小説

レオンが魔界を出てから…もう半年が経つ。…今、レオンはどこで何をしているのだろう。

もし、あの時レオンが喜んだ顔をして、みんなの前でギルドを出て行ったなら…まだ俺達は安心していただろう。

しかし…レオンが魔界を出る少し前から、レオンの様子がおかしかった。

何かを焦っているようだった。

―レオン長編『賢狼はかく語りき』 〜前約〜シャドウ編―

義兄と手紙

――昔のレオンは、ギルドでの活動に明確な目的を持って行動していた。 誰かを護りたい、助けたい…役に立ちたい。 そして、そこに近づいているんだと、本人が気付いていたから、生き生きとした表情を見せ続けていたのだろう。

ところが、最近のレオンは…昔の頃持っていた目的を見失っている…。 まるで、自分の存在が…誰かに全て否定され、自分の居場所を求めて彷徨っているようだった。

それはあたかも、広い砂漠の中の中からどこにあるかも分からない、下手をすれば蜃気楼の中にあるオアシスを探すかのような、 『無謀』と言う二文字が彼の頭に圧し掛かっているかのようだった。

これは、俺なりの考え方ではあるが、最近…レオンが身体的にも精神的にも、かなりの負担をかけているのではないか。 その理由の『身体的な』負担の理由は分かる。それは、サンクチュアリでのレオン宛ての依頼が急増したことによる、オーバーワークではないかと思う。

サンクチュアリでの仕事は、俺と兄貴、ゼオフィクス、そしてレオンが主体的に行っていた。最近依頼を行うようになったガーベラや、城にいるエヴィリア、パラケルスも手伝う事があるが、それでも大抵の仕事は今挙げた4人の元に来るのが普通だった。つい最近まではこのままの体制で問題なくやっていけていた。

しかし、レオンを除く3人が相次いで結婚、しかもブラッドは出産、ゼオフィクスの方も妻が出産を控えており、更に俺は王を継ぐ者として、妻と共に公務に参加する機会が増えてきた。 そうなると、自然と依頼はレオンへ1人へと集中してしまう。 第一ガーベラにもサンクチュアリでの仕事が回ってきたのはその影響でもあるのだが…。

しかし、精神的な負担を掛けている理由が分からない。 単なる疲れとは違った…何か欝に近いような症状に陥っているようにも思えた。 声を掛けられると、平気そうな顔こそするものの、少し離れたところから眺めると、どこか暗かった。 何の理由もなく、レオンが暗い表情をするとは思えない。ギルドの中では、一番レオンの傍にいると自負する俺は、これくらいは分かる。 そして、その原因が俺達の中ある可能性も極めて薄い。もしそうだったら、まずガーベラが殴り飛ばすか、怒鳴っていただろうし、原因がガーベラ本人だったとしたら、一緒になって暗くなっているはずである。

ところが、今回はそのどちらにも当てはまらない。最近、そういうような事があったと誰もが話していなかったからだ。 そうなると、レオンがあそこまで暗くなった精神的な原因は一体……。

ガーベラ「シャドウ! もしもーし! 聞こえてるかーい?」

――深く考えすぎていたのか、ガーベラが俺を呼ぶまで聞こえていなかった。一緒にいた俺達『グロウリーパレス』のマスター、オービット=フューニーズも、首を傾げる。 この日、ガーベラは久しぶりにオフの日だったので、ギルドに立ち寄っていたらしい。 連日仕事が急がしかった為か、珍しくギルドの中で寛いでいる。そして、常駐しているマスターと俺の3人しか、今ギルドには居なかった。

オービット「何か考え事か?」 シャドウ「あぁ…。レオン…どこ行ったんだろうな…とね。」 ガーベラ「その内帰ってくるはずさ…と言いたい所だけど、ここ数日何の連絡もなしとなると…心配だねぇ…。」 オービット「うむ…。とは言え、俺はここから動けない訳だがな…。…ところでシャドウ、お前さんは産休を取らないのか?」 シャドウ「それは取りたいけど、俺まで居なくなったら誰がサンクチュアリの依頼を引き受けるんだ? ガーベラさん一人で一手に引き受けるたって、限度があるだろう?兄貴もゼオフィクスさんも今は産休をとってて、暫くはギルドに参加できるかどうか分からないからな…。ヴォルカさんもシトラスの世界での仕事があるし…。俺も最近は公務の方で…忙しくなっていて、こっちに専念できてない…。 …今になって、やっとサンクチュアリからの依頼が大量に出回ってきたと言う時に、今度はギルドの人手不足だとはな…。」

