一番目の残骸Vol.3

加勢

赤い少女と黄色い獣人

爆ぜた筈の赤は何時まで経っても俺を射殺さず、それどころか何時までも消える事なく其処に在り続ける。
その赤が雷でないことに気付いたのは、歪な咆哮が轟いてからだった。

ボァ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァァ゙ァ゙ァ゙!!!!

暗闇を軋ませる様に聞き覚えのある咆哮が轟き、見上げた先には見覚えのある赤い長髪が揺れていた。
しかし、その四肢からはダラダラと血が流れ、その瞳は何時かの夜に見た化け物の物と成り果てていた。

何故だ、何故……

「何故お前が此処に!!」

『血だ、お前の血さえ有れば!!』

轟く、困惑、歓喜、絶望、狂喜、それら全てを掻き消す様に一際大きな咆哮が

ボァ゙ァ゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァァ゙ァ゙ァ゙!!!!

狭い空間を埋め尽くした。

化け物と化した少女は空を飛ぶ龍の如く地を駆け、有ろう事か糞野郎と白い龍目掛け跳躍する。
途端に少女を不気味な灯りが照らしあげる。
一秒と経たずに赤い雷が少女目掛け降り注ぐが、化け物と化した少女は文字通り光よりも早く、その赤をすり抜けた。

『よくきた龍の血!! これで彼と完璧に1つに!!』

襲い来る少女を見て、糞野郎が歓喜の言葉と共にその腕を拡げた。

『黙れ、搾り糟が』

軋んだ様な、掠れた様な雑音がそんな幻聴染みた台詞を発した瞬間、少女が垂れ流していた赤い血が真紅の刃を造り上げる。

『なっ……』

ボァ゙ア゙ッ!!

腕から生えた赤い刃が糞野郎の、腐れた体を、腐れた言葉を、腐れた野望を払い退け、白い龍と言う理想を切り裂いた。
白い体から恐ろしいほど赤い血飛沫が噴き出し、少女は両手と口を広げそれを全身に浴びる。
白い龍はクラリと揺れたあと、真っ赤な瞳で少女を睨んだ。

今の糞餓鬼がどういった状態かは知らないが、白い龍にサシで勝てるとは思えない。
文字通りの死に体で、刃の無いランスを構えようとすると、誰かが俺の肩を叩いた。

「あれは小生らにお任せを」

紫を纏った黄猫が俺の隣でニヤリと笑う。

何故ここに?
そんな決まりきった台詞を吐く前に黄猫君が次の台詞を言う。

「些細な事はあとで宜しいでしょう。まずはけりを付けては如何ですかな?」

「そうだな」

俺が頷き立ち上がると共に、黄猫君は白い龍と殺し合う赤い少女の加勢に入った。
そして、別の足音が糞野郎と対峙する俺の背後に立った。

「何をしにきた?」

「加勢だ、泣いて喜べ」

褐色の肌のいい女

背後から響いたその言葉は何時も通りの物だったが、その声は何時もと違う様に聞こえた。

「もう一度聞く、何をしにきた?」

俺がゆっくりと、解り易く尋ねると

「もう一度言ってやる。とびっきりの良い女が加勢に来てやった。だから泣いて喜べ」

絶壁は大変理解し難いオマケ付きでそう返してきた。

「加勢ね……」

さっきまで死人みたいだった奴が何を言うんだか……
何処かの誰かみたいに長々引き摺らなかった事は評価するが、完璧に立ち上がった訳ではないだろうに。
何か愚痴でも垂れてやろうとすると、絶壁が俺より早く口を開いた。

「俺は決めたぞ、ダギィ」

「……何をだ?」

「俺の進む道をだ」

「それが俺に関係有るのか?」

「あぁ、有るともさ。俺はこれからお前がどんなに嫌がっても傍に居て一緒に闘ってやる。お前が何処に行って、何と戦おうがだ」

絶壁は一呼吸置き、少しだけ紅潮した顔で此方を見据える。

「それが私の選んだ道だ。だからダギィ……覚悟しろよ!!」

絶壁は真っ赤な顔と凄まじい気迫でそう言い放った。
しかし……なんとも傍迷惑な話だ。それがお前の道だと言うならとやかく言う気はない。

「そうか、好きにしろ」

言う気はないが……

「ただし、今回だけは手を出すなよ」

此だけは誰かに手伝われたり、奪われたりする訳には……

「そんな事はしないさ、ダギィならあんな奴くらい楽勝だろう? だから今日は見てるだけにしてやるよ」

絶壁はサラリとそう言ってのけた。
目の前で白い龍の血を浴びて息を吹き返そうとする黒い化け物と、目の前で黒い肉片に蝕まれ今にも崩れそうな俺を見た上で、一切躊躇う事なくサラリと言ってのけた。

「ほら、サッサとケリを着けてこいよ」

「リィナ、お前案外良い女だな」

「なんだ、今さら気付いたのか?」

「あぁ、仰る通りだ」

俺の言葉を聞いて絶壁は豪快に笑う。
全くもって今更だな、もっと早く気付くべきだったよ。まぁ、死ぬ前に気付けただけ上出来としますか。

「そら立て糞野郎、最終ラウンドと行こうじゃねぇか」

俺がランスだった物を投げ捨てながら言うと、赤黒い水風船みたいになった糞野郎がゆらりと立ち上がった。

『俺はまだピンピンしてるが……武器無しで良いのか、ダギィ?』

「あぁ十分さ。何より男の喧嘩は昔から拳骨だと相場が決まってるだろうが」

御守りと切り札

『そんな体で俺の拳骨を受けれるかな!?』

糞野郎が右の拳を振り上げた瞬間、水脹れの様だった赤黒い右手が鋭利な爪へと変化した。

「それの何処が拳骨だ?」

俺の首目掛け振り抜かれる鋭利な一撃を辛うじて残った盾で受け流し、右の拳に有らん限りに力を込める。

「こういうのを拳骨って言うんだよ!!!」

右の拳が微かに崩れる。だが、それ以上に糞野郎の顔が驚愕と苦痛に歪む。

「まだまだいくぞ!!」

一撃ごとに自身の歯を砕く勢いで食いしばり、砕けた拳で糞野郎の顔をグシャグシャに砕いていく。

『ずに乗るなよ、出来損ないが』

そんな声が響いた瞬間、胸の真ん中を何時かみたいに赤黒い触手が貫いた。

「ダギィ!!」

絶壁が叫ぶと共に、ダバリと赤黒い塊が漏れた。

全身を這いずる黒い肉片が、もう喰うものは無いのかと、体の奥へ奥へと流れ込んでくる。
ズルリズルリと言う嫌な音に混じって、自分の心音が妙に小さく聞こえた気がした。

「ハッ」

なんだ、まだ俺の心臓は動いてたのか……ならもう少し、動いていろ。

「んなのが効くか!!!」

振り抜いた右拳は糞野郎の顔面をぶち抜き、ゴム毬の様にその体を弾き跳ばす。
『どうした、それで終わりか……?』

それでも糞野郎は平然と立ち上がり、此方に迫ってくる。

「構えろ、ダギィ!!」

両手を握りしめながら、絶壁がそんな事を叫ぶ。
そんな事は解ってる。解ってるが……もうろくに力が入らない、身体中が腐って行くのが手に取る様にわかる。打ち止めか、こんなところで!?

