~PROLOGUE~
夜が彼を呼ぶのか、それとも罪を犯した者達が引き寄せるのか…彼は闇夜の中から現れては狙いを定めた相手の首を跳ね飛ばす…
裏の世界では知らぬ者は誰もいない…黒い布に身を包み、巨大な鎌を肩に担いだ黒髪に金色の瞳をしたギルドの殺し屋の伝説を……
そして畏怖の念を込めて人々は彼をいつしかこう呼んだ…
ギルドの死神ヘル・バンガードと…
世の中に必ずとも言える程に悪業を働くものがいる…。ハンターの世界でも偽りの報告で金を稼ぐ者や対飛竜用武器の殺傷力の高さを利用しての殺人などをする悪人達が暗躍して様々な事件を引き起こしている…。
これらを鎮圧するためにギルドが打った対抗策…それは人を超えた力を持った殺し屋と呼ばれる者達を集めた組織を造り、犯罪を犯す者を片っ端から粛正してしまう…という内容だった…。
その中で一際目立ち、組織最強と呼ばれる一人の殺し屋がいた…
その殺し屋の強さは凄まじく、犯罪組織を一夜で壊滅させる程の力で関わる者全てを恐怖のどん底に突き落とした…
しかし、そんな彼にも死の瞬間が訪れる…彼は組織に反発し、離反したのだ…組織は彼を追い詰め処刑した…そうして彼の伝説は幕を閉じた…はずだった
だが、それは偽りに過ぎない…実際は組織から離反した彼を始末する為に借り出された者達では全く相手にならず手に負えなかった…
そこで彼の身代わりを作り、処刑をした事にして彼を死んだ事にした…
つまり、本物は生きている…
組織は彼の処刑を執行した後も追っていたそうだが、所詮は無駄な事…彼程の暗殺者に敵う者などそう居る訳がないせいぜい殺されるかうまく逃げられるのがオチだった…
組織を裏切って逃走してから一年の歳月が経つ頃には彼の行方を知る者はいなくなっていた…
そして、彼は新たな自分を捜し始める…暗殺者として生きて来た自分をそっと心に仕舞い込んで…
第一章 HELL VANGUARD
ここはとある船の中…波に揺れている船内で窓から外を眺めている黒いコートが似合う青年がいた…彼は青い海を見ながら何かを考えているようだ
その金色の瞳に映る青い海の色が何故か彼の悲しみを写しているような感じがする
「俺は…沢山の人達を殺して来た。それは許されない。例えそれが犯罪者相手でも…」
彼は今まで沢山の犯罪者を殺し来た事を悔んでいるのだろう…。“人が人を殺す”それは犯罪だ。だが、それを認めて犯罪者を殺す事を許されている組織がある…
人々はそれをギルドの裏組織、“ギルドナイト”がやっている事だと思っている事が多いが実際はそうではない…それ以上の力を持った組織なのだ
何故その組織が犯罪者を殺す事を許されているか…それは王国が造り上げた殺人組織だからだ。ギルドナイト所詮はギルドの中の組織、むやみやたらに犯罪者だからと言って殺す事は出来ない
そして、必ず王国の者に許可を取らないと処刑さえ出来ない…それは効率がいいとは言えず、ギルドナイトは確かに強者揃いだが、様々な責務があり犯罪者確保のためだけには動けない事がある
そんな不甲斐ないギルドナイトに王国はギルドの裏組織とは別に王国公認の殺人専門組織を造り、犯罪を抑圧している
その結果、犯罪は組織結成される前より格段に減っている。それは紛れもなく組織の力によるもの…しかし、犯罪者を粛正する為には手段を選ばず、その残忍過ぎるやり方に王国の幹部達の間で波紋を呼んでいるらしい…
「そこしか居場所がなかった…。ただそれだけの理由…か…。」
居場所がないから人を殺す…そんな理由が人殺しの理由になるのか、それは普通に暮らして来た人の言葉だ
普通に暮らしている人ならまず、人殺しには関わる事ない…。しかし、生まれた場所の環境、周囲の人達、出会い等何らかの影響が人を殺しの道に誘う場合がある。彼の場合もそうだ
「でも、過去に捕われていたら未来を失ってしまう…。俺は…新しい生き方を捜す…だけど、俺の道なんて誰かの命を奪う事以外ない。それが人間からモンスターに変わるだけ…」
彼は何かを殺す事から逃げられない…それが彼の宿命なのかも知れない
「……とやかく考えても仕方がない…。とにかく、今は前を見て進んで行くしかない」
彼はそう言っているがまだ吹っ切れてはいないようだ。だが、それでいいのかも知れない…。悩んで悩み抜いて出した答えにこそ意味があるのだから…
