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み-546

「うわっ」

あたしはリビングのテーブルに置かれているモノを見て思わず声をあげた。

スピリタス。
アルコール度数96度。
世界最高の代物だ。
何も知らずに昔呑んだとき、一口で体が危険信号を発した。

「うふふ。知り合いに貰ったの。美希ちゃんはのんじゃだめよ」

あたしは呆れてママを見た。この人は強い。冷蔵庫から酎ハイとジュース、棚から適当にお菓子を掴み部屋に戻る。

「ねぇ美希。それ美味しい?」

「うん。これ飲みやすいし一口飲んでみる?」

せつなは少し迷った後、あたしの手から酎ハイを受け取った。

ゴクッと一口飲んでから美味しいと呟いた。

「でしょ。それはほぼジュースみたいなものだし。飲んじゃっていいよ」

「うん。よく飲むの?」

元々はママに付き合ってただけなのよね。本格的に味をしめる前にそろそろ禁酒しとこうかな。

あたしはスナック菓子を食べながらファッション雑誌に夢中になっていた。
最近では自分の視野を広げ、いろんな服装に挑戦することが増えたのでそれぞれの傾向、流行を知ることは大切だった。



ふとせつなが妙に静かなことに気づいた。いつもならあたしが雑誌を見ててもかまわず話をしてくるのに。

顔をあげたあたしが見たのは鋭い目つきをしたせつなだった。

「美希!!」

「ひゃい」

いきなり呼ばれて少しビビる。
「何してんの?」

「は?えと雑誌見てた」

そうと言いながらせつなが不敵な笑みを見せながら近づいてくる。

「えっち……」

「な、何?」

「えっちしたい」

真っ昼間から何言ってるのこの人……。せつなは逃げ腰のあたしをどんどん追い詰める。酔ってるよね。完璧酔ってるよね。

「逃げるな!」

「はいっ」

蛇に睨まれたカエル状態。
普段とのギャップがありすぎて尚更怖い。てか、これなんかイースに近いよね。あの冷たい目つきといい……

せつなはベッドに腰掛けると今だ状況が理解できていないあたしに片足を差し出した。

「舐めて」

女王様プレイ?せつな様。
有無を言わさない瞳であたしを見ている。
歯向かってもいいことはなさそう。

こんなのもたまにはいいかと割り切ることにした。

ツーッと舌を這わせる。いい具合に引き締まっていて、とても白くていやらしい脚。

せつなを見ると変わらず冷たい目をむけている。

ふくらはぎから太ももに顔を移動する。まだ早いかなとも思ったが咎められなかったので柔らかい感触を楽しむ。
なんか……制服っていいよね。
太ももに軽くかみ付きながら目線はその先。可愛らしいピンクの下着。



「真面目にやってる?」

髪を優しく梳かれたのになぜか悪寒がする。この行為に真面目もあるかと思ったがこくこくと頷いて集中することにした。

舌で舐めちゅっと吸い付く。たまに歯をたてて優しく噛む。

「んっ………」

せつなから少し声がもれだした頃、顎に手が伸びて顔を向かされた。

「もう……いい。ここきて」

ぽんぽんとせつなの隣にくるように促された。
隣に座ると寝るのと睨まれた。おとなしく仰向けに寝る。

せつながゆっくりあたしの上に跨がった。

顔を近づけてくる。

「んっ……」

やっぱり酒くさい。あたしもだけど。

キスに集中しだしてあたしも興奮してきた。

「っつ!!」

いきなりせつなが顔をあげた。口元を押さえて目を見開いている。

「きもぢわるい」

言ったとたんバタバタとトイレに駆け込んだ。

え……なに、おあずけ

正気に戻りせつなを追いかける。
間に合ったみたい。


絶妙なタイミングで

酒はのんでものまれるな~

音程の怪しい歌がリビングから聞こえてきて苦笑した。



「大丈夫?」

「あー、うん。大分落ち着いた」

あたしとせつなは酔いさましにお風呂に入ることにした。

今だテンションの低いせつなにシャワーで熱めのお湯をかけてあげる。



ずっとシャワーだけだと体が冷えるので、事前に浴槽に湯をはった。一工夫して。

「ねぇ、これなに?」

「泡風呂」

せつなは興味深そうに泡をすくう。目がキラキラしてる。

「ほーら、入るよ」

手を引いて一緒に入る。

「ん、なんかいい匂いがする」
「パッションフルーツのオイルたらしたの。南国気分?」

せつなはさっきまでのローテンションはどこへやら、にこにこしている。

「えいっ」

泡を頭に乗せるとせつなはお返しとばかりに泡を跳ね上げた。浴室に泡が舞う。

子供のようにはしゃぐせつなを見ていると、少し悪戯心がわいてきた。

あたしはつつーとせつなに近づいて耳元で囁く。

「酔ってるときのこと覚えてる?」

「う、えと……」

「脚舐めさせられて、またがられて……」

「も、もう忘れて!」

せつなはあたしの肩を押して、話を遮った。

「んふふー、可愛いなぁ」

あたしはせつなを抱きしめて逃げられないようにした。
二人の間にはたくさん泡があって、なんともいえない感触が……

「やばっ、ヤりたくなってきた」

「!!!」

「せつなぁ」

「美希となら……したい」

顔を赤らめて小さな声で言うせつなは可愛くて可愛くて……


―――――――


「いいねー、泡風呂。せつなの胸が見え隠れするし。泡無くなってきたけど」

「もう……でもほんと楽しいね」

「またやろうね」

今度は水鉄砲とかシャボン玉とかアヒルさんも買おうかな?

あたしは泡が無くなって仔犬のようにしゅんとしてしまった彼女を見て、きゅんと胸が高鳴った。


END
最終更新:2010年12月05日 18:29