せつなどうしてるかな―――
皆でお泊りをした日以来会っていない。
自然とせつなのことを考えていた自分に苦笑してコンビニに向かう。フリスクが切れたから。
「あ!美希たーん」
「ラブ」
呼ばれた方をみると、ラブと数人の女の子がいる。
あらら、せつなも……
「美希たんのそんな格好初めて見た」
「ラブの知り合い?ちょーきれい」
「スタイルいいですねー」
あたしは髪を巻いてサイドはたらし横で一つに結び、上は肩だしボーダーロングセーター、中にカジュアルシャツ、下はダメージ加工のジーパン、ブーツ……今日は甘いロックテイストがいいって言われたんだもん。甘いってどんなよとも思ったけど。
まぁ、あたしは何着ても完璧だけどさ……せつなそんな目で見ないで。
「どこかお出かけ?美希」
「いや……うん、出かけた後」
せつなはあたしをギロリと睨んだ後、ため息をついて今はそれどころじゃないと言った。
「助けて」
「は?」
せつなが早口に簡潔に説明するにはクラスの女の子達と遊びにきたはいいが、いろいろ話についていけないらしい。
まぁしょうがないか。女子中学生初心者だし。ラブもせつなが気の毒に思えたのだろう。あたしに目配せした。
「せつなのことだから頑張ったんだろうね」
「ほんとはもう少し頑張れたけどね」
せつなと二人で並んで歩く。適当に上手い言い訳をいいせつなを連れ出した。
「どういうこと?」
「美希と話したかったから」
……。
このまま外を歩き続けるのも寒い。うん、おうちに帰ろう。
「行ってもいい?」
「どうぞ」
部屋は寒かった。急いでエアコンをつける。
「あたしとの約束守るつもりなんてないのね」
「なんのことだか忘れたわ」
今日はアールグレイにしよう。せつなの為に砂糖は多めに持ってくる。甘党だから。
ツンとした雰囲気とは裏腹にとても可愛い一面もある彼女。整った顔で学校ではさぞモテているだろうなと思う。
「ねぇ、さわっていい?」
せつなはあたしを見つめて聞いてきた。スマートにこなさない(こなせないのかな?)せつなが可愛らしい。
せつなの手をとるとあたしの頬にあてた。
「これは友達の域?」
「そうだね」
でも部屋にただよう甘ったるい雰囲気は友達同士で作りだせるものではないかな……
「私ね、この間から考えていたの」
あたしは黙って聞くことにした。
「美希のこと……好きなの」
ラブとは違う、もっと、精神的なものだけじゃなくて、肉体的にも恋しい
心がドクンとはねた。
「あたしが欲しい?」
一言そう聞いた。今ならまだ引き返せる。せつなが否定してくれれば。
せつなに答えを委ねる時点であたしはすごく狡い。
「欲しい」
あたしはせつなを引き寄せる。もう戻れない。
二人で……堕ちていくだけ――
なんだ。
結局あたしもせつなも同じではないか。
悪いことだとわかりながら手を重ねる。
感情に流される。
自分の気持ちを押し止めることなんてできない。
くちゅ、ぴちゃ
静かな部屋中に卑猥な音が響く。キスだけで理性がとびそう。
せつなの唇はなにもつけていないのにぷるんとしていて、あたしに快感を与えてくれる。角度を変え、舌を絡める。お互いの吐息が混ざり合いあたしは気が高ぶってきた。
キスをしながらせつなの制服をはだける。
「フロントホック。あたしが脱がしやすいように?」
「違うわよ」
首筋をなめるとせつなは甘い声をもらす。鎖骨の辺りを跡がつかない程度にちゅっと吸った。
ブラのホックを指でパチンと外すと、中からボリュームのある胸が外気にさらされた。
「意外と……ちょっと悔しい。ひゃあっ?」
せつながいきなりあたしの胸を掴んだ。あたしがびっくりしている間に上を脱がそうとする。
「な、ちょっと、あたしがヤる側じゃないの」
「ヤられたいし、ヤりたい」
真顔でいうあたり本心だろう。だがここで攻守逆転する気はない。すぐさま体制を立て直して胸に舌をはわす。
「後でね。あたしが先」
「んっ、あ、わかっ……た」
かぷっと突起を口に含んで舌で転がす。せつなはあたしの頭を宝物のように抱え込む。
せつなの乱れた姿にあたしはあそこが濡れたのを感じた。
「えろい。我慢できないかも」
「美希ぃ」
あたしを呼ぶ声が愛おしい。
スカートをめくり下着を脱がす。既にそこはテラテラと光り、ショーツとの間にツーっと糸がひいた。
「すごいねせつな。そんなにあたしが欲しかった?」
真っ赤な顔でいやいやかぶりをふるせつなが可愛くて、おでこに軽くキスをした。
指で蜜を絡めとりせつなの頬っぺたにつける。秘所にはなるべく刺激を与えないように。