それからしばらくして窓から大陸が見えて来た。その大陸はとても大きく力強い感じを受ける…王国にはない自然、そして見る者に希望と勇気を与えるようなものを感じた
「仕事でしか来る機会がなかったから昔は気をつけてなかったが、やっぱり王国よりずっといい場所だな」
彼の乗った船の行き先…それは王国より離れし大陸の“シュレイド地方”という場所だ。そこは西シュレイドと東シュレイドに別れており、旧シュレイド城と呼ばれる場所をお互いの境界線と定め、不可侵条約を結んでいる
「俺の新しい故郷になる場所…それがこのシュレイド地方か…やっぱり、俺の部類も“モンスターハンター”になるんだろうな…」
モンスターハンター…それはシュレイド地方では当たり前に聞くモンスターを狩る狩人の事なのだが、王国ではその存在は確認されていないのだ
王国では
モンスターが出現しない…つまり王国を離れた場所でなければモンスターが現れる事がなく、“モンスターハンター”という職業が存在する意味がないのだ…
その為、王国ではモンスターハンターという職業が神話や伝説になっている。それは詩人が歌にするほどで、モンスターハンターを題材にした歌や民謡等ハンターを讃える物がいくつも存在している
「殺人鬼からハンターへ…それでいいのだろうか。でも俺はこの力を捨て置きたくはない…」
彼にとってシュレイド地方は何をもたらすのだろうか…また、昔のような敵である者を打ち倒すだけの戦いになるのか…それとも…。今はわからずとも彼は信じている…自分がただの殺人鬼ではない事を
そうしている内に船が港に上陸し、船から橋が降りる
「皆さん、到着いたしました!順番にこの橋からお降り下さい」
船員が乗客達を案内し始めた。彼もその指示に従い、船から降りる為に甲板へ移動する。甲板に上がった彼が見たもの…それは以外なものだった
やっと着いたな。ここが西シュレイドの“城塞都市”か…噂以上に立派だな」
彼は驚きながら街を眺めている。どうやら自分が想像していたシュレイド地方の街とは余りにも掛け離れていたようだ…
それもそのはず、ここは西シュレイド最大の都市“ヴェルド”という街だからだ
城塞都市という別名が着く程この街は城壁に覆われおり、城壁には大砲等が取り付けられていてモンスターに対する設備にも抜かりがない。だが、そんなこの街にも悪い噂がある…それは経済力のある者しか住めず、経済力の乏しい者は街に住む事も出来ないらしい…だからこの街には金持ちしかいないだというのだが、周りの人々を見ると頷ける
しかし、それらの金持ちに目を付けて金稼ぎ目当ての窃盗や強奪が相次いでいる。それを危惧してギルドは“対抗策”を設けているとか…
「金持ちを狙い、窃盗を行う者達を粛正する為に組織も少ないからず動いているはず…この街には長居は出来ない…」
そういうと彼は足速に港から出てすぐにあった道具屋に入っていった。どうやら、回復アイテムや砥石等の補助アイテムを揃えているようだ
「お客さん、随分沢山買って行くですね。飛竜でも狩りに行くんですか?」
彼と同い年くらいだろうか…笑顔が似合う店員が彼に話し掛けて来た。珍しいのだろう…自分と同い年くらいの彼が大量にアイテムを買い込むという事が
普通彼くらいの客ならたいていは回復アイテムや砥石を揃えるとはいえ、金の問題上、大量には買わない事が多い。それなのにこの青年は回復アイテムや砥石等のアイテムの他に携帯食料や調理道具等も買っている事から飛竜クラスを討伐出来て、ある低度の資金を持つのだろう考えるのが打倒なのだが…
それでもこのまだ若い青年がとても飛竜を討伐出来る程のハンターだとは思えないのだ…確かにまだ若い青年が飛竜を討伐して来たという話しを聞く事は多々あるが、大半の若いハンターは飛竜に挑み負けるか逃げ帰ってくるのが普通…それを考えると店員が笑顔を振り撒きながらも不思議に思い聞いてみるのは当然の事だ…
「いいえ、討伐ではなく旅の準備をしているんです」
笑いながら話し掛けて来た店員に青年は明るく対応しながら買った物をバックに整理しながら詰め込んでいる
「旅ですか~なにか目的でもあるんですか?」
「そうですね……強いて言うなら“自分捜しの旅”でしょうかね」
「自分捜しの旅…ですか…?」
戸惑いながら店員は青年に聞き返した。そんな店員にバックにアイテムを入れ終わった青年が顔を上げ、やっぱりわかる訳ないか…と言わんばかりの顔をしながら店員に返答する
