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避2-169

「実はさあ……。あたし昔、美希たんの事好きだったんだよね。」


はにかんで頭を掻きながら呟くラブにアタシは目を丸くした。


「昔…って、どのくらい昔よ?」
「んー…、それほど昔、でもないかな……。」


まあ、今だから言えるんだけどね。


恥ずかしそうに視線を逸らす。少し桃色に染まった頬。


なるほど。確かに、今だから言えるのよね。
つまり今は何とも思ってない。
告白どころか、想いを匂わす事すら出来なかった淡い初恋。
好きなんて言っちゃったら友達でいられなくなる。
側にいられなくなるくらいなら黙っていた方がまし。
友達だって手を繋げる。抱き締め合える。それでいい。
切ないもどかしささえ甘酸っぱい、幼い愛らしい欲望。


分かるわよ。だってアタシもおんなじ。


ラブ、気付かなかった?
アタシが小学校に上がってからも手を繋いで歩くなんてラブだけだったのよ。
この完璧なアタシに堂々と体当たりかましてくるのもラブだけ。
結構痛かったのよ?思いっきり飛び込んでくるんだもん。
でもちゃんと受け止めてたでしょ?
アザ作らないようにコツ掴むの大変だったんだからね。
ラブだから、許してたんだから。


何で、今更そんな事言うのよ。


分かってる。もう、ラブにはせつながいるもんね。
ただの思い出になっちゃったのよね。


でもいいわ。これも一種の告白よね?
それなら………



「みっ美希たん…?!」


ラブの頬を両手で挟む。
驚きに丸くなった目。
きゅっと硬くなった唇。
アタシはいたずらっ子のような顔で迫っていく。


触れるか触れないか、ふんわりと軽い羽根のようなキス。

甘い香り。
女の子って何にも付けてなくてもいい匂い。
アタシってば、ちょっぴり飾り過ぎかしら。
見た目も中身も。
一度飾る事を覚えちゃうと、素顔を見せるのって凄く勇気がいるのよね。


「うふふ。初恋の君からのプレゼント。」


真っ赤な顔のラブ。
頭の中はせつなへの言い訳でいっぱいかしら。


まあ、いいじゃない。
ほんの少し、運命を変えてみたかったのよ。


ラブ、あなたが好きよ。


あなたにとっては、終わった初恋だとしても、ね。
最終更新:2010年06月23日 21:42