいて。

私はあなたと一緒にいる、ただそれだけで幸せなの。

(コリッ)

ひとかけら、ラブからもらったチョコレートを口にいれる。

甘い香りととろける舌ざわり。

少しだけ、愛が深まる理由がわかった気がした。




おわり
最終更新:2010年02月14日 10:29