2-154

なあシフォン、ちょっと聞いて欲しいんやけどな。
いや、別に難しい話やあらへん。かるーく聞いてもらえればいいんや。

実はな、話っちゅーのはピーチはんとパッションはんの事なんや。
あの二人、昨日もやったけど最近夜になるといつもパッションはんの部屋に行ってまうやろ。
おまけにその間、ワイらのこと絶対に中に入れてくれへん。
いったい何してるんやろとずーっと気になっとったんや。
シフォンもそうやないか?

うん。そうやろ。気になるやろ。
でな、ここからが本題なんやけど、ワイ知ってしまったんや。
あの二人が中でなにしてるか知ってしまったんや~。
ええか、今から言う事は絶対ナイショにせなあかんで。
よし、ほな言うからな。
あの二人はな、ピーチはんとパッションはんはな……「いんぐりもんぐり」しとったんや!!
どや、驚いたやろ!


…そのポカーンとした顔は何?
何のことだかさっぱり分からない?
まあ確かにシフォンにはちょっと早すぎたかもしれへんな。
「いんぐりもんぐり」言うのはな、その、なんや、女の子が二人で
お互いにキャッキャウフフ、イヤンダメヨする…みたいな?そんな感じ?


まあ正直言うとな、ワイにもよう分からんのや。
ピーチはんのベッドの下にあった漫画に、なんかそんな感じの
モノがあったさかい言ってみたんや。
あ、でも二人が夜な夜な「いんぐりもんぐり」な事してるのは絶対に間違いないで。
そこだけは忘れんように頼むな。

しかしけったいな漫画やったなあ。
お笑いがある訳でもなし、あんなもん読んで何が面白いんやろ?
ピーチはんの考える事はイマイチ分から……
ん?シフォンどないした。プリプーてなんや?後ろ?
後ろて、まさかピーチはん達が後ろにおるとか、そんなベタな事―――


ぎゃー!!おったで!!
しかも物凄い目で睨んどるがな!
あの、ちなみにどの辺から聞いてましたの?
なるほど「いんぐりもんぐり」しとったんや、のあたりからでっか…てめっちゃ最初の方やん!
ひー、堪忍してや!

…え?許してあげるからジュースでも持って来い?
おおきに~!まさに天使、女神、ピーチ様!
じゃあすぐ持ってくるから、ちょっと待っててや。
ほら、シフォンも行くで!

―――バタン!

「ったくもう。タルトってばシフォンにロクな事教えないんだから」
「本当よね。それにひどい勘違いもしてたわ。私とラブは毎日なんかしてないのに!」
最終更新:2009年10月10日 20:57