『死ねっダギィ!!!!』

「死ぬなダギィ!!!!」

糞、同時に叫ぶな……どうすれば良いか解らなくなるだろう……
黒い爪が死と言う現実を伴って迫る最中、俺はそんな腑抜けた事を考えていた。
そんな時、彼女の御守りが風に揺られて妙な音を奏でた。

(まだ死んじゃ駄目だよ、ラウ君)

そう、そんな都合の良い幻聴が耳の傍で聞こえた気がした。

『死に損ないが』

気付けば俺は盾を構え、糞野郎の攻撃を防いでいた。
盾の向こうでは糞野郎が砕けた顔を更に歪め、盾の内側には忘れていた切り札が最後の出番を待っていた。

「アドマン、1つ良いことを教えてやるよ」

最後の切り札の撃鉄を落としながら、あの日奴から聞いた台詞を口にする。

「切り札は最後までとっておくものらしいぞ」

そら、糞野郎、試合終了のゴングが鳴るぞ。

復讐の意味

歪んだ糞野郎の首筋に、撃鉄が落とした携帯竜撃砲を突き立てる。
シューッと言う音をたてながら、糞野郎の首が青白い炎に呑まれた。

『ダ、ダギィィィイ!』

糞野郎がもがきながら首筋に刺さった携帯竜撃砲を引き抜こうとした瞬間、鼓膜を貫く様な爆音と爆炎が糞野郎の体と断末魔を粉微塵に吹き飛ばした。

「やったなダギィ!!」

絶壁が嬉しそうに駆け寄って来るが……

「いや、まだだ」

視線の先、干上がり掛けた血の水溜まりでは、しぶとく何かが蠢いていた。
ゆっくりと歩み寄り見下ろすと、自棄に生々しい口が付いた赤黒い蚯蚓の様な生き物がビチビチともがいていた。

『くそ、血が、体が、理想が、くそう、畜生……』

蚯蚓は呻く様にそんな台詞を垂らす。
これは間違いなく糞野郎だ。なんとも醜悪で無様でお似合いな姿に成ったもんだ。

『いや、まだだ、彼さえ、彼さえ居れば俺は……』

糞野郎が未練がましくそう言った途端、聞くに堪えない悲鳴が暗闇に響き渡った。

オ゙ァ゙ア゙ア゙ア゙ァ゙ァ゙ァ゙ア゙

そして小さな龍が勝ち誇る様に咆哮を挙げる。
見れば胸の4分の1程を喰い千切られた白い龍が、赤髷に追われて逃げ出す所だった。
白い龍は泣き叫ぶ様な悲鳴を挙げながら、暗い天井を突き破り月夜の空へと消え去った。
1人月光を浴びる少女は眠る様に、赤い水溜まりに崩れ落ち、黄色い猫がそれを懐抱する。

「敗けだな、お前自身も、お前の理想も、何もかも俺達に敗北した訳だ」

『ウソダウソダウソダウソダウグェァッ!!?』

喧しく喚く蚯蚓を潰れない程度に踏みつける。

『やめろまだ死にたくない!!』

「いや、死ね」

少しだけ力を込める。

『元々お前が弱いからお前は独りに成ったんだろう!? 俺に当たるなよ!!』

「こいつ…!!」

「あぁ、お前の言う通りだな」

苛立つ絶壁を片手で制し、更に足に力を込める。

『ウグエッやめろ、俺を殺してなんになる!? そんな事をして死んだ人間が喜ぶのか?!! 蘇るのか!?』

「あぁ喜びも蘇りもしないな、それどころか悲しむかもしれんな」

「おい、ダギィ!?!!」

叫ぶ絶壁を力強くで下がらせ、少しだけ足の力を緩める。

『なら、俺を見逃し……』

「だが、俺の気は晴れる」

それだけでコイツを殺すには十分過ぎる。

「だから死ね」

『ッギ、ギザマ゙ァ゙ア゙!! ダギィ゙ィ゙イッッ!!』

一切の躊躇いなく、足下の蚯蚓を踏み潰し、

『アギッ』

擂り潰した。

視界は歪み 口は開かず 体は朽ちる

迫るは赤と我が身の終わり

「最後の最後まで頼りきりだったな」

両耳で揺れる御守りと飛び散った竜撃砲の破片を見て、俺は自嘲的な笑みを浮かべる。
そして片足をあげ、糞野郎がただの赤黒いシミに成れ果てたのを確認した直後、視界がぐるりと回る。

「おい、ダギィ!?」

絶壁の焦る声が此方に駆け寄ってくる。どうも回ったのは景色ではなく俺の体の方らしい。

「おい、しっかりしろ!!」

絶壁が人の体を揺すりながら大声でそう言う。

そんなに叫ばなくても聞こえている。

そう言おうとした俺の口からは、代わりに鉄錆び臭い吐息が漏れた。
身体中の肉がグズグズで、そこかしこから血とそれ以外の何かが漏れていくのを感じる。
……限界か、もとから腐った死体の癖に最後まで持つとは上出来じゃないか。
そう思って笑おうとしたが口からは赤黒い塊が漏れるだけだった。

「おいダギィ、返事をしろ!!」

「大……丈夫だ」

辛うじて絞り出した声でそう答え、どうしようもなく重い瞳を閉じた。

「寝るなダギィ!!」

そいつは無理だ。やっと全部終わったんだから少し寝かせろ。

『姐さん!!』

……どこぞの馬鹿の声がする。

「良いところに!! お前たちダギィを二番目まで運ぶぞ!!」

「あぁ~……姐さん、それはちぃとばかし」

「無理……ですわね」

「何でだ!?」

「余りにも数が多いもんで、さっき拾った酒を振り撒いて火を着けましてん」

「あのままじゃじり貧でしたし、何よりアリーたちの骸も荒らされてしまいますもの……だから仕方なかったんですの」

だから瞼の向こうが妙に赤いのか……最後まで喧しい奴らめ。
しかし、退路からはすぐ近くまで炎が迫ってきてる訳か。そして出口は天井の穴程度か……

「リィナ」

「な、なんだ?」

「お前ら……餓鬼連れて、天井から逃げろ」

穴は垂直で登り辛そうだが、子供くらいは担いで出れるだろう。だが大の男となると話しは別だ。何より今の俺の体は担げるのかさえ疑問出しな。

「俺は……棄てていけ」

「……分かった」

ほう、絶壁にしちゃあ聞き分けが良いな。駄々を捏ねるかと思ったが利口じゃないか。

ガラガラと言う音が頭上へと消えていき、熱く赤い何かが瞼の向こうに近付いてくる。

火葬の手間が省けたな。

と笑いながら死にたい所だが、その前に1つ気になる事があった。

その目に映るは夢か現か

「お前、何時まで……居る気だ?」

何時まで待っても体を抱く温もりが消えやがらない。

「言っただろうダギィ、お前が嫌がってもずっと傍に居てやる。例え火の海でもあの世でもな」

こいつ、俺と心中する気か?
俺とお前じゃ残った寿命から待ってる人の数まで何から何まで違うと言うのに、何を考えていやがる。
胸もろくにない女に一緒に死なれても微塵も嬉しくないし、お前は大丈夫だろうが俺が天国行きなんて保証は何処にもないと言うのに……

「馬鹿……が」

言ってやりたい事が沢山あるが口から出たのはそれっきりだった。

「あぁ、馬鹿で良いさ」

体を抱く力が少しだけ強くなった。

情けない、やっと精算が終わったと思ったらとんだ負債が付いて来やがった。
どうにか考えを改めさせたいが、口どころか目すら開かない。
最後の最後まで情けない。

不意に頭上から盛大に何かの崩れる音が響く。

「大丈夫かい?」

「早く、脱出しますよ」

「さっさと乗るのニャ」

知らない誰かの声が響く。
まぁだれでも良い、早くこの馬鹿を連れて行ってくれ。

「貴方がダディですね、良く頑張りましたね」

俺の名前はダギィだ。
そう言いたくて腐りかけた目を微かに開くと……

あの日、どうしようもなく憧れた狩人の姿が其処にあった。

腐った目が造り変えた都合のいい幻覚か、はたまた走馬灯と言う奴か……何れにせよ御迎えが近いらしいな。
まぁ、最後の光景にしちゃあ出来すぎてるがな。

幻覚 天国 奈落で地獄

………………………………

此処は何処だ?
俺は何をしている?

