水面に輝くのはあなたの笑顔
ちっちゃい頃からずっと輝いてたあなたの笑顔
(一人占め…したかったな)
GW。
最後の日に、わたしはラブちゃんを誘って海に来ていた。
特別な理由なんてないけれど。
ううん。
やっぱりある。
あるけど.....
「わはー!ブッキーもこっちおいでよー!」
無邪気に遊ぶ姿が眩しくて。
天真爛漫なあなたの姿に、わたしも笑みがこぼれる。
「久しぶりだね、二人で海に来るの」
「うん!」
お互い裸足になって、波打ち際を歩く。
ゆっくりと。
時折、静かな波がわたしたちの足まで近づいてくる。
「おっとっと」
「わっ」
自然に寄り添うわたしたち。
幼馴染みで親友で。
ずっと一緒
ずっと.....一緒だよね?
「手―――つないでもいい?」
「もっちろん!」
ほら、また満面の笑みでわたしを見てくれる。
そこに、何の疑いもなく。
(どうしてわたしは…)
思わずうつむいてしまう。
ラブちゃんは本当にやさしい子。
―――大好き
頭によぎるのは、しあわせな関係。
胸の想いは、閉ざしたままだけど。
でもね―――
「そうだ!あそこまで競争しようよ!」
「えっ?」
ラブちゃんが指差す方向には何もない。砂浜が続くだけ。
「よ~い、ドンっ!」
「やっ、待って!」
間髪入れずにラブちゃんは走り出す。
遅れてしまうわたし。
これでいいんだ。
いつまでも、追い付くぐらいの関係で。
時々は.....そばにいたいけど。
「待ってよラブちゃーん」
走り出すわたしは笑顔。
元気いっぱいのあなたを追いかけて。
友達。
この関係は今後も変わらないと思うけど。
仲良く―――しようね
爽やかな潮風が、二人の少女を包み込む。
水面に輝く光を、目一杯浴びながら。
~END~
最終更新:2010年05月05日 22:44