「自分を捜すと言うのは自分の新たな可能性を捜す事…つまり自分に合っていることを捜しているんです」
そう語る青年にやはりイマイチ言葉の意味をわかっていない店員はさらに不思議そうな顔をして、青年を見つめているその眼差しはまるで変な人を見ているようなそんな目をしている
「はは…困らせてすみません…では、買える物は買ったので私はこれで失礼しますね」
店員を困惑させて事に苦笑いをしながら店を出ていく青年にありがとうございましたと頭を下げた店員は青年を不思議に思いながらも次の客の会計に集中した
店を出た青年は街の風景にあまり目を向ける事もなく歩き続け、街の出口の前まで来ていた。そんな時、ため息を付きながら悩んでいる女性が目に入って来た
出会い
「ギルドに頼んでも、誰も付き添ってくれるハンターさんはいない…おまけに目的地を話しただけで笑われてしまう。はぁ…このままではあの場所を調べる事が…」
途方に暮れている女性に青年は関わらないようにしようと目線を合わせず素通りした。が、次の言葉を聞いた瞬間、青年の表情が変わった
「シュレイド城…誰も足を踏み入れない未開の土地を調べるのには…」
「シュレイド城!まさか、あの“魔界の入口”と言われる禁断の場所か……」
驚いたような声を出しながら振り返る青年に女性はこの人も私を馬鹿にしているのか…という感情を持ったのだろうか。がっかりしたような顔をしながら青年に言った
「はい、私はあなたが魔界の入口と言った場所、シュレイド城に行きたいんです…」
それを聞いた青年はやはり他の人達同様に呆れた…しかし、成り行きとは言え自分から話すきっかけ作ってしまったので、何故そこに行きたいのか理由だけでも聞いてみる事にした
「何か理由でもあるんですか?」
理由を聞かれて戸惑いながらもやはり話さないと申し訳ないと思ったのだろう。彼女はゆっくりと口を開いた
「そんなに隠す理由でもないのですが、私は王国専属の歴史学者なんです」
歴史学者…それは古代の文献を調べて古代語を解読したり、古代に生きて来た人々が何をしていたのかを調べたりと様々な内容がある。しかも、彼女は“王国専属”の歴史学者だと言った。つまり、彼女は歴史学者の中でもトップクラスの学者なのだ
王国専属などなりたくてもなれない事が多い…いや、なれない人がほとんどだ…。
だが、そんな彼女に彼は少なからず、緊張を覚えた。何故ならば彼は簡単に言うと“王国の裏切り者”だからだ。王国の人間である彼女がいるという事は他にも仲間がいるかも知れない…もし、その彼女の仲間達に自分の事が知られていたら…ただでは済まない…
そして、彼は彼女対して慎重になりながら、自分の今の状況を把握するために口を開く…
「あなたは一人でこの街に来たんですか?」
彼はまず、彼女に他の仲間がいるか確かめる為に一人でいるのかと尋ねる…その答えで彼の対応が決まってくる。もし、仲間がいないのなら話しを続け、もしいるのなら適当な理由を付けその場を後にしなければ後々、厄介な事になる…それだけは避けなければならない
「私は一人ですよ。今は休暇を貰っているので単独でシュレイド城に行きたいと思い…それで…」
彼女は嘘を着いているような顔をしていない…つまり、彼女の話しは真実だろう…それを聞いた彼は内心ホッとした。仲間がおらず、自分の事を知らないのなら少しくらい話しをしても大丈夫だろうと思ったのか彼はさっきの話しの続きを聞く事にした
「一人で“あんな場所”に行こうだなんて…よほどの理由でも?」
「あの場所、シュレイド城にはまだ説き明かされていない謎がいくつもあります…私はその謎に迫りたいのです」
彼は彼女の話しを聞いて“学者という生き物”について思い出していた
ほとんどの学者は自分の好奇心を満たす為に色々な文献を見て知識を付ける事に没頭している。そして、文献だけで飽き足りなくなったら、遺跡に自ら赴き危険を顧みずに行動する衝動的な部分が見受けられる者が多い…その為一般の人々から嫌がられる事が多い
もしかしたら、シュレイド城という場所も場所だが、学者という職業柄のせいで彼女は誰にも相手にされないのかも知れない…
そんなひたむきにシュレイド城に行きたがる彼女に彼は“一人の男の姿”を重ね合わせた…その男は彼の親友で組織から逃走する彼の世話し、彼の手助けをしてくれた人だ…そんな友人も学者であり、常に人々の為に尽くしている…自己の探求心を求む事より人々にさらなる豊かさを与える為に人生を費やしている友人に彼は彼女にその面影らしきものを感じた