視界は上も下も右も左も解らない程の黒一色。
手足の感覚は一切無く、黒の中に意識だけが存在している様なそんな感覚……

動いているのか動いてないのかも解らないので、此処に至る経緯を思い出して見る。

………………………………

あぁ、だいたい思い出した。
俺はあの糞野郎をどうにか殺して、そのあとぶっ倒れたんだ。

最後に見えたあれが都合の良い幻覚か走馬灯だとすると……俺は死んだ訳か。
まぁ良いか、丁度精算が終わったところだし、最後の声が幻聴じゃなきゃ絶壁の馬鹿も赤い髷の糞餓鬼も死んではいない筈だ。
白い龍の行く末が気にならないでもないが、まぁだれかが何とかするだろう。
元よりあれは俺にどうにか出来る相手じゃなかったしな。

そして俺は今よく解らない暗闇に独り、か。此処は所謂天国か、はたまた地獄か……
まぁどちらでも良いか……
もし地獄だとしたらアドマンの野郎を探し出して、もう一度徹底的にぶちのめしてやろう。
うむ、それはそれで案外楽しそうだな。

もし、万が一、億が一、ここが天国なら……
とりあえずアリー達に絶壁が生きていると伝えてやろう。
そのあとディとバイエ、序でにルルメを探して今までの話をしよう。何、話す事は山ほどあるし、言いたい事も沢山沢山ある。
その後、もしディが許してくれるなら……デートにでも誘うか。

………………………………

我ながら都合の良い妄想だな。どうにも都合の良い妄想を描くのが得意になってしまったようだ。
今の現状を見ろ。
何も有りはしない黒一色の世界だけに意識だけが融けきらずに残っているだけじゃないか。
死後の世界なんざありゃしない。その内最後に残ったこの意識も闇に溶けてお仕舞いさ。

あぁ、どうせ全て幻か何かならせめて彼女の姿を映せよ、俺の意識よ。

そう愚痴ると、不意に黒の中に彼女の……ディの姿が浮かび上がった。

『久しぶり……かな、ラウくん』

なんだ、神様とやらも粋な計らいをしてくれるじゃないか。
これでやっとあの日の約束を……

『ごめんねラウくん、デートはまだ無理みたい』

え、何で?

『だってラウくんは……』

彼女が最後まで言い切る前に、有りもしない足元が崩れた。

なんだよおい、結局俺は地獄逝きってことかよ。

解っちゃいたけど……あんまりじゃないかよ。

相応しい結末を

やっぱり地獄?

地獄に落ち始めて

何秒何分何時間経った?

相変わらず真っ暗な此処は何処だ?

地獄なら地獄でさっさとしてくれ、こんなのもう耐えられない。

「そんなに地獄が御所望なら今すぐに送ってあげましょうか?」

聞き覚えのある声がそんな辛辣な台詞を吐いた途端、今の今まで消え失せていた全身の感覚が戻ってきて、二度と開かないと思っていた瞳がパッチリと開いた。

そして視界には仁王立ちで此方を見下ろすメイド長の姿があった。
なんだ、つまりここは……

「やっぱり地獄か?」

「あぁ、憐れなラウズ・ダギィ、私を目の前にしてそんな台詞を吐くなんて……よっぽど命を粗末にしたいのね、せっかく助かったのに」

メイド長は比較的ガチな殺気を全身から繰り出す。
こんなやり取りも妙に懐かしい……

と言うか、なんだ……つまり俺は……

「俺は生きてるのか?」

「えぇ、もうすぐ死ぬ訳だけど、私の手で」

メイド長は言いながら全開眼の瞳でにっこりと、それだけで人を殺せそうな笑みを飛ばす。
あぁ、これなら地獄の鬼も裸足で逃げ出すな。さよなら現世、今逝くぞ天国か地獄。

「冗談よ、冗談」

諦めきった俺の顔を見てか、線目に戻ったメイドが鼻で笑う。

「そいつは助かる」

正直メイド長に狙われたら全盛期であっても助かる気がしない。

「まぁ助かったかどうかは自分の体を見てから判断するのね」

メイド長はそう言って真っ白な部屋から出ていった。
いま気付いたがここは病室か何かか?

「しかし俺の体がどうしたって……」

そこまで口走って俺は漸く気が付いた。
体の感覚は戻って居たが手足の感覚がさっぱりない事に……
恐る恐る手足に目をやると両足は腿の下からが綺麗さっぱり無くなっていて、両手は酷く真っ黒になりながらも辛うじて残って居たがピクリとも動く気配が無かった。
胴体の感覚は残っていて動きもするがが、腕と似たようなもんか。

……ふむ。

「まぁ良いか、命があるだけで御の字と言う奴だ」

寿命が如何程残っているかは解ったもんじゃないがな。

まぁ良い。
とりあえずもう一眠りするか……

そう思って瞳を閉じた途端、俄に表が騒がしくなった。

誰だ、いったい……いや、こんなに騒がしくて喧しいのはあいつらしか居ないか。

面倒な奴ら

ブルファンゴの群の様な足音が部屋の前で急制動の音に変わった瞬間、病室の扉がウエハースみたいに粉々に吹き飛んで見覚えのある人影が現れた。

「ダ、ダギィ……」

現れた絶壁は生き別れた両親に再開したような面持ちで此方を見た後、

「ダギィ゙イ゙イ゙イ゙イ゙!!!」

涙とか鼻水だとかを撒き散らしながら此方に突っ込んできた。

「グフゥッ」

絶壁が俺に抱き付いた途端、全身から愉快な音が響き渡る。主に肋とか横っ腹とかから……
あれか、こいつらは揃いも揃って俺を黄泉路に送り返したいのか?

