楽器屋で茶と話でも

そこはとある楽器屋さん

ここはとある地図の端にある街、通称三番目。
街の特徴として周りを荒野や大小様々な渓谷に囲まれ……

街の説明は此で数度目なので却下。

兎に角、そんな三番目の街の入り組んだ裏路地の一角に閑古鳥が高らかに鳴き喚く一軒の楽器屋がある。
置いてる楽器はどれもなかなかの物の様だが……如何せん立地が悪い。
此処はピンからキリまでの狩人が揃う街三番目だ。
そんな街の裏路地にある店と言ったらボッタクリの酒屋か、口に出すのを憚る様な怪しいお店ばかりだ。
そんな所に好んで来る客が態々楽器屋に踵を向ける訳がない。

そしてもう1つ。店主の風貌がどうにも怪しい。
恐らくは上物であろう楽器達が、紛い物に見えるくらいに其処の店主の見た目と口調は怪しすぎる。

故にこの店は常時ガラガラ、近所の商売敵達も物置小屋かと錯覚するほどだ。

だから、この店に興味を持っても気軽に何かを買う事はお勧めしない。

もしどうしても珍しい楽器や、ひょっとしたら美人かも知れない店主なんかをマジマジと眺めたいのであらば、少し値の張るお茶でも持参して店主にこう言えばいい。

「綺麗な店主さん、お茶を奢るから少し暇を潰させてください」

そうすれば美人で気さくな店主さんが年季の入ったテーブルと、少し曲がった椅子を二脚ほど用意してくれる筈だ。

とある男

とある街のとある路地裏にとある男が1人。

この男はとある旅商人で、この街での売買を済ませた所だった。
彼の商隊が次の街に移動するにはまだ大分余裕が有って、彼がこの街で売れる物は殆ど残っていなかった。
そんな彼は今、暇と前の街で少しばかり仕入れ過ぎた茶葉を持て余していた。
そんな彼は昨日、酒場でとある噂話を聞いていた。

街の路地裏の流行らない楽器屋に、茶を奢るだけで暇を潰してくれる美人な女店主がいる。

と言う噂を。
男は楽器には微塵も興味がなかったが、噂の女店主と"暇潰し"の内容が気になっていた。
そして幸運にも今、彼の手には程よく暇と茶葉がある。
そして気付けば男の足は街の路地裏へと向かっていた。

そして現在……
似通った細道を右へ左へ折れ曲がること数知れず、そろそろ噂は噂だったかと諦めて帰ろうと思い掛けていた男の目の前にその店は現れた。

見たことも無い様な楽器の山に対して、閑古鳥が好き放題に鳴き喚く店内……
男はここが噂の街だと確信した。

男が静かに店の中を覗き込むと、珍しい楽器か何かだと思っていた青い物体がムクリと動いた。
男は反射的に一歩下がるが、青い物体は久方ぶりに飼い主に有った給仕猫のごとき動きで男にすりよった。

「御客さんは御客さんで御客さんアルね?」

そんな台詞と共に、青い長髪の間から存外に美人な女性が顔を出した。
どうにも楽器か何かだと思っていたのは噂の店主様だったらしい。
見覚えのない東洋風の服装と、所狭しと並ぶ楽器のせいで気付けなかったようだ。

男はそんな店主の容姿に胸を高鳴らせる反面、

「御客さん、この竪琴は如何アル? これは掘り出し物で……」

店主の風貌と喋り方に少々胡散臭さを感じていた。

ひょっとしたら茶だけでなく色々とぼったくられるのでは無かろうか?

