それは、せつなが私と一緒に暮らし始めてからしばらく経ったある日の事。
寝よ うとベッドに潜り込んだ時の話。
「ラブって好きな人とかいるの?」
せつなからのメールだった。隣の部屋なんだから来て話せば
イイのにってその時 は思った。
「うぅん、いない。恋愛すらまだした事ないよ。」
今思い返せば素っ気無い返事 だったなぁって。
「告白されたら嬉しい?」
「そりゃ嬉しいよ~。今まで経験した事ないし、相談ばっかされてた方だもん。 」
「わかった。ありがとう。おやすみラブ。」
「おやすみせつな。また明日も幸せゲットしようね!」
ごく普通の女の子の会話、メールのやり取り。むしろせつなに好きな人出来たの
かなって。何か嬉しい気持ちが強かったかも。
少しばかり眠りに入った時、私の部屋にせつなが入ってきた。
「ラブ、もう寝ちゃった?」両膝を着いて小声で呟くせつな。
「どうしたの?眠れない?」
「うん…」
せつなのちょっと不安気な声。私は何の疑いもなく「おいで。一緒に寝よう。」
と言葉を返す。
「あったかい…」
せつなの安堵な声に私もホッとする。
「ずっとこのままでいれたらいいのに。」
「大丈夫だよせつな。私はいつだって味方なんだから。さっきのメールからする
と誰か好きになった?」
いつしか眠たかった私の頭はせつなの事でいっぱいになり。
「好きになるのって悪い事なのかな?私、胸が苦しいの。」
そう呟くせつながあまりにも恋しくなり、私は思わず抱き締めた。
「ごめんねラブ…」
せつなは泣いていた。その姿に私は凄く愛しい感情が芽生えて。
「泣きたい時には泣けばイイよ。私が全部受け止めてあげるから。」
「うん。ありがとう。」
せつなは凄く純粋な子。私と出会えた事を本当に喜んでくれた。私もせつなと出
会えた事を幸せに思う。
「ラブ?」
「何?」
「女の子同士は好きになっちゃいけないの?」
普通なら驚く質問だと思う。ましてや今の状態を考えれば。
けど…
「いけなくなんかないよ。いろんな幸せがあってイイと思うもん。」
不思議と自然に言葉が出た。せつなを抱き締めてたからなんだろう。
「私は…、ラブの事が好き。もう自分の気持ちに嘘を付けないわ。」
電気が体中を駆け巡った。この表現が合ってるかはわからない。それぐらいの衝
撃だった。
しばらく沈黙が続き、私はこう呟いた。
「せつなの彼女になれるなら私、幸せだよ。」
「嘘。そんな優しさ…、私嬉しくない。嫌なら嫌って」
せつなの悲しい表情は暗闇の中でもハッキリわかった。
「私がせつなに嘘付いた事ある?いつだって真正面で話してきたつもりだよ?」
「うん…。でも…」
「わかった。もう何も言わなくてイイよ。」そう言ってせつなの唇を私はキスで
塞ぐ。
!?
せつなの体は少し震えたけど、これが私の最高の返事だと思った。
「正直に言ってくれてありがとう。私嬉しいよ。本当に幸せだよ。」
もう一度せつなの唇に私の唇を重ねる。
「ラブと出会えて良かった…。好きになって良かった…。」
また泣き始めたせつなをギュッと抱き締める。
「愛してる…、せつな。」私の初めての彼女はせつな。初めてのキスもせつな。
そして初めての相手も。
「ずっとこのままでいれたらいいのに。」
「それ、さっき私が言ったのよ。ふふ…」
さっきまで泣いていた私の彼女がもう笑った。反対に私が嬉しくて泣いちゃいそ
うだったケドね。
~END~
最終更新:2009年09月26日 08:51