ガーベラ「…確かに最初はあたし一人で何とかなると思ったけど、今になると猫の手も借りたいくらいね…。ヴォルゲルストは、正直使い物になってないし…サンクチュアリなんかに向かわせたら、色々と危なっかしくて連れてけないよ。」

――ヴォルゲルストと言うのは、神竜界と呼ばれる世界をすべる12匹の神竜、その代表格である『ヴェングレイ』と言う老竜の孫である。 実力は兄貴と互角に渡り合える強者だが、依頼に対する姿勢はレオンとは正反対で、兄貴と互角に渡り合える程変態だった。 『だった』と過去形にしたのは、今兄貴は結婚してその変態さだけは改善しつつあるからだ。

今は彼の話はこの辺で止めて置く。 あまり兄貴について突っつきすぎるのも悪いからだ。

シャドウ「そんなときに…レオンには重大すぎる負担を掛けてしまうとはな…。 くっ…俺も公務さえなければ…!」 ガーベラ「んな事言うんじゃないよ、シャドウ。 それを言ったら、サンクチュアリであんたの分まで頑張っているレオンが…泣くよ。 皆が忙しい今だから、自分が頑張らなきゃって…前に家であの子がそう言っていたのさ…。」

――自分が頑張らなきゃいけない…か。

…ん……ちょっと待てよ…

シャドウ「なぁ、ガーベラさん、レオンがそう言ったのはいつの事なんだ?」 ガーベラ「そんな事聞いてどうするのさ、シャドウ?」 シャドウ「…いや…今そのレオンの言葉が…妙に引っかかるんだ。まさか…とは思うんだが…。」 ガーベラ「…そうだねぇ…。確か、ゼオが結婚してから、ブラッド達が産休に入る頃じゃなかったかねぇ…。」 シャドウ「大分前じゃないか!少なくとも半年は前の話だぞ…?」 オービット「そんなに声を荒げてどうしたんだ、シャドウ?それに…今のその話のどこに引っかかっているんだ?」 シャドウ「レオンは…『皆が忙しい今だから、自分が頑張らなきゃ』…って言ったんだよな?」 ガーベラ「あぁ…そうだよ。」 シャドウ「…その時のレオンはどんな表情だった?」 ガーベラ「そりゃ張り切ってたよ、いつも以上に。それがどうかした?」

――そこまで聞いて…俺はハッとした。俺はレオンがギルドに残した『ある物』に、ずっと違和感を抱いていた。 しかしその違和感が何なのか、今までさっぱり分からなかった。それが、今その原因となる手掛かりを見つけた気がした。

シャドウ「マスター。レオンが魔界を出る前に書いた手紙が入っている封筒ってまだ残ってる?」 オービット「あぁ…確かに残っているが…。」

――オービットは不思議そうな顔をして、俺に手紙を渡した。

何の変哲も無い、ただの一枚の手紙。 そこには、レオンがギルドから…いや、エグゼナから姿を消した日にギルドに書き残していた。 数行に渡ってレオンがギルドを休む旨と、その理由が書かれていた。

しかし、その内容が少し不自然だった。 手紙の文章の書き方やその筆跡が…少しレオンのものに似ていたが、レオン本人とは微妙に違っていたのだ。 最初は、筆跡や書き方こそ少し違うが、内容から判断してレオンのものであると思っていたのだ。 

俺はその手紙を透かす。すると、手紙全体にうっすらと、模様が描かれていた。

ガーベラ「ん…!?これ…ただの模様じゃない…?」 オービット「…恐らく魔法陣だろう。暗号魔法の類だ。」 ガーベラ「知ってたのかい、マスター!?」 オービット「あぁ…だが、魔法陣の解き方がさっぱりでな…。」 シャドウ「この魔法陣の解き方なら…俺が分かる…! マスター…部屋を暗くしてくれ!」 オービット「何故だ…?」 シャドウ「この魔法陣を解いて出てくるメッセージは光で描かれているんだ。 部屋を暗くしたほうが見やすいんだよ。」 オービット「わ、分かった…!」

――マスターが部屋を消した後、俺は魔法陣を解くと、透かした時に見えた魔法陣が光り出す。 そして、陣の中央から文字が飛び出し、そしてそれが文章となって、空中に映し出される。

ガーベラ「これは…文章…?」 オービット「…手紙に書かれていたものより…長い文章だな…」 シャドウ「…レオンの文章はこれだけじゃなかったって事だ…!!」

――昔、それぞれの世界が、命令や情報を他の世界に知られず、自分達の世界に伝えるために用いた暗号魔法。 これもその一つで、暗号を解くことで、中にある情報を空間に投影する。 それは文字だけでなく、図も投影する事が可能で、平面的な図の投影はもちろん、立体的に投影する事も出来る。