男はそう感じ出していたが、ここまで来た事と、予想以上の店主の容姿と、暇潰しの内容に対する好奇心に負け、右手の茶袋を差し出した。

「これはお茶……そう言う事ね」

茶葉を見た瞬間、店主の空気が明らかに変化した。

「まぁいいわ。久々のお客様だからサービスしてあげるわ」

店主はそう言うと茶葉と一緒に店の奥へと消えていき、ティーセットと変な仮面、そして弦楽器と一緒に再び姿を現した。

「貴方の暇を潰してあげるわ」

状況を把握しかねる男を置き去りにして、店主は1人語り出す。

砂漠の街の話

とある街の集会所の一番奥の部屋……
時刻は丑三つ、真っ暗闇のその部屋では男が泥の様に眠りこけている。
彼にはやるべき事が掃いて捨てる程あり、日々寝る間も惜しんで働いている。
そんな彼にとって今日は久々の休息であり、部屋に付くなり流れる様な動作で早々にベッドに倒れ込んだ。

そんな彼を部屋の外から狙う影が1つ。

影は息を殺して部屋の扉に張り付き、男の呼吸が寝息に変化したのを確認すると音もなくドアノブを回転させる。
まるで夜風の様な静けさで扉が開き、影はまるで其処に影しか無いような存在感の無さで、しかしその瞳だけは獲物を前にした獣の様にギラつかせながらゆっくりと男のベッドに近付いていく。
そして、男を目と鼻の先に捉えると静かに手を合わせる。

次の瞬間、突如として存在感を帯びた影は寝息を立てる男へ飛び掛かり、

『ひゃぁっ!?』

何かに絡め捕られ逆さ吊りにされた。

そして数秒もしない内に部屋の灯りが灯り、吊り下げられた褐色の女を見る男の呆れた顔を照らし出した。

「こんな夜更けに何の用だ、リィナ?」

「えーっと、その……夫婦の営みを」

男はリィナの答えを聞いてあからさまに溜め息を吐いて見せた。

「お前は俺に過労死しろと言いたいのか? いや、この場合は腹上死になるのか?」

「べ、別に其処まで言ってない!!」

箕虫みたいな格好でリィナがブラブラと体を揺さぶる度に、長い銀色の三つ編みもブラブラ揺れる。

「それにダギィは足がないからトイレとか大変だろ? だから俺が何時でも手伝える様に添い寝を……」

「本音が隠れきってないし、建前を言うにしてももう少しまともなのを考えろ。だいたいそんな老人みたいな扱い受けたら恥ずかしくて死ぬぞ、俺は」

「じゃあ添い寝だけでも!! ダギィの温もりだけでも!!」

「結局それか」

ブランブランと揺れる銀髪箕虫を見てダギィは諦める様に溜め息を吐き、リィナに手を伸ばした。

「今夜はこれで我慢しろ。目は瞑れよ」

そう言うや否やダギィはリィナを引き寄せた。目を瞑ったリィナは強く抱き締めれるのを感じたが、直ぐにある違和感に気付いた。

「これって……」

「俺の布団をお前に巻き付けて縛り上げた。そしてその布団は未だにホカホカ。良かったな、俺の温もりを感じながら寝れて。じゃあおやすみ」

「これは温もりじゃない!!」

「zzz……」

「ダギィー!!」

話の要点

「そうして今夜も虚しい女の叫びが街に木霊しましたとさ、おしまい」

店主は少々投げやりな感じで話を締め括ると付けていた仮面を外し、新しいお茶を注いで飲み干した。
それに対して男はと言うと呆然と席に腰掛けているだけだった。始めに用意されたお茶もすっかり冷めてしまっている。

「貴方が持ってきたのに飲まないの?」

不思議そうな店主の視線で漸く男は冷めきったお茶に手を伸ばす。
喉を流れ落ちる微妙な冷たさのがショートしていた男の思考をゆっくりと修復していく。

男は考える。
確かに店主はお茶だけで男の暇を潰してくれたが、それは全く持って男の予想……いや、妄想していた物とは違っていた。
なまじ期待してしまったせいで凄くガッカリしてしまった気分のまま、茶葉の値段を思い出したりしていると店主が不満そうな顔で男を睨んだ。

