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せつな「はぁ…」

溜息をついた。何度目だろう?数えるのも馬鹿らしいくらいの回数だってのは分かる。

何故、溜息をつき続けてるのか。
単純。
悩んでいるから。


私がこの世界で東せつなとして暮らし始めて、こんなに悩んだ事は無い。


せつな「は~ぁ…」

そしてまた一つ溜息の回数がカウントされる。
悩みの原因は先日の出来事。


祈里「せつなちゃん、あのね…。私せつなちゃんが好き…」
ブッキーからの突然の告白だった。
あまりにも突然過ぎて声すら出せなかった。

ブッキーはすぐに返事しなくていいからとその場を走り去ってしまった。
これが悩みの一つ。
そう…。悩みはまだある。
ブッキーに告白された日の夜。ラブが私の部屋にやってきた。
ラブが私の部屋に来るのは珍しい事ではない。むしろ習慣になってると言ってもいいかもしれない。
しかしその時のラブはいつもと様子が違っていた。
普段は元気に部屋に入ってくるのだけれど、今日はやけにおとなしい。

ラブ「ねえ、せつな。私達って友達?」
ラブの口から出たのはラブらしくない台詞だった。
せつな「ええ、勿論よ!」
私は即答した。ラブが友達じゃなかったら何だと言うのだろう。
だけどラブは私を友達と思っていなかった。いや、思えなくなっていたようだった。

ラブ「私ね、せつなと友達以上の関係になりたいと思ってる。親友じゃなくて、恋人として…」
私はその時も声が出せなかった。きっと迷いが思い切り表情に出てたのだろう。

ラブ「おやすみ、せつな。また明日ね」
それを察したのか、ラブは優しい笑顔で一言呟くと、私の部屋を後にした。


それが先日の話。私はどうしたらいいんだろう…。
ラブもブッキーも好き。だけど、どちらかと付き合うとなった時に私達三人の関係が壊れるかと思うと恐い。

だけど、二人の告白を断るのも、このまま保留にするのもよくないと思う。
せつな「はぁ~…」
机に突っ伏したまま溜息を漏らす。あと何回漏らせばこの悩みは解決するのだろうか。
最終更新:2009年09月26日 08:38