まさかとは思ったが、その友人には一つ違いの妹がいると聞いていた彼は覚悟を決めて聞いてみる事にした
「あなたは…アーサー、アーサー・ブラウスをご存知ですか?」
アーサー・ブラウス…その名を発した彼に彼女は驚いたような顔で彼の顔を見た。そして、こう言った
「ア…アーサー・ブラウスは……私の兄です…どうしてその名を?」
その言葉を聞いた彼は自分が聞いた質問の答えを聞いてかなりの衝撃を覚えた…親友の妹…それも自分を助けてくれた感謝しても仕切れない程の親友の妹…そんな人が目の前にいる。その時の彼はただ驚くしかなかった
「まさか、あなたはアーサー、兄のお知り合いのお方なのですか?」
話し難いだろうが、今度は彼の番だ…さっき彼女が自分が学者だと見知らぬ自分に打ち明けた…それは嫌われる事を覚悟した上でのことだ。そんな彼女に自分の事を話さずにいるのはあまりに理不尽だ…そして、彼はため息をして自分の事を話し始めた
「…はい、俺はあなたの兄の知り合いの者です…」
自分の兄の知り合いと名乗る青年はどこか暗い顔をしている。まるで申し訳ないと言っているような…そんな感じだ。その様子を見て彼女はある結論に辿り着いた
「もしかして、あなたは…あの死にが…」
「待って…それ以上は…言わないで下さい…」
暗い影を落とす彼に彼女は慌てながら謝罪した
「す、すみません…あなたの事情を知りながらつい…その…」
「いいんですよ…あなたが悪い訳じゃない。悪いのは俺のほうなんですから…」
そう言って彼は…目を閉じた
目を閉じ、黙り込む彼に彼女はこう言った
「大丈夫ですよ。兄があなたを助けた事は王国にはばれていません…だから、あなたは心配しなくても大丈夫です」
彼を励まそうと優しい言葉をかける彼女に彼は…優しく微笑みながら…
「ありがとう…本当にありがとう…こんな俺を気付かってくれて…」
「いえ、兄も随分あなたには助けられたと言ってましたし、あなた事を組織から逃がせてよかったと言ってました…私のほうこそあなたに御礼を言わないと…」
なんだか、救われた気がした…彼はそんな表情をしている。自分の事で被害が及んでいないか…ずっと心配だったのだろう。そんな彼を救ってくれたのは紛れもなく彼女だ…
そんな彼女の為に彼はある決断をするのだった
決意
「あの…もし、俺でよければ…あなたがシュレイド城に行って帰るまで付き合わせてくれませんか?」
彼の一言に彼女は驚きのあまり声が出なかった。まさか、シュレイド城という場所に一緒に行ってくれる人がいるなんて思ってもなかったのだろう
「ほ、本当にいいんですか?あの場所は危険なんですよ!」
「それでも、あなたは行きたいんですよね?」
そう言ってにっこり笑った彼に彼女は申し訳ないような顔をしている。自分のせいで彼を危険な目に巻き込みたくない…その考えが先に立っているので中々首を縦に降ってはくれない
「俺は…ただあなたを手助けしたいだけです。報酬なんていりませんよ」
「そんな…報酬もいらないなんてただ働きじゃないですか…」
「それでも、いいんです。俺はあなたの兄に世話になりっぱなしでした…次は俺の番です…だから、俺にあなたを守らせて下さい…」
真剣な顔で彼女を説得させようとする彼…事情を知らない人が聞いたらなんと思うのだろう…多分、告白か何かに聞こえるのは間違いない…そんな彼の言葉に彼女は顔を真っ赤にしている。今にも爆発しそうだった
「あの、どうかしましたか…?」
顔を真っ赤に赤らめ俯いてる彼女を心配して彼は彼女の肩に手をかける…すると彼女は恥ずかしさのあまり、慌てふためいてしまった
「あ!あの!……その…えっと…」
彼女はまともに話しが出来なくなってしまったらしく、その場で黙り込んでしまった…そんな彼女を見て悪い事をしたのかな…と言った思ったのか少し落ち着くまで様子を見る事にした…
そして落ち着きを取り戻した彼女に彼はさっきの答えを聞いた
「さっきの事ですが…俺でも大丈夫ですか…」
そう聞く彼に彼女はまだ恥ずかしいそうにしながらも彼女は彼の質問に答えるべくついに口を開いた
「本当に私に付き合ってくれるのなら…よろしくお願いします」
そう言って彼女は頭を下げた
「俺のほうこそお願いします」
二人の間にな和やかな空気が流れるのを感じた。まるで恋人のような、そうでないような…よくはわからないが、いい関係を築けたのは確かだ