「良かった……ダギィ、良かった」

人に抱き付いてワンワンと泣く絶壁……こいつ、こんなキャラだったのか。
……まぁ素直に喜んでくれてる訳だし、悪い気はしないが。

「見せ付けくれるやん」
「結婚式の準備は私達がしますわ」

いつの間にか入ってきた馬鹿夫婦がそんな事を言う。
「お、お前たち、なに言って!!?」

それを聞いた絶壁は急いで取り繕おうとするが……遅すぎるな、足音的にお前ら一緒に来ただろうに。
こんなやり取りを見るのもなんだか懐かしいな……と言うかだな。

「お前ら元気だな」

あれだけ色々なことがあったと言うのに。

「それは元気にもなりますわ」
「ダギィ、君1ヶ月近く寝てたんやで」

「そうなのか?」

「あぁ、そうや」
「それだけ有れば気持ちの整理も付きますわ。それに……」

なんだ、2人してにまにました顔をして……

「姐さんがそんな嬉しそうな顔してたら何も言えませんわ」
「団員なら成仏間違いなしやん」

その……なんだ。

「解ったからその生温い目で此方を見るな」

『それ無理やん(ですわ)』
……馬鹿夫婦が、

「だいたいお前らはコイツが好きな集まりだろうに。良いのか、俺に盗られて?」

「嬉しそうな姐さんの顔も素敵だから問題ないですわ」

「ウェディングドレス姿も見れるし一石二鳥やん。別に皆もいいやんな?」

『意義なーし』

廊下の奥から大量の女ハンターの声が響く……やたら足音が五月蝿いと思ったら猟団全員集合してやがったのか。

「デバガメ猟団め。と言うかリィナ、お前もなんとか言ってやれ」

このままじゃ俺みたいな死に損ないなロクデナシとくっつく事に……

「ダギィ……私の事貰ってくれるのか?」

なんだ、所謂八方塞がり……いや四面楚歌と言う奴か。
もう……なんだ。

「……好きにしろ」

看病と仕事

その……なんだ……
今俺は式場は何処だとかドレスは何色だとか騒ぎ出した猟団の奴らを放置して、車椅子で病室から脱出したところだった。
因に今の俺の肉体はかなり弱体化してるらしく、1人では車椅子を動かす事すら出来ない。

「で、何処に行くんだ? 私が何処でも連れてくしついていくぞ」

だから物凄い笑顔の絶壁が車椅子を押してくれている訳だが……こいつ、本当にこんなキャラだったんだな。
そして俺が好きと……どうにも実感が湧かない、実は俺はまだ黄泉路に居るんじゃなかろうか?

「で、何処に行くんだ?」
まぁそこら辺はあとでゆっくり考えよう。今は色々と聞きたい事もあるし……

「赤マントのところに連れてってくれ」

「よし、任せろ!!」

本当に嬉しそうだな、こいつ。


……そんなこんなで集会所のマスターこと赤マントの部屋に付いた訳だ。

「邪魔するぞ」

「どうぞご自由に」

一言言って部屋に入ると何時も通りの暑苦しい真っ赤なマントを纏った赤マントと一息ついているメイド長の姿が有った。

そう言えばメイド長は俺の看病をしてくれてたんだろうな、寝起きの時に居たし。
例え仕事だろうが1ヶ月も看病してくれた訳だし、礼の1つでも言うべきだな。
「メイド長、寝てる間は色々と世話になったな」

「お気になさらず、看病したのは給仕猫だし、私の仕事は貴方が苦しんだり、暴れたり、化け物になった時に速やかに殺してあげる事だったから礼は言わなくていいわ」

死んだように眠ってたから私は何も仕事が無かったけど、とメイド長が付け足す。
冷静に考えれば、仕事であってもメイド長が裏なしで俺に優しくする事は稀だったな。なんか損した気分だ。

しかし、俺が化け物か……

そう言えば俺はなんで生きてるんだろうか?
あの肉片の進行状態だと1ヶ月も持つ訳がないと思うんだが……良くてメイド長の言うように化け物の仲間入りを果たしているはずだしな。

「なぁ赤マント、なんで俺は生きてるんだ?」

俺が率直な疑問を尋ねると赤マントは何時ものニヘラ顔で口を開く。

「ギルドが色々な薬を処方したから……と言うのも有りますがそれらは後付けですね。一番の要因はちょっと考えれば解ると思いますが?」

そう言われて俺は漸くある事に気が付いた。

「そう言えばあのガキは……ミーユは何処に行ったんだ?」

邪龍の呪いと邪龍の血

辺りを可能な限り見渡してみても、背中に意識を集中させてみてもあの糞ガキが何処にも居やがらない。

「彼女なら親御さんが連れ帰りましたよ、貴方が目を覚ました直後に」

「……は?」

確かにこんな街に子供を独りで生活するには問題が有ると思っていたが……

「随分と急じゃないか」

ずっと疫病神だと思っていたが、急に居なくなるとどう言う反応をしたらいいか解らなくなるじゃねぇか。

「仕方無いですよ、そう言う約束で彼女は貴方を助けたんですから」

ニヘラ顔のまま赤マントがそんな事を言う。
いや待て……あいつが俺を?

「助けたってどう言う意味だ?」

「言葉のままですよ。何故助けれたかと言うと……カノク、説明してください」
「わかりました、旦那様」
赤マントが一言言うとメイド長が一歩前に出た。

「一度しか言わないから、しっかり聞くように」

メイド長は半眼で此方を見ると、だいたい次の様な事を話した。

俺や糞野郎が寄生されていた腐った黒い肉片、通称"邪龍の呪い"。
あれは十数年前に産まれて直ぐの邪龍が死んだ事が原因で現れたらしい。
主に火山周辺で発生したそれは死を撒き散らせずに死んだ邪龍の代わりに、死を振り撒く為に発生したんだとか……それこそ邪龍の呪いの様に。
肉だけになった呪いは新たな宿主を、血を、肉を求めてひっそりと増え続けた。ただ死と不幸を撒き散らす為に。

そんな肉に一番馴染むのは?

言うまでもなく死に絶えた邪龍の血だ。

そんな邪龍の血が何故あの赤髷に流れていたのかと言うと、驚く事に彼奴の父親が件の邪龍を殺し、その肉を喰らったからだとか。
父親の方ではなく娘の方に邪龍の血が受け継がれる辺りなんとも呪いらしいっちゃ呪いらしい。

そしてその赤髷の持つ邪龍の血を一番肉片の進行が酷かった俺の両足に注入し、体が血を得た邪龍の呪いで安定した後、邪龍の呪いごと両足を切断し薬で呪いの進行を抑えこんだらしい。

なるほど、あの腐った肉片にはそんな背景があって、俺の寝てる間にそんな事が有ったのか。

なるほど……

「なんとも……眉唾物だな」

確かに糞野郎もあの餓鬼の血を飲んだ途端姿が豹変したし、前に赤髷から父親が邪龍と戦った云々を聞いた気がするが、余りに話のスケールがだな……

「幾つかはギルドの推測ですが、幾つかは紛れもない事実です。信じる信じないは貴方の勝手ですがね」

肉は血を求め 血は肉を求める

「いや、信じるさ」

信じるに事足りる証拠は無いが、信じない理由がない。それに俺が今生きているのが赤髷のおかげで有ることは変わらんしな。
しかし……

「なぜ俺が目覚めた直後に出ていく必要が?」

「それが彼方の親御さん、そして我々ギルド側の最大限の譲歩だからです。その訳は……カノク、よろしく」

「はい、旦那様」

なんかデジャヴを覚えるやり取りだな。

「じゃしっかり聞くように」

「はいよ」

メイド長の話を纏めると、だいたいこんな話だ。

肉をが血を求める様に、血も肉を求めるらしい。
故に呪いに感染した化け物や強力な龍に遭遇すると、何度か見た龍や獣の様に暴れだすそうだ。
あまり化け物に近付き過ぎない様に両手足に封龍剣から造ったリングを付けて血が抜ける様にしているため、化け物染みた際の戦いの後や最中に倒れるらしい。

まぁそんな諸々の理由があるから殆ど化け物である俺の近くには居れないと言う訳だ。
そして俺の無事を確認するまでが最大限の譲歩だったそうだ。

「まぁそれなら仕方無い……な」

あの餓鬼と殺し合うなんざ御免だし、何より子供は親と一緒に暮らすべきだしな。

「何だ、寂しいのか?」

背後から何故か楽しそうに絶壁が言う。そう言えばお前も居たんだったな。

「寂しくはないが……礼の1つくらいは言いたかったかな」

ずっと疫病神だと思っていたが、あの餓鬼がいなけりゃ今の俺は精算を済ませるどころか生きているかどうかすら怪しいしな。
しかし、何故メイド長と絶壁はニヤニヤした目で此方を見るんだ?