「この間のお返し。なぁめて」
甘ったるい声でせつなに囁くと、躊躇いながらもあたしの指を口に含んだ。指に吸い付き、自らの愛液をなめるその姿に暫しあたしは目を奪われる。
片手をせつなの口に突っ込んだまま、もう一方の指で秘裂をなぞる。ああっとせつなが喘ぐ。
ほんといい声。あたしはわざとポイントを外す。
「んっ、はあっ、美希……いつまですればいいの?」
「もういいよ。おりこうさん」
口のなかの指を引き抜いて笑顔で伝えるとせつなは幼子のように笑った。あたしの指は蜂蜜でもつけたかのように濡れている。
せつながあたしの頬を両手ではさんで濃厚なキスをしてきた。
あまり従順ではないらしい。次から次へと快楽を求めてくる。
あたしが際どい愛撫ばかり続けるので、絡めていたあたしの舌を痛くない程度に軽く噛んで訴えてくる。
そろそろかな。
あたしは指を一本ゆっくりと中入れていく。びくんと腰をひいたせつなを片手でおさえる。
ゆっくり指を中で動かす。とろんとした瞳を見せるせつな。
「んんっ……あ……いい」
「だろうねぇ……ラブじゃ届かないし。平気?」
「うん……」
あたしはもう一本をいれてせつなを見る。いくら濡れているからとはいえちょっときつい。せつなが微笑んだのを確認して動かす。徐々にせつなの呼吸が乱れてきた。あたしはラストスパートに入る。
「あっ……ん、美希、やっ、あああああっ」
びくんと弓なりに反ってせつなはイった。あ、スカート脱がしてあげればよかったかも。
そしてぐてんとあたしにもたれ掛かってきた。
「大丈夫?」
「ん……」
子供のようにすがる半裸せつなを膝にのっけて抱きしめる。
「………あの」
「どうしたの?どっかイタい?」
せつなが心配になってあたしは顔を覗き込む。真っ赤な顔をしてせつなはボソッと気持ちよかったと言った。
「あ、うん」
「……今度は私がしていい?精一杯がんばるから」
あたしの顔は真っ赤だろう。せつなの言ったことが嬉しくて素直に服を脱がされる。
ふとあることを思いだした。
今日はダメだ!!
せつなに声をかけようとした時には上はブラ一枚残して脱がされた。
「……………」
「あの、えっと」
あたしの体には赤い跡。撮影に支障がないところを重点的に。
「……あたしも跡つける」
「え、ちょっとせつなっ」
散々せつなからお返しをうけた後、あたしたちは二人でベッドでまどろんでいた。
エアコンのおかげで裸でいてもさほど寒くない。せつなが人差し指であたしの顎のラインをなぞる。
「美希はほんときれいな肌してる。睫毛ながいし、鼻高いし、唇は甘い」
「最後の変じゃない?まぁでもせつなにもそれはあてはまるよ」
あたしたちはクスクスと笑いあった。せつなの髪をなでてあげながら彼女が不安だろうことを一つ話す。
「あのさ、もうお金もらったり会ったりしないから」
「ん?」
「今日ね、この間からだけど、皆に会って関係終わらせてきた」 「そうなの?」
「うん。後ろめたさもあって最後にヤっちゃったりはしたけどねー。ははは。もう終わったから睨まないで!!……お酒以外は多少まっとうには生きていきます」
せつなはお酒もダメと言って笑ってくれた。
あたしのきっかけをくれたのは、最初に関係を持ったあの人だった。
美希はただ逃げてるだけなのよ。何事にも真正面から向き合うのが怖いから。
いつも安全でいようとする。
いい加減自分に正直に生きたら?
彼女はぶっきらぼうにそう言うと、あたしにお金の代わりに今までで一番長いキスをくれた。
あんたが私の隣に立てたとき、その子連れてここに来て紹介しなさいよ。
とびっきり美味しいお酒をご馳走するわ。
とても綺麗な人で、たまに見せる子供みたいに笑った顔が好きだった。
あたしはありがとうございますと言って部屋を後にし、次にくるのはいつになるだろうと思って苦笑した。
憧れのモデル。
もう肌を重ねることはないけれど、いつか一緒の舞台に立ちたいと思える人。
あたしはベッドから起き上がり、彼女が表紙の雑誌に手を伸ばした。
「せつな、あたしこんな風に表紙を飾れるトップモデルになるから」
「美希ならなれるわ」
せつなは心からの言葉をくれた。うん、なるよ。そして完璧なあたしでせつなを連れて会いに行く。
あたしはようやくスタートラインに立った。
他の誰でもない。ずっとあなたに隣にいてほしい。
あたしは初めて口にだして伝えることにした。
「せつな、大好きだよ」
せつなはとびっきりの笑顔を向けてあたしに抱き着いた。
終わり
最終更新:2010年11月27日 22:08