「何か暇潰しの仕方に不満が御有りなのかしら?」

全く持って店主の言う通りたのだが、男は苦笑いをして誤魔化した。
それを見た店主はあからさまに溜め息を吐き、蔑む様な視線で男を見た。

「変な噂を変な風に信じるからそうなるのよ」

店主の言葉に流石の男もイラッと来たが、店主は構わず喋り続ける。

「それに商人の端くれならどんな話であっても注意深く聞くべきよ。今回なんて特に」

店主はそう言うが、男にはその言葉の真意がさっぱり解らない。
間抜け丸出しな顔で呆けている男を見て、店主は新しい茶を注ぎながら小さく溜め息を吐く。

「お茶が私の好みだったから少しサービス。今回だけよ」

店主は茶を一口啜るとゆっくりと丁寧な口調で語り出す。

「今回の話は隣街の話なの。話の要点は女はどうにかして男とイチャイチャしたいと思ってるって所。そしてこの街には女の望みを叶えられる怪しい薬屋があって、女はその事を知らないの」

店主はお茶をグイッと飲み干し、指先でカップを弄びながら男を見る。

「さて、この話を聞いた貴方はどうするべきでしょうか?」

ここまで言われて漸く男は自分の両手をポンと叩いた。

「因みに私がこんな事をしてるって事は他言無用よ?」

店主の言葉に男はブンブン頷く。

「解れば宜しい。儲かったら楽器の1つでも買いに来てね」

店主は言いながらティーセット片付けだし、男もつられる様に席を立つ。

「ではでは……またのお越しをお待ちしているアルよ」

商談結果

三番目の街のとある路地裏。
相変わらず閑古鳥が鳴く楽器屋の前には、何時かの男が少し高級そうな茶葉袋を持って立っていた。
それを見付けた楽器の店主はウキウキしながら男に話し掛ける。

「商談は上手くいった様アルね?」

男は店主の問い掛けに力強く親指と欠けた前歯を見せてニヤリと笑う。
よくよく見ると男はボッコボコ、と言う表現がよく似合う面構えになっていた。

「あっちの街で何があったアル?」

顔面大惨事にも関わらず愉しげに笑う男を見て、ややひきぎみに女店主が尋ねる。
男は勝手に椅子に座りながら愉しそうに事の顛末を語りだした。

目的の薬を手に入れた男は二番目の街へと向かい話の女性を探しだした。
元より二番目では結構有名な人物だったらしく簡単に見付ける事が出来、商談もトントン拍子で進んだそうだ。
そして翌日、暖かく成った懐に土産の新しい茶葉を忍ばせ三番目に帰ろうとした矢先、車椅子に乗った男に遭遇しタコ殴りにされたそうだ。
しかし男も商人の端くれ、転んでも只では起きなかった。

『これから毎週彼女にあの薬を売りに来るけど貴方が望むならその解剤を貴方に売るよ』

こうして男は毎週街を往復するだけで儲ける事が可能となった。

「お客さん私より悪どいアルな。そりゃ笑いも止まらないアル」

対面の椅子に座った女店主はセラセラと笑うが、土産の茶を注ぎながらジロリと男を見た。

「儲けの割に安物よね?」

女店主に睨まれ男は後退りながら弁明する。
今回の事で男は三番目を拠点にして商売をする事にしたらしい。その準備為に色々と物要りらしい。
今回の事とは無論美味しい常連が出来た事もあるが、三番目にある変な商店の数々が気に入ったらしい。何より素敵な店主さんと御近づきになれたのに街を離れるのは勿体無い、と男は付け足した。