「なんだ、その生温い視線は?」

「いや、ダギィにしちゃいやに素直と思ってさ」

「まるで別人ね」

お前らは俺を何だと思って……まぁ強く否定は出来ないが。

「感謝の気持ちが有るなら其処の窓から手でも振ってあげたらどうですか? まだ見えると思いますよ」

赤マントが指差す先には高く舞い上がる桜色の竜の姿が有った。俺は直感的に、その竜の背にあの餓鬼が居るのだと理解した。

だから俺は手を振った。
気持ちばかりの感謝とさよならの意味を込めて……この距離で向こうから見える訳もないのに、とんだ自己満足だな。
そう思った時、竜の背で太陽光を反射するように何かが光った。

そして何かが、小さくてよく解らない何かが、一直線に此方に飛んでき……

「いてっ」

紙飛行機と無理難題と頼み事

額にコツりとぶつかり足下に落ちた。これは……

「紙飛行機だな?」

俺の代わりにそれを拾った絶壁が言う。
あの距離からこんな物を飛ばしたのか……運がいいのか、奴の腕がいいのか。

「しかし、なんでまた……」

絶壁から紙飛行機を受け取りながらそんな事を呟いていて、折り目の隙間から見える余り綺麗ではない文字に気付いた。

「これは……」

紙飛行機を開くと一生懸命書いたのであろう、短い文章が書かれていた。

………………………………
ダディへ
パパとママがむかえにきたので僕はお家に帰ります

でもまたいつか遊びに来ます
その時はダディの育った街を見てみたいです

今までありがとう
またねダディ
………………………………
「俺はダディじゃなくてダギィだと言うに……またね、か」

何故自分が連れ帰られたのか解っているのかいないのか……解ってないんだろうな、なんせ餓鬼だし。
しかし……

「なかなかに無理難題な頼み事ですね」

何時背後に回ったのか、ニヘラ顔の赤マントが言う。
無理難題と言うのは聞くまでもなく、赤髷が俺の育った街を見たいと書いた事だろうな。
あの街には俺の家どころか思いですら影も形もない。あの廃墟の群は街とすら呼べやしない。
それはあの餓鬼も承知しているはずだ。
なのにこんな事を書いたのは子供の我が儘か、もしくは俺に頑張れと言う事か……この死に損ないに。

「……育った街を、か」

どう頑張っても今の俺には出来やしない。足掻こうにもこのざまじゃ何も……

「浮かない顔をしてる貴方に1つ頼みが有るんですが、良いですか?」

人が珍しくマトモな考えごとをしてると言うのにこの赤マントは……

「なんだ?」

ぞんざいな返事をすると僅かにメイド長に睨まれた気がするが、そんな事はお構い無しに赤マントは話を続ける。

「貴方、この集会所のマスターに成りませんか?」

「……は?」

「いや、私はこう見えて忙しい身でしてね。何よりこう言う人の上に立つとか、目立つ仕事は向いてないんですよね」

「いや、確かにアンタが仕事してるところはロクに見たことが無いが、何でいきなり」

「ちょうど3つの内2つの街の大きな問題は解決しましたし、ちょうど良いと思いまして」

「いや、あと1つなんだから最後までやればいいだろうに……」

「だから最後は貴方に譲ると言っているんですよ」

集会所のマスター

こいつは本気でこんな事を言ってるんだろうか?
そしてそれは俺に対する同情やら親切心からの物なのか、はたまた単純に厄介者や厄介事ばかりのこの街を俺に押し付ける為か……
どう考えても後者だな、こいつの性格的に考えて……まぁ良いだろう。ただの面倒事の押し付けであろうが何だろうが構いはしない。

今の俺には何にも残ってない。

夢も希望も復讐も何もかも……

そんな俺にあの餓鬼はちょうど良い暇潰しを押し付けてくれたんだ。

なら使えるもの、貰えるもの、全て駆使してあの糞餓鬼の願いを叶えてやろうじゃないか。

「その話受けよう、勿論そっちが本気ならだがな」

「えぇ、勿論本気ですよ。それに私は貴方以外に適任者は居ないと思っています」

俺と赤マントは互いに言い合ってニヤリと笑い合う。

絶壁とメイド長

「リィナ」

「ん、何だ?」

「勿論お前にも、お前の猟団にも、手伝って貰うぞ?」

コイツは俺が嫌がっても俺に付き合ってくれるらしいからな。絶対に嫌とは言わせ……

「良いぞ、任せとけ」

愉しげに、絶壁はそう言い放つ。
素直なのは大変良いことだが……肩透かしと言うか、遣り甲斐がないと言うか……

「どうした、変な顔して?」

「いや、お前は本当に良い女だと思ってな」

「なななななに言って、いきなり!?」

この前とは全く違う反応をする絶壁。
あぁ、人前で言われると流石に恥ずかしいのか。もしくは不意に言われると恥ずかしいのか。まぁ1つ面白い事を知ったな。

不意に絶壁の肩をメイド長がポンと叩く。

「はい、これ」

「なに、これ?」

メイド長は何故か絶壁にメイド長とお揃いのメイド服を手渡した。

「メイド長の座を貴女に譲るわ」

「何でさ!?」

「私は旦那様だけのメイドなの」

「カノク、その言い方は語弊があるので止めてください」

一回り以上年下であろうメイド長の言葉に冷や汗を垂らす赤マントだが、メイド長は構わず話しを続ける。
「旦那様がこの街に帰ってこないんじゃ私が此処にいる理由は微塵もないの」

いつの間にか開眼しているメイド長は捲し立てる様に話し続ける。

「だから不在となるメイド長の座を貴女に譲るわ」

「いや、だからって何で俺が……」

「メイド長と集会所のマスターはセットなのよ」

「なにっ!?」

「それに男の人ってこう言う服が好きなのよ?」

そう言ってメイド長が此方を見た。
何故俺に振る。確かにそう言うのは嫌いではないが絶壁が着たところで可哀想な何かが出来上がるだけだろうに。
まぁ……

「嫌いではないな」

こう答えた方が面白そうだからこう答えておくか。

「じゃ、じゃあやろ……」

「決まりね!!」

モニョモニョ言う絶壁に対して間髪入れずにメイド長がそう言い放った。

「じゃあ私は旦那様と話があるから、また後でね」

何故かせかせかと、営業スマイルで俺達を部屋から追い出そうとするメイド長。

「スイマセンね、色々後処理が有りまして……それらが片付いたら正式に仕事の引き継ぎをしますので」

赤マントのそんな台詞と共に、部屋の扉がパタンと閉じられた。

外壁の上で

部屋を追い出された俺は病室に戻るのも色んな意味で面倒なので、絶壁に頼んで街の外壁の上へと移動した。

「流石に車椅子つきの、大の男を此処まで運ぶのは疲れるな」

何時もの口調で絶壁がシレッとそんな事を言う。
……元気溌剌なくせしてどの口がそんな事を言うのか。何時も背負ってる大剣と対して変わらんだろうに。
まぁ一先ず、一休みしている絶壁は置いておいて……俺はここ二、三ヶ月の事を二番目の、そして一番目の方を見て思い返していた。

