あたしたちだけの秘密。
アタシたちだけの秘密。
過ち?
遊び?
愛があったのか。
そこに存在したのは幸福と――――快楽。
桃園ラブ。
蒼乃美希。
幼馴染み。
そう。
これは―――運命。
たった一度だけでも.....
「で、悩みって何?」
「実はね.....」
女の子同士でも愛し合っていいのか。
あたしはせつなが好き。
大好き。
せつなも薄々、それに気がついてるはず。
それでも嫌な顔一つせず、あたしと一緒にいてくれる。
なら―――
それなら―――
受け止めてあげようと思った。
それがアタシに出来る事。
アタシしか出来ない事だと思うから。
「幸せにしてあげたいんでしょ?」
「―――うん」
「わかる?」
「教えて……欲しいんだ…」
シャワーを浴びる時間はあった。
けれど。
「ラブ…」
「えっ」
制服を自ら脱いで行く美希。
呆然とそれを見詰めるラブ。
夕暮れの光を浴びた美希のシルエット。
ゆっくりとベッドに横たわる、透き通るような繊細なカラダ。
「好きなようにしてみて。アタシがせつなだと思ってね。」
「――――美希」
親友の優しさが―――辛かった。心も痛かった。
どうしてこんな事をさせてしまってるんだろうと言う罪悪感。
最初からわかっていた。
自分にはプラスになっても、彼女には―――美希にはマイナスだと。
「ラブ!」
「はっ」
引きずり込まれた。
半ば強引な口付けと共に。
まるで…行為の開始を告げるかのように。
我を忘れてとにかく舐る。
言葉なんてそこには無かった。
―――わからないんだ―――
「ダメ...強引すぎ…」
「!?」
目を見開くと、そこにいたのは美希だった。
せつなじゃない。
せつなじゃないんだ.....
涙をうっすら貯めて、あたしを見詰めてる。
思わず、あたしは目線を逸らしてしまった。
やっぱり止めよう。
覆い被さってた自分の体を退けようとすると。
「ゆっくり。ゆっくり…愛してみて」
美希はあたしの右手を掴むと、ゆっくり自らの下腹部へと招き入れた。
「あっ―――」
初めて触った女の子の大切な所。
自分と同じはずなのに。何かが…違うような気がした。
決してロマンチックじゃないわよね。
いくら親友のためとは言っても、愛の無い行為はしたくなかった。
だから―――
ウソを付いた。
せつなだと思ってなんてウソ。
アタシはアタシ、蒼乃美希。
ラブに―――愛されたかったの。
不器用なキスも。
キズが付いてしまう程強く胸を揉まれても。
メチャクチャにされてもね。
嬉しかったのよ。
ブッキーだっていたんだし。
せつなにアタックしたって良かったんだしね。
ショーツ越しに濡れてる感触が自分でもわかった。
こんなにも早くとさえ。
それは美希が望んでいた事。
幼馴染みとしてで無く。親友でも無く。
一人の人間として。
彼女を―――ラブを招き入れた。
自分がせつなにされた事を、今、あたしは.....
女の子が一番感じる所。
それぞれの先端を口に頬張り、含み、舌で転がし、舐める。
右手が胸を、指先が乳首を。左手は秘裂を、指先は熱い液体を描き出す。
「はぁっ、あっ、っ――――」
「好き?ねぇ、あたしの事好き!?」
「んっ――――っき、スキ!」
「聞こえないよ!こんなに感じてるのに!!!」
「ああ―――………イヤ、もっと!もっと.....」
「それなら―――――」
「んっむぅ―――!!!!!」
愛液。
次第に増してくいやらしい音。
感じてる。
感じさせてる。
吸い付く指を取り出す事さえ間々ならぬ状態に、ラブの感情は高鳴っていく。
これが人を愛す事なんだと。
美希もまた、自分が自分で無くなって行く事に気付く。
このまま愛されたい。ずっと、ずっと。
感じてしまったのだ。
―――幸せを―――
「い、っく…、イク、イっちゃう!!!」
「あたしを愛して!目一杯愛してよ!」
「あっあああ………ダ、ダメ!」
「美希!!!」
「ラブぅぅぅーーーーーーーーー!!!」
まるで宙を舞ってしまったかのような感じとでも言うのか。
少女とはまるで無縁のような状態。
絶頂を与えた者と、迎えた者。
でも。
実際には逆なのだろう。
満たされたのは―――ラブ、桃園ラブなのだ。
恥じらいは遠い過去のよう。
同姓でも愛し、愛される事は決してやましい事では無い。
幸福の中で得られる物。
幸福の中で生まれる物。
例え、それが一度きりの行為であったとしても。
あたしたちだけの秘密。
アタシたちだけの秘密。
桃色と青が混ざり合った瞬間の―――――
~END~
最終更新:2010年06月06日 23:42