「ふぅーん、じゃあ次からはもっと良い茶を期待するわね」

女店主は冷ややかに笑いながら茶を啜った。
とりあえず一安心した男は煎れてもらった茶をチビチビ飲みながら、女店主とテーブルに置いてある仮面を交互に見た。

「貴方……暇なの?」

女店主の問に男はブンブンと首を縦に振った。

「次はもっといいお茶にしてね?」

男は力強く親指を立てる。そんな男を見て、女店主はやれやれと首を振りながら仮面と弦楽器を手に取った。

「貴方の暇を潰してあげるわ」

赤色二匹

とある時、とあるに砂漠にある、とある村の入り口付近。
其処には赤い髪を靡かせる少年が一人。

「あー、お腹空いたな」

全身バラバラのなんともチグハグな装備をした彼は、手に持った無駄にデカいナイフとフォークを弄びながらそう愚痴った。

「定食屋は……」

少年はズイッと村の方に目を向け、

「肉気が足りないし、砂漠の魔物は……」

ズイッと反対側の砂の海を見て、

「食べ飽きたしなぁ」

そう言って項垂れる。
そんな時、少年の目に砂の山を軽快に進む馬鹿でかい荷物を背負った小さい婆さんの姿が映った。

「行商のお婆さんかな?」

少年はナイフとフォークを腰に提げ、何か珍しい食べ物でも持ってるんじゃないか、と言う思いに胸膨らませながら村の外へと駆け出した。

「お婆さ~ん」

少年はヒラヒラと手を振りながら行商の婆さんに駆け寄り、その脇を一気に駆け抜けた。
予想外の少年の行動に呆気に取られる婆さんの背後から、砂色の鱗を纏った竜が飛び跳ねた。
だが、婆さんに襲い掛かろうとした筈の竜は次の瞬間には三枚に卸され、熱せられた鉄板の様に熱い砂の上でジュウジュウと音を立てていた。

「何か珍しい食べ物とかないかな?」

フォークに刺さった肝を熱砂で焼きながら、少年は非常に良い笑顔でそう尋ねた。
その言葉を聞いて直ぐ様正気に戻る辺りこの婆さんも筋金入りの商人で有ったが、一つ残念なお知らせが有った。

「え、食べ物は無いの?」
先程卸した竜を既三分の二程平らげつつ、少年は残念そうな声を出す。
因みに食べ物を売っていないのではなく、この婆さん自体が商人では無いらしい。

「じゃあその背中の荷物は?」

最後の肉片を平らげながら少年が首を傾げた瞬間、婆さんの荷物がグニョリと動き、中から大量のモコモコが這い出して来た。

「これは……アイルー?」

少年の言う通り、婆さんの荷物から出てきたモコモコ達の正体はアイルーとかメラルーとか呼ばれる獣人族達だった。

つまりこの婆さんは様々な商品を売り歩く行商婆ではなく、ハンター達に獣人族達を斡旋するネコ婆だった訳だ。

そしてネコ婆は先程のお礼に無料で獣人を一匹紹介してくれるとの事だった。
しかし、オトモアイルーだとかキッチンアイルーだとかを知らなかった少年の口から出てきた最初の言葉は次の様な言葉だった。

「どれが一番美味しいのかな?」
一つ言っておくと獣人族を殺すのは御法度である。
例え狩りの最中に後ろから爆撃されようが、
例え慣れぬ土地で地図を奪われようが、
挑発染みたダンスを目の前で踊られようが、
決して殺しては成らない。

『まかり間違っても食べるとか絶対に言うなよ』

少年の親代わりのハンターに口酸っぱく言われていた事を少年は今更思い出した。
気まずい沈黙……
豆鉄砲をしこたまぶちこまれた様な顔で少年を見る獣人達。
昼の砂漠だと言うのに背筋が妙に冷ややかだ。

ネコ婆は耳が遠いフリをして、少年にもう一度聞き直す。

「どの子が一番美味しい料理を作るのかな?」

渾身の作り笑顔で放たれたその言葉は辛うじて場の空気を沈静化させる事に成功した。
ネコ婆は即座に3匹の料理人志望の獣人を少年の前に並べた。

一匹目、真っ直ぐ背筋を伸ばしたアイルー。性格は良さそうだが、やや痩せ型……却下。
二匹目、腰の低そうなメラルー、何と無くだが忠誠心は低そう、肥満ぎみ……脂身は好きくないので却下。
三匹目、満面の笑みの赤い獣人、非常に大人しそう、全体的に引き締まった肢体、申し分なし。そう言えば亜種の方が美味しいんだよね……よし、採用。