何時もの様に馬鹿どもから金を巻き上げようとしていたらあの赤い髷の餓鬼が降ってきて……

色々と面倒な仕事を赤髷とセットで押し付けられて……

例年の行事である防衛戦に紛れ込んだ黒い化け物と死闘を繰り広げ……

人の生活痕があると聞き、嬉々として二番目の街に乗り込み……

バイエの仇である轟竜を打ち倒し……

アドマンの糞野郎と遭遇し……

ルルメの犠牲と引き換えに二番目の街を奪還し……

邪龍の呪いに犯され尽くした彼女を、この手で殺して……

個人的な復讐の為だけに乗り込んだ一番目の街でアリー達が死んで……

白い龍と糞野郎に半殺しにされて……

この身を化け物に堕とし、彼女のお守りとルルメの残してくれた切り札の力でどうにか糞野郎に止めを刺した。

そして死に損なったまま1ヶ月眠り続けて……

今日やっと目を覚ました。そうやって体の自由と両足を無くした代わりに、何故か絶壁が俺の後ろに立っている。

こうやって思い返すと……酷く無様で、呆れるほど情けなくて、どうしようもなく無力で、密度の濃い、長い長い時間だった。
今思い返してもまるで自分とは思えない、まるで夢でも見ていた気分だ。
夢だったのは、あるいは彼女を助け損なって妄想にすがっていた数年の方か。

告白

そして此れからどうするか?

そんな事は決まっている。
折角都合の良い役を貰えるんだ。徹底的にやる他ないだろう。
まずは奪還した二番目を復興し、色々と基盤を整えよう。
そして故郷を取り戻す序でに赤髷の願い事も叶えてやろう。

ハンターが出来なくなれば隠居するしかないと思っていたが、なかなかどうして愉しそうな隠居生活じゃないか。

あとどれほど生きていられるかは解らないが、全て成し遂げてみせる。
そしてその為には色々と協力してくれる人間が必要だ。
ショーンには悪いが二番目の街に移って頑張って貰うとして……もう1人、協力してもらわないとな。

「なぁ、リィナ」

「なんだ?」

「俺はマスターの座を貰いしだい、最果ての3つの街全てを取り戻して造り直す。勿論お前にも手伝ってもらうつもりだ」

「あぁ任せとけ」

先程と変わらず、何とも歯切れのいい返事をくれる絶壁。それは大変嬉しい事だが……1つ確認しておく事がある。

「お前は……俺が好きなのか?」

「お、おぉう。と、と言うか、面と向かってそんな事聞くな!!」

コイツのこう言う反応はなかなか面白いな。
さて、この事を確認しても絶壁は俺に付いてきてくれるのか……しかし、この事を誤魔化して手伝ってもらう訳にはいかない。
それはコイツにも、彼女に対しても失礼だし、俺はそんな器用な生き方は出来ないし、したくもない。

「お前に1つだけ言っておく事がある」

「なななな何だ!?」

赤面しているところ悪いが、お前の想像しているような話ではない。

「俺が一番好きなのは……愛しているのはテディ・ディただ1人だ。お前の事は嫌いじゃないが、正直自分自身でもお前に対する感情がよくわからない」

絶壁は俺の話を聞いて、形容し難い表情になる。
都合の良い事を言っているのは解っているが、それでもこれだけはちゃんと伝えた上で、絶壁の、リィナの答えを聞く必要がある。

「都合の良い事を言っているのは解ってる。解ってるが……俺に協力してくれないか?」

奇襲

彼が無言で頭を下げる。

この街に来てから今まで、彼がここまで真剣に頭を下げるのは二番目に乗り込むと決まった日以来……
あの日はまだ仕方ない。だってあの頃はまだ私の気持ちを、想いを彼に伝えてなかったから。

だから一番目で私は私の想いを伝えた。伝えたつもりだった。
でも彼はまた頭を下げてる。あの日みたいに……

だから私は悔しくて悔しくて堪らない。
彼が死んだ彼女の事が好きなのは言われなくても解ってる。
私の気持ちがさっぱり伝わっていなかった事が
私の想いをちっとも伝えきれていなかった事が
悔しくて悔しくて堪らない。

だから、だから彼に理解させてやろう。

私の気持ちを

私の想いを

彼の隣に居れる時間はまだまだ腐る程ある。

だから、だからこれは宣戦布告と言う奴だ。

「おいダギィ、頭あげろ」

ゆっくりと上がる彼の頭を無理矢理掴んで面と向きあう。

「目ぇ瞑れ、歯ぁ食い縛れ!!」

私が怒鳴ると彼が諦めた様に目を瞑った。だから一気に彼の顔を引き寄せた。



トラトラトラ

我 奇襲ニ 成功シセリ



やった、やった、やってやったよこの私が!?

「良いかダギィよく聞け!! お前の一番になるのは諦めてやる!! だけどな、二番以降は全部俺で埋め尽くしてやる!!」

恥ずかしくて頭が回らない、自分でも何を言ってるのかよく解らない。
でも、これだけはちゃんと言わなきゃ、何時まで経っても彼は私の気持ちを理解してくれない。

「俺はお前が好きだ!! だからお前が何を言おうが最後まで付きまとってやる!! 次こんなふざけた事を言ったら、もう一度俺にこんな事を言わせたら、絶対に許さないからな!!」

青臭い夢を

目の前で耳まで真っ赤になった絶壁が、此方を指差しながら仁王立ちで硬直している。
時折小刻みに震えるが、動く気配を見せない絶壁を他所に、今しがた何が起こったのかを思い返していた。
いた訳だが……男の俺が言えた事ではないが、ムードもへったくれもない告白だな。
でもって俺の前でにっちもさっちも行かずにプルプルと震えながら固まっている。
その姿が……どうにも可笑しくて堪らない。

「わ、笑うな!?」

「いや、フハッ、悪いわる……ク、フフハハハハ!!!」

絶壁が怒鳴るが、やや瞳が潤んでいる。それが更に可笑しくさを増加させるが……落ち着け。
今は真面目な話をしているんだ。だから落ち着け、俺。クッ、そんな捨て犬みたいな顔で此方を見るな。

