【パインちゃんとイースちゃん】
「ほぉ…。これが〝チョコレート〟と言う物なのか」
「そうですよぉ。だーいすきな人に贈るんですっ」
「何故だ?」
「なぜ…って?」
「訳を話して…欲しい」
「わけ?.....う~ん…」
一直線にパインを見詰め、問い質すイースと。
イースなんて上の空、マイペースに答えるパイン。
殺風景な部屋。シーンと静まり返ったキッチン。
二人の少女は、独特の空気感の中で話を進める。
「あのね、イースさん」
「何だ?」
「プレゼントもらったらうれしいでしょ?」
「貰った事が―――ない」
一直線に見詰めていた視線がふいに、下へ注がれて。
表情もどこか、寂しげになっていた。
「イースさん」
そっと両手を肩に置き、パインは顔を覗き込む。
「笑いたければ……笑うがいい」
「なんでですかぁ?」
「おかしいだろ?こんな私が―――どう考えても…」
くすっと笑うパイン。口元をそっと手で隠して。
「やはりお前も侮辱するのか!!!」
「きゃっ」
振りかざした手の平は―――頭上で止まったまま
「寂しいんだ―――私は」
「イースさんは…いい子です」
そっと彼女を包み込む、祈りの妖精。
それに応えるように、漆黒の堕天使も彼女に甘えてみる。
「くれないか?私に…」「もっちろん!」
言葉を途中で遮り、パインは満面の笑みでイースに応える。
「じゃ、一緒につくろ?ねっ」
「う…うん」
「やったぁ!」
パインは持ち寄ったカバンからエプロンを取り出し、イースへ差し出す。
「はい、これっ」
「な…」
いまいち勝手が掴めないでいるが、こんな時間も悪くは無いと自分に言い聞かす。
「じゃ、はじめますよ?」
「お、お願い…しま…す」
どこかぎこちない感じもするが、不思議と成立してる二人の少女がそこにいて。
「あ、あの…」
「なぁに?」
「精一杯作るから…」
「うん」
「受け取って―――欲し」「あっ!!!!!」「ひっ!?」
イースの初々しい言葉は、儚くもかき消され.....
「それってわたしの事………いゃんいや~ん」
右へ左へ悶えまくる自然体乙女。
「そう言うパインだって私の事をだな…」
まさにパッションフルーツ。赤面を通り越した純粋無垢乙女。
「おいしいのつくろうねっ」
「―――えぇ」
「イースちゃん」
「パイン…ちゃん.....」
チョコレートより甘い―――愛を
~END~
最終更新:2010年02月14日 10:33