み-658

「せつな、恵方巻って知ってる?」
「恵方巻?知らないわ。ラブやみんなは知ってるの?」
「もちろんよ!いい、せつな、よく聞いてよ。はいブッキー先生、どうぞ!」
「もう、美希ちゃんたら……。あのね、恵方巻っていうのは、節分に食べると縁起が良いとされる太巻寿司、またはそれを食べる風習のことよ。
 節分の夜に、その年の恵方に向かって願い事を思い浮かべながら、目を閉じて一言も喋らずに太巻を丸かぶりして、食べ切ることができたら願い事が叶うと言われているの」
「さすがブッキーね。ありがとう、よくわかったわ」
「えへへ、どういたしまして」
「へええ!そうなんだ、知らなかった~」
「ラブったら、知ってるんじゃなかったの?」
「たはー!あたし、美味しい太巻を丸かぶりできるってことしか知らなかったよ~」
「ラブちゃんらしいね」
「よぉし、そうとわかったら早速太巻の材料ゲットしに行くよ!」
「手作りするなんて、さすが桃園家よね、頭が下がるわ」
「そういう美希たん家は毎年どうしてるの?」
「うちはいつも河童巻を買うの。あれなら細くて食べ切りサイズだしね」
「それじゃ厳密には恵方巻食べたことにならないと思うけど……」
「べ、別にいいの!せつな、細かいツッコミ禁止よ。だってモデルは体型重視しなきゃね」
「そんなとこが美希ちゃんらしいね」
「そういうブッキーはどうなの?」
「わたしは毎年必ず食べてるわ。黙々と食べて、いつも同じ願い事を唱えてるのよ。今年こそは叶うって、わたし信じてる……」
「どんな願い事なのかが気になるわね……」
「ホント……」
「まあまあ、みんなで恵方巻食べて、今年も幸せゲットだよ!」
最終更新:2011年01月29日 19:18