「あの時の輝きを覚えているかい?」
「えぇ。とっても綺麗だったわね。」
プリキュアの名の下に導かれし少女たち。
守り抜いた平和と愛と友情と。
あの時、空に描かれた煌びやかな光。
それは希望の光となって、皆を包み込んだ。
「あっれぇ~」
「いい雰囲気ね…」
父の日のプレゼントとして、圭太郎をレストランへと招待したラブとせつな。
勿論、隣には最愛の人もいる。
本来は自分たちも行く予定だったが、せつなの助言によりラブは思いとどまった。
―――が
やはり気になってしまうのが性。
ラブはついつい後を追ってしまう。
無論、隣には親愛なるパートナーがいる。
「別に一人でいいんだけどなー」
「し、心配だから付き添ってるだけよ!」
「しっ!」
「あ…」
夜景が一望出来るレストラン。
星の輝きや街並みの光を見詰め、圭太郎は呟いた。
あゆみもまた、その言葉に聞き入っている。
「僕はね、あの時の輝きを奇跡、いや希望の光だったと思っているんだ。」
「ロマンチックな事言うのね、お父さんてば。うふふ。」
大人のデート。
まさにその雰囲気を醸し出してる二人を見詰め、ラブとせつなは満面の笑みを浮かべる。
「こうして、あゆみと二人っきりで食事をするのは何時以来かな?」
「そうね。随分久しぶりのような気がするかも。」
二人から三人になって。
三人から四人になった。
何時だってそこには〝しあわせ〟が存在した。
それはこれからも―――いつまでも―――
「ちょ、ちょっとラブ、よだれ!よだれが!!!」
「ぬはっ!ス、ス、ステ~キ~」
この二人にはまだまだ、不釣合いな場所のようであり。
物陰に隠れて、こっそり覗き見するのは返って毒なのは言うまでも無く。
「ラブとせっちゃんには何かお返ししなくちゃね。」
「大丈夫。ほら、もう準備してあるんだから。」
あゆみが差し出したのは2枚のチケット。
海の上に浮かぶ遊園地・フェアリーパークへの物。
彼女たちプリキュアが守り抜いた場所はさらに人気スポットへと成長していた。
チケットも、長蛇の列に並ばないと買えない代物へと成長していて。
「あたし頑張っちゃった。はい、お父さん。」
「僕がかい?ダメだ。これは二人で一緒に渡そう。それに」
「それに?」
「お母さん―――、あゆみの精一杯の努力で僕は幸せゲットだよ。」
「くすっ。感謝するのはあの子達によ。いろんな意味でね。」
「いろんな意味?何だい?」
「な・い・しょ。」
レインボージュエルを守り抜いた彼女たちが齎した物。
それは未来への光であり、希望の光。
そして―――しあわせ
今宵、二人の夫婦は最高のディナーを満喫し、幸せな一時を過ごす事が出来た。
それは最愛なる娘たちからのプレゼント。
それはプリキュアたちからのプレゼント。
宝石よりも輝く一瞬を―――。
「このレインボージュエルプリンくださーい」
「わ、私も…」
~END~
最終更新:2010年06月24日 01:46