^p^<思いつくままにかいた誰かさんの過去です 小説とはいえましぇん^p^<説明も、筋道もクソもないです^p^ ^p^<題名が微妙にセルさんの過去モノとかぶってたので再投稿・・・
館は、青く光っていた。燭台に灯された青い火が、意識を取り去って行く。
「ようこそ、キャピタルポール・テンプルのお屋敷へ。」
館の主人らしき者は言った。古びた洋館のホールのど真ん中、軋む椅子に座った女は。
「・・・・・・・」
言葉が出なかった。
逃げて、逃げて、逃げて、覚えていない。服は血塗れ。この館に逃げ込んだのか、私は。
「絶望したのね、あなた。ここは何かに絶望した人間しか踏み入れられない」
「・・・・・・あなたも?・・・いや、あなたは?」
女は馬鹿らしい、といった風に両手を広げ、ひらひらと振った。
「嫌ね。私は、ここのご主人様よ。」
「・・・・・・・・・・・なるほど。」
覚束無い意識で、そんなことを思いながら胸を摩った。べっとり。
黒いスーツは、血に塗れていた。
「(なんだろう、これは・・・)」
「あなたのお姉さんの血よ」
「・・・・・・・!!」
「撃たれたのでしょう?主義者達に・・・当然その血は、お姉さんのものだけではないわねえ」
「彼らは姉さんを撃ったから」
「同僚でもあったのに?アナタの。」
「姉の方が大切だ」
「・・・・・・・・・」
女は椅子から立ち、目の前まで歩いてきた。まるで宙に浮いているよう、すうっと動いていた。
「姉さんを連れてきなさい。ここに。」
「・・・どうして」
「理由はいらない。あなたの望みはまだ有るのでしょ」
「・・・・・・・・・」
「選択は自由よ」
ドアを後ろ手に、押し開けた。 今になって、どうしてこの女は全て知っているのか、どうして私は何の疑問も持たなかったのかという考えが浮き出てきた。 そのまま、女とは言葉を交わさずに古びた洋館を後にした。
「・・・戻ってくるわ、彼は。絶対。・・・一度ここに来たもの。」
黒尽くめの女が、呟いたのが聞こえた。