落ち着け、傷に響く、深呼吸だ……深呼吸。

「いや、全くお前には恐れ入ったよ。流石の俺も御手上げだ」

「お、お前なぁ!!」

「だからお前がどうしようが俺は何も言わない。だからお前は俺が死ぬまで付き合え。少なくとも俺が死ぬまでは隣にいて貰うからな」

我ながら、何とも言い難い台詞を吐いたものだが、目の前の女はその台詞を聞いてニヤリと挑発的な笑みを浮かべやがった。

「当然だ。死ぬ前に後悔しても遅いからな?」

「それは此方の台詞だ」

互いに笑い合い、二番目と一番目の方向を見る。

「お前の目標は?」

不意に絶壁がそう尋ねて来たから、間髪入れずにこう返してやった。

「3つの街の復興、そして街に住む全ての人の命と幸せを守る事だ」

自分でも忘れかけていた、青臭くて仕方ない夢を高らかに言い放つ。

「全て、余すこと無く実現してやろう。俺とお前でな!!」

何とも頼もしいご返事だことで……

「よろしく頼むぞ、リィナ」

「任せろ、ダギィ」

仮面の道化は彼に相応しい結末を語る(幕引き)

此にて最果ての3つの街を巡る1人の男の話は幕引きと相成ります。
しかし、勿論ですが彼の戦いはこれで終わったのではなく、此処から始まるのです。
行方知れずとなった恋人の死やその復讐は彼が長い長い夢から覚め、新たな夢を目指すための必要な儀式の様な物だったのです。
儀式と言いましても、そのどれを取っても彼にとって、彼の持つ全てを掛けた一世一代の大勝負でありました。
しかし、そのどれもが、彼にとって相応しい結末とはなりえないのです。
夢は誰かに縛られながらに見るのではなく、自分の目で見て、その手で掴む物でありますから……

かくして、ラウズ・ダギィはその両足と体の自由を失ってなお戦い続ける事でしょう。彼の夢を掴む為に……

その行く先には様々な苦難が待ち受けているでしょうし、彼の闘いは、彼の話はまだまだ続く事でしょう。

しかし、それら全てを語る必要はございません。

今の彼は素直に頭を下げ、素直に笑い、素直に人に頼る事が出来るのです。
例え如何様な障害が待ち受けていようと彼と彼の周りの人々なら乗り越える事が出来るでしょう。

ですので、この話はこれでお仕舞いでございます。

男は何時の日か夢を掴む事でしょう。そしてその身が朽果てるその日まで、夢と人々の命と幸せを守る為、闘い続けることでしょう。

なんとも彼に相応しい結末では御座いませんか。

めでたし、めでたし。
で占めるのでは面白く御座いませんので、この言葉で幕引きといたしましょう。

また何時の日か

彼の夢が叶ったその時にでもお会いしましょう。

後書きの前書き

皆様オハコンコンバンチワ~
そしてグーテンターク(゚д゚#)

へたれ作者です

軽く一年をオーバーしたこの作品もどうにか完結となりました
いやぁ…長かった

色々と言いたい事が有るのですが後書きは最後としまして
この後は凄く微妙でどうでもいい名前のネタなんかを書かせて頂きます

気が向いたら見てね(^^;

ネタ話のコーナー

見てる人が居るかどうか知らないけど断固決行!!
ネタ話のコーナ~

ヒャッホーイヾ(゚д゚ノシ)

此処では本編のキャラの名前の由縁なんかを勝手に垂れ流したいと思います
良かったら見てね!!

では早速……

本編主人公;ラウズ・ダギィ

三十路手前の本編主人公
主人公らしさや主人公補正やらは二番目から逃げるさいにだいたい失ってます
毎回主人公の名前は響きで適当に付けていまして、彼も適当に命名
もともとミーユを出すつもりだったので彼女のキャラ的に彼の渾名はダディとなりました。
夢を求めて、挫折して、打ち砕かれて、それでも最後には夢を掴む為に戦う事を決意しました。
幸せになれば良いよ!!

続いて二人目

男装少女な赤いチョン髷;ミーユ・ロッタ

ポジションはヒロインではなく、ウジウジする主人公や、なかなか本音を言えない大人達の変わりに主人公の背中を蹴り飛ばして前に進ませる役
ダギィが無くした真っ直ぐさやら分かりやすい善人さなんかを幼い少女に詰め込んだ様な存在
ダギィにとって疫病神であり、痛い所を突いたり、巻き込んだりする色んな意味での爆弾
一作目の主人公とヒロインの娘。一応言うとダギィが憧れたハンターの孫。
祖母の戦った街を見るために三番目に来たと言う設定が……
男女なので、Zガンダムの主人公カミーユから名前を拝借
故にミーユ・ロッタ
男装なのは親の意向と本人の趣味
とりあえず白い龍を探したりするんじゃないかな

続いて人外

黄猫君;ジュウベェ

ミーユの保護者代理の獣人族であり腕の立つハンター……猫のくせに
頑張って語尾のニャを廃し、侍みたいな言葉で喋るがたまに地が出る。
一作目の性悪猫姉弟の姪っ子
ムサシ、コジロウと来たので名前がジュウベェに
きっと今後もミーユのお世話をやくのでしょう

ネタ話のコーナー(猟団編)

まだまだ続くよネタ話のコーナー

 フォォ(´д`*)ォォオ!!

続いては猟団の方々~

胸の無いヒロイン;リィナ・シュウ

一応本編のヒロイン。それらしき出番は少ないし、胸は絶壁だけども、誰が何と言おうとヒロイン。
おめでとう、ダギィは死ぬまで君の物だ。死んでからは盗られると思うが……

主に年上の女ばっかり(一名除く)の猟団の団長に勝手になってしまうほど男前な性格
アリー姉妹がそんなリィナの男前さに惚れて団員になった話も考えてたりしましたが、結局語らず終い…
更ですが武器は角王剣だったり

今回一人称での小説だったので彼女視点の話は凄く書きづらかったり。まぁ自業自得ですが

名前が可愛らしくリィナなのは一種の洒落です。名字がシュウな理由は後程

続いて団員達

猟団の初期メンバー;リケ・ベスターとルォヴ・ベスター

リィナと同じ村出身の幼なじみ。リィナについて村から旅立ちました。
同じ趣味を持ってる人同士が結婚したり知るもんですがこの2人はこれで良いのだろうか?(笑)
リケがやんわり関西弁。人が良くダギィともフレンドリーに接するが、だいたい貧乏籤を引く
ルォヴは語尾がですわなお嬢様口調。姐さんと夫に対する愛は別腹だとかなんとか
今後もメイド服の姐さんのために団員の筆頭として奮闘するんじゃないかな。

名前の由縁は英語のlikeとloveから
名字のベスターはリィナの名字、シュウと合わせると
シュベスターに
因みにドイツ語で姉妹
つまりコイツラの名前は姉好きと姉大好き……


よし次にいきませう

続いても団員の面子

名前が死亡フラグ;ディーチ・アリーとベル・アリー

姐さん大好き猟団の団員
散弾ブッパ姉妹
オンラインなら確実に友達に嫌われる装備だが、姐さんと狩りに出て一目惚れすると言うエピソードが……
まぁボツですが

名前が死亡フラグと言うのは2人の名前の由縁がイタリア語のサヨウナラを並び替えたから
アリアリアリ!!
と言う訳です
少々無理が有りますが

本編ではフラグ通り死亡してしまいましたが、天国でテディと一緒にダギィ達を見てニヤニヤしてるんじゃないかな

ネタ話のコーナー(街の住人編)

二日目突入ネタ話のコーナー

ヒャッハー(゚∀゚)!!