「この子にするよ」

少年は両手で赤い獣人を抱き抱え、にこりと笑う。

「俺はゲドで良いよ」

「ニャアはムサシって言うのニャ」

「よろしく」

「よろしくなのニャ」

少年と赤い獣人は互いに笑みを交わすが……その笑みは妙に攻撃的に見えた。
熟練の商売人であろうネコ婆はその異様な空気を感じ取ってか、瞬く間に村の方へと消えて行った。

「じゃあ狩りに行こうか?」

ネコ婆が消えたのを確認してから少年はいきなりそんな事を言った。
獣人にも色々いて料理をする者や、執事の様に仕える者、無論狩りに同行しサポートする者もいる。
が、赤い獣人は料理が本職であり、狩は専門外だ。

「ニャアは狩りに付いていっても役にたたないニャよ?」

「今食材を切らしててさ、現地調達してそのまま調理して貰おうって思ってさ」

訝しげな表情で尋ねる赤い獣人に対して、少年はスラスラと笑顔を崩す事なく答えて見せる。
赤い獣人はどうにも信用仕切れては居なかったが、仮にも自分の主人である者の提案を足蹴にすることも出来ずに大人しく頷いた。

「今日のご飯は期待できそうだ」

少年は赤い獣人の見えない角度でくしゃりと笑う。
「じゃあ適当にトってくるから待っててね」

少年そう告げて、赤い獣人を木陰に座らせ砂漠の方へ駆けていった。

青すぎる空に砂金の様に輝く砂の山、その何処を見ても化け物の姿なんて在りはしない。
どうにも嫌な予感がしていたが、それは気のせいだったらしい。そう一息吐いて赤い獣人はゆっくりと腰を降ろした。

だが、その判断は誤りだ。

砂漠に限らず、化け物どもはありとあらゆる方法でその姿を眩ませる。
ましてや砂漠なんて隠れる所だらけな上、少年はとある罠を仕掛けていた。

砂の中に潜む魚竜は音で獲物の位置を探る。
少年はその事をよく知っていた。故に砂漠を適当に走り周り魚竜どもを誘き寄せる。
そして魚竜が襲い掛かれない様な速度と走り方で砂の海を駆け続けた。

そんな折に手頃な距離から一つ、間の抜けた音が響くのだ。ゆっくり、どっしり、何かが砂を押し退ける音が一度だけ。
砂漠に潜む化け物どもはそれだけで狙いを少年から赤い獣人へと切り換える。

“何処かの間抜けが休んでいるぞ”

砂の海が微かに波打ち、砂の細波は瞬く間に化け物へと姿を変えた。

「ニャッ!?」

間抜けな声を上げる獣人の頭上には実に3頭もの牙を剥いた魚竜が迫っていた。

全て上手く行った。
誰も見ちゃいない。
見ていたとしても気付きやしない。
これは不運な事故なのだから。
爆ぜる砂の音を聞きながら、少年は心の中で高笑いする。
多少かじられるだろうが、かじった奴もろとも胃の中に流し込んでやろう。
さて、あの猫君はどんな味がするのかな?

涎を垂らさない様に、可能な限り真剣な仕草で少年は振り返る。

「ムサしっ!?」

今日の献立を叫ぼうとする少年の視界には信じがたい光景が繰り広げられていた。

「ニャッ……」

一頭目の魚竜の牙が鉄鍋に阻まれ砕けちり、

「めんっ……」

二頭目の体は一頭目に激突し、

「ニャアァッ!」

終の三頭目は二頭の隙間から這い出してきた獣人の持つ出刃包丁に、無惨な口裂けに変えられた。

少年の組立た計画が大きく崩れる。
赤い獣人は想像していたより大分強かったのだ。
此処で自分が取れる最善の策は何か?

「今行くよムサシ!!」

それは手早く助けに向かい自身の印象を落とさない事だ。
何、チャンスはまだまだ腐るほど来る。

今日の所は雑魚な魚竜で我慢しよう。

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最終更新:2013年02月21日 05:17
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