今日は成人式。わたしたちにはまだ先の話なんですけど。
街を歩いていたら、綺麗な晴れ着を着たお姉さんたちがとても眩しく見えました。
二十歳。大人として、責任ある行動をしなければいけないそうです。
わたしも立派な女性になれるって信じてます。
でも…。ちょっと心配なこともあったりするんです…。
ほら―――
「連休終わっちゃうぅぅぅ」
「?ラブちゃん学校好きなんでしょ」
「うん。でもさぁ、こうやってブッキーとずぅぅぅ~っと一緒にいたいんだよぉ…」
すっかり骨抜き状態のラブちゃん。まるで軟体動物さんみたい。
「それはわたしもそうだけど、放課後にはダンス練習だってあるし、ちゃんと会えるのに」
「だー。わかってない…。わかってないよ、あなたは。。。」
とほほ顔って言うんでしょうか。プリキュアの時はあんなに勇ましく素敵なラブちゃんなのに、こうも変わってしまうなんて。
(そこが大好きなんですけどね)
「ラブちゃん見てみて!あのお姉さん綺麗だよ!」
「ぅん!?どこどこ???」
ちょっぴり複雑です。でもこの天真爛漫な所、ラブちゃんらしいと思いませんか?
「それにしてもこの時期のホットパンツの辛さと言ったら…」
「うん。わたしもスカート短いし寒いよね…」
それは何気なしに意気投合してしまったと言うか。
そうです。美希ちゃんとせつなちゃんへの対抗心。わたしたち、こう見えてライバル関係だったりします。
〝どっちが魅力あるカップルか〟
雰囲気の美希ちゃんせつなちゃん。わたしたちは元気な所がアピールポイントで。
これって今しか出来ない事だと思って。若さでアタック!なんちゃって、えへっ。
「ブッキー食べないの?あたしもらっちゃうよ~」
「あっ」
わたしのいちごドーナツ。。。
ラブちゃんはこう、切り替えが早いんですよね。ちょっとついて行くのが大変だったりしますけど。
子供っぽいのかな。ピュアでとにかく一緒にいると飽きないんです。昔よりも磨きがかかっているかもしれません。
「ねぇブッキー」
「なぁに?」
「あたしたちもさぁ、二十歳になっちゃうんだよね」
「もちろん。どうしたの?急に」
「…歳は取りたくないねぇ」
お口ぽかん。ラブちゃん何言ってるんだか。わたしたち、まだ中学生なのに。
「おかしなラブちゃん。二十歳になったらまた魅力的になるのに」
「あたしはずっとこのままでもいいけどなぁ」
「成長すればその分、ダンスも上手になってるはずだけど」
「あ、そっか」
「ぷっ…」
ほんと面白いラブちゃん。一緒にいて飽きません。美希ちゃんやせつなちゃんには持ってない何かがありますよね。
わたし、こう言う所、ほんと大好きで。
どこにでもいそうな女の子。明るくて無邪気で優しくて。
そして―――真っ直ぐで
最初は幼馴染み。
次はお友達。
その次は親友。
今は....ないしょ
「ブッキーの晴れ着姿、今から楽しみだよ~」
「わたしもラブちゃんの早く見てみたいな」
「お化粧もバッチリしてね」
「今のままでもわたしは…だいすきだよ?」
「たっはー!言ってくれるじゃんブッキー!」
「っん!もう、ラブちゃん.....」
押しの強い所も、その…わたしだいすきで。
大人になりたいなって思うのは、もう少しあとでもいい気がします。
まだまだ子供でこうやってじゃれ合っていたいなって。
だって.....
―――ラブちゃんだいすきだから―――
おわり。
最終更新:2011年01月16日 00:00