続いては街の住人達

では1人目

変態紳士;ルルメ・ジェント

頭脳明晰、若くして武器工房の店主に成るほどの腕と人望を持つ
と言うプラスステータスをぶっ潰して余りある変態
中性的美形にして性別不祥のショタコン、逆光源氏
散り様は味方に希望を託し、敵を道連れに爆死と言う私の理想とする脇役的に至高の死に方
しかし、ラスボスは其処にいないのさ…

名前の由縁は変態と言う名の紳士と言う事でジェントルメンから
本編では一番悔いなく死んだんじゃないかな
バイエ達と天国をエンジョイすればいいさ


続いて二人目

本編最年少;ショーン

舌足らずな絵に描いた様な美少年
そちらの趣味の人間ならテイクアウト必死
所謂孤児だけどもルルメに面倒を見て貰えて結構不自由なく幸せな日々だったはず
前と後ろの貞操が無事かは保証しかねるが……
名前の由来は何かしらの映画のキャラの名前から
最後に「ショーン!!」だか叫ぶ映画

師匠の遺産でもある二番目の街の復興に尽力するんじゃないかな


続いて3人目

似非東方人;アイン・リー

昔のアニメやら漫画で出てくる絵に描いた様なインチキ中国人な格好をした楽器屋兼情報屋
つまる所、物語を円滑に進める為の便利キャラ
因みにアイン・リーは偽名であり正体は二作目の道化師、イチ・サン
二作目で妹を守る為とは言え色々ヤバい事をしたので三番目の街でコッソリ生活中
楽器屋はさっぱりだが情報を酷く足下を見た価格で売るので結構潤ってたり

名前の由来はイチ・サンのイチをドイツ語のアインにサンを英語のスリーから
故にアイン・リー

今後もダギィの助けになったり金をふんだくったりするんじゃないかな

ネタ話のコーナー(集会所編)

レッツ3日目 ネタ話のコーナー!!

ダバダバゞ(・∀・)ノシ ダバダバ

本日は集会所の面々行ってみましょ~

では1人目

赤マント;アルム・ウィソウト

影の薄い集会所のマスター
だいたいの仕事はメイド長まかせなのでマスターとしての存在価値は皆無だったり
実際はの仕事は三番目に大量に存在する犯罪者を定期的に駆除することだけどもそれは別のお話
何気に一作目から全作出演
もとキール・レッドでマルク・ルマ
現在の名前の由来は片腕が義手なので腕(アルム)無し(ウィソウト)と言う洒落

面倒事はダギィに丸投げしてまたブラブラ犯罪者狩りにせいをだすんじゃないかな

続いて2人目

天下無双なメイド長;カノク・ゴールド

集会所のメイド長、ダギィとは以外と長い付き合い
なのでどうすればダギィが食い付くかをよく理解している
だけども腐った様に生きる彼が死ぬほど嫌いだったり
テディの一件で負い目を感じているのでどうにか昔のダギィに戻ってもらう為にミーユを彼に押し付ける

アインと同じく話を円滑に進めるための便利キャラ
所謂バランスブレイカー

二作目からの出演で相変わらずアルムラブ
呼び名もご主人様から旦那様へランクアップ

名付け親はアルムであり殴られた腹いせに
カノク・ゴールドと命名
カノクは英語の殴るノックより
ゴールドは金髪だから

今後はアルムに付いていきつつ貞操を狙ったりするんじゃないかな


そして残り物

名前付きモブ;ライとブロー

冷静そうな方がライ、騒がしい方がブロー
気の良いオッサンのように見えるが実際は自分の為なら容易く他人を囮にするゲスだったり
あまり強くない割りに生きていられたのはそう言う理由
味方に居ると一番厄介なタイプ
元からサックリ死んでもらう為にだしたのであんな最後に

名前は果物のライチと葡萄から
2人の見た目もそんな感じ

正直天国に行けるほど綺麗な身じゃないのよな…

ネタ話のコーナー(過去話編)

3日目後半戦 ネタ話のコーナー!!

ダデカミデルンディスカ(0w0;)!!

最後は過去話の方々


ではでは1人目

真のヒロイン;テディ・ディ

母性が強い上に所謂絶世の美女
そして綺麗な薔薇には(ry
な女性
狩人として有能過ぎる故に男から距離を置かれてたり
ダギィの事は当初はイカサマブラックジャックの乗りで弟の様に感じていたが後半は惚れてるよね
腕に自信があったが故に囮を引き受け、イレギュラーにボコられアドマンに捕獲されあんな姿に
最後にダギィに会えたのが唯一の救いですかね…

名前の由来は死ぬ事が確定だったので
死人を英語で言うとザ・デッド
そのスペルを適当にローマ字読み

因みに過去話の面子はだいたいこんな感じで名前でフラグがたってます

天国でダギィを眺めてニヤニヤヤキモキしながらまた再会することを待ってるんじゃないかな

続けて2人目

童顔ガンサー;バイエ・ゴード

後輩っぽい敬語を操る旧変態工房の一員
雇い主が変態とは思えない程の真人間
しかしルルメラブ
と言うかあの工房の人間はそう言う集まりだったり…猟団と大差ないな
ダギィと共に戦いダギィと同じ師を仰ぎダギィとともに成長する
素晴らしき相棒型人間であるが故に人を守る為に散る
見た目だけでなく中身も男前
しかし君に補正はないのだ…

名前の由来は英語のサヨウナラ
グッド・バイのスペルを適当にローマ字読み
アリー達同様名前が死亡フラグ
どう考えもグッドなサヨウナラじゃないし

天国でルルメ達とニヤニヤ現世を眺めるんじゃないかな


コイツでラスト!!

狂人で小悪党でラスボス;アドマン・ビー

出現当初は中途介入の仲間かと思いきや一作目からのジンクス
青髪は裏切るの法則からラスボスへクラスチェンジ
誰にも理解されない夢の為に街2つを滅ぼしたり人体実験したりするが本人は結構な小物
ミラルーツの卵に魅了されたせいか人間全般を見下す傾向あり
もう一歩で完全体だったが……世界に悪は栄えんのだよ

名前の所以は悪人の英語バッドマンをbで区切って適当にローマ字読み(adman・b)
地獄でミラに虐められんじゃないかな


さて、これで名前付きは全員言えたかな?
名前のネタに気付いてた人が居るのかが気になります

ではまた後書きで

後書き的な物

皆様オハコンバンチワ~
そしてグーテンモルゲン

へたれ作者です

就職と言う現実の荒波に呑まれ一時中断していたこのお話でしたがどうにか完結する事が出来ました

コロコロ口調が変わるキャラクター
でばるオリジナル設定
説明・捕捉が大半の終盤…
上の問題点は私の腕が有ればどうにかなるし、どうにかするべきなんですが…
三年以上書いててさっぱり進歩が無いのが悲しいところです(-"-;)

それでも最後まで書けたのは毎日少しでも誰かが読んでくれた形跡があったからこそです

最後まで読んでくれた方
心よりありがとうと言わせていただきたい
少しでも
ドキドキしたり
驚いたり
笑ったり
していただけたなら幸いであります

拙い後書きですがこれで終いとします

私は妄想好きで懲りない人間なのでまたすぐに新しい話を書くかと思います

その時はまた付き合って頂けると幸いです

まぁ一人称はもう止めときますかな(笑)

ではまた何時の日か

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最終更新:2013年02月28日 13:01
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