のぞみ




あねうえ…ちちうえ…ははうえ……どうしてわたしをとじこめるのですか…?

「クァッカッカッカ!アナタは何にもありませんからなぁ、殿下?」

「王太子殿下の方が頭もキレる、何よりアナタは力が足りなすぎる!」

ちがう!!わたしだって……!わたしだって……!!!!!

「クカカカ!役立たずもいいとこでしょう!!ほれ、力を振り絞って檻を壊してみますかい!?クカカカカカカッ!!!!!!!」












姉上、私はいつになればここから出して頂けるのですか?

「そこがお前の墓だ」

姉上、私もきっとお役に立てます…!!だから私を自由にしてくださいませ!!

「役立つ、だと?お前が何の役に立つ?」

どんな多くの敵も薙ぎ払ってご覧に入れます!

「我が軍勢だけで事は成る。お前の出る幕などない」

私が出れば、軍の被害も少なく……!

「言わねば分らんか?お前は『要らん』」

そ、んな…姉上……!!!!

「首が繋がっていることに感謝しろ。…そこで朽ちて死ね。これは命令だ」

姉上、お待ちください!ここから出してください!!姉上ぇっ!!!姉上ぇぇぇっ!!!!










どうして理解できぬのだ?

何故、皆私を疎んじるのだ?

何故、皆私を認めんのだ?

何故、何故なのだ?

ここから出してくれれば私の力を証明できるのに。

ここから出してくれれば私の力を認めさせられるのに。

出してくれ、ここから出してくれ。

きっと姉上のお役に立てるから、きっと皆のお役に立てるから。

誰か、誰か私を地上の夜空の下に連れ出してくれ。
最終更新:2012年03月28日 01:26