「ところであなたのお名前は?一緒に行動するのにあなたでは不便ですからね」
彼は彼女の名前を聞こうとした。どうやら親友の妹の名前まで知らなかったらしい
名前を聞く彼に彼女は自分の名前を言う
「私の名前は…セフィル…セフィル・ブラウスです。あなたのお名前は?」
「俺はクローシス・エルフェイムです。改めてよろしくお願いしますね。セフィルさん」
名前で呼ばれるとなんだか、緊張するのだろうか。セフィルは照れている。そんな彼女を見てクローシスはくすっと笑った
「笑わないで下さいよ…クローシスさん!」
「はは、つい…あんまりにも面白かったので」
クローシスはそう言って早速、近くにある宿のほうを見た。それに気付いたセフィルは何を考えていたのかすぐにわかった
「今日は宿に泊まるのですか?でもあなたは…」
彼女が心配するのは当然だ。クローシスは仮にも追われている身だ…ここに居ては危なくなるかも知れない
「大丈夫です。一日くらいなら心配ないですよ。それに女性に野宿をさせる訳には行きません」
「すみません…色々を気を使って貰って…」
事情を知りながらも考慮してもらっている自分を恥じているのかわからないが申し訳なさげにクローシスを見る。そんなセフィルに彼は優しく声をかける
「ふふ、俺なら本当に大丈夫です。ほら、日も暮れて来てますから急ぎましょう」
「それもそうですね。ならお言葉に甘えて行きましょうか」
そうして、二人は宿に向かって歩いていった…
彼はどうやら自分の新しい道を見つけたようだ。誰かを殺す為ではなく大切なものを守る為に戦う…それが彼の出した答えなのかも知れない…そして、彼は“モンスターハンター”として彼女を守るために再び鎌を取る…あの頃とは違う…殺人鬼としての自分じゃなく、大切なものを守る為に戦う一人の男として…
元殺し屋の男とその親友の妹…そんな変わった二人の冒険が今始まろうとしている…
~MONSTER HUNTER~死神と呼ばれた青年
第一章 完
作者より
さて、短いながらもこの問題作の第一章を書き終えましたf^_^;
感想は……初めて書いた本格的(自称)小説だったので苦労しました…(´ω`)
内容的にあの有名な作品に多少似てはいますが、これからの展開にご期待下さい(`・ω・´)
そして、第二章についてですが、皆さんも知っている通りあの“シュレイド城”にいきなりスポットを当ててしまうなど、私はかなり無謀な事をしているような気がします…(-_-;)
だって、いきなり黒龍の住家に行くんですよ…
でも、私はその難題に挑戦します…黒龍とのバトルがあるかは……秘密にしますね(笑)
第二章の設定を終わりしだいまた再開しますのでそれまで皆さんとはお別れです
再開しても小説をまた見てくれる事を祈っております(^-^)
では、皆さんまた会う日まで(>_<)ノシ
第二章予告
シュレイド城…そこは遥か昔に栄えた王国だった……。だが、その時が来るのは遅くはなかった…たった一匹の龍にその王国は滅ぼされ、一夜にしてその歴史に幕を閉じた。滅ぼされては言え、ただ村や城を焼き払らわれた訳ではない…乗っ取られたのだ
その龍の名は…避けられないを死という刻印を押し付け、敵対するもの全てを焼き尽くしたとされる“伝説の黒龍ミラボレアス”そして、“運命の戦い”という名を背負いし龍でもある…その龍はシュレイド王国が出来る遥か昔から存在している。つまり、この世界の全てのモンスター達の頂点に君臨する“龍王”だ
そう、この話しは飽くまで仮説だがシュレイド王国は黒龍に負け、その土地を明け渡して住民は東と西に別れて、新たな国を造った…
それが今のシュレイド地方の過去…しかし、これは飽くまで仮説…だが、有力な仮説なのだ
そして、シュレイド王国にはまだ秘密がある…それは絶一門と滅一門の存在……伝説の武器職人の流派の末裔は未だ確認されてない…ならば、旧王国には残っているかも知れない…龍に対抗する数々の武器が…
未だに説き明かされない未知の謎に挑み、誰も手を出せないモンスターの聖地に踏み込む…そんな彼らに待ち受ける古代シュレイド王国の真実とは……
~MONSTER HUNTER~死神と呼ばれた青年
第二章~古代シュレイド滅亡の真実~
地獄の業火…それは…全てを引き裂く紅蓮の剣なり…
最終更新:2013年02月19日 02:38