魔界や精霊界など、あらゆる世界が覇権を戦争を起こしていた時代――俺達はこれを『 天界戦争時代 』と呼んでいる――には、相手の世界の地形、戦場、暗殺の対象とする者の外見といったものまで投影して、自分の世界へ送っていたらしい。 今現在そのような事は非常に規制されている上、それを破ると厳しく罰せられる為、すすんでやろうとする者はいないが。  だけど…ここまでやる理由が彼にはあるのか…

ガーベラ「…まさか…レオンがここまでしていたとは…。」 オービット「…いや…流石のレオンもここまで出来る程魔力は高くは無かった筈だ。 もしレオンだったら、これだけの文章を書いて陣の中に封じることが出来たとしても、 それを上手に隠せる程の魔力は…残っていない筈だ。」 ガーベラ「つまり…隠せるだけの魔力を持った奴に書かせたって事かい?」 オービット「そういう事になるな。 そして…それをやったのは俺達の中じゃ無さそうだ。」

――俺は、陣に封じられていた文章を読み始める。 以下に、陣に封じられていたレオンの文章を記しておく。


『シャドウ兄さんへ  この手紙を読む頃には、きっと…僕は手紙に記してあった、ヴァールさんの家にはいないかもしれません。 もしかしたら…僕の命はどこかで潰えているかもしれません。 でも…シャドウ兄さんには伝えたかった事だから…だから今、ここに書きます。

僕がギルドで、サンクチュアリで、兄さん達と一緒に仕事をしていた時はとても嬉しくもあり、楽しかったです。でも、こんな時間はもうすぐ終わろうとしているのは、薄々気付いていました。 シャドウ兄さんはもう間もなく魔王としてこのエグゼナの人々を纏めなければならなくなるはずです。そして、ブラッドさんもゼオフィクスさんも結婚して、新しい家族と過ごす時間を大事にしなければならなくなる。そうなると、ギルドの仕事を出来なくなる。そう思って最近僕は、なるべく皆とは一緒に行かず、一人でサンクチュアリの人たちと行動するようにしました。 いつか、本当に3人がギルドから離れてしまったとしても、しっかりギルドを支えて行ける様に。

…何故、僕がそんな事にこだわるのか、シャドウ兄さんなら気付いてくれると想います。「自分が魔王になったら、俺はお前に俺の代わりとして、ギルドを支えて欲しい。グロウリーパレスは、エグゼナのみならずその他あらゆる世界にとっても、希望の場所であって欲しいから、失いたくないんだ」…そう、兄さんが僕に真剣に、しかし温かく話していたのを今でも覚えています。

まるで兄弟のように接してくれた兄さんも、外から見れば魔界の一王子、それも王位を継ぐことになっている次期魔王、僕にはあまりにも身分の差が激しすぎて、近づきづらかったです。 それでも、そんな人から「自分の代わりとして」と…ましてや、自分のような未熟者に言ってくれて…誇りに思い、そして…それが自分の使命だと思いました。 しかし…同時に凄く重たいものが圧し掛かりました。果たして自分は兄さんの代わりなんて出来るだろうか…。今となってはあの時、しっかりと出来ないと言うべきだったのかもしれません。

それでも、僕は諦めたくありませんでした。それはきっと…僕は、兄さんの想いを大事にしたかったからだと…そう想ったのでしょう。 初めて仕事をするようになった時から、いつも僕に優しく励ましてくれた人だから。 こんな人が王様になるのであれば、僕はその人の力になりたかったんです。

ごめんなさいシャドウ兄さん、結局僕は兄さんの代わりなんて出来ませんでした。 僕は…あの病を克服したとは言え、種族柄魔法に弱かった。状態異常も、装備が無ければ防げません。 助けを求めたくても求められない状況に陥れば、結局は見殺しにされるでしょう。 結局僕は兄さんが思っているよりも、遥かに弱い狼でした。…それを、最近思い知らされました。

僕は、兄さん達に強くなったって…「魔王としての仕事に専念出来る」って言って欲しくて… でも、そんな事は今の僕にとっては出過ぎた事で…僕の一人よがりだったんです。なので…もう忘れてください。 そして僕じゃない…シャドウ兄さんの新しい代わりを探してください…。   永い間、お世話になりました。

レオン=エストマキナ』          

――陣の中に封じられた、光で書かれた文章は手書きで、その筆跡や書き方からレオンの者であることに間違いはなかった。 つまり…ここに書かれていた内容は手紙に書かれていたものよりも、真実である可能性が高い。恐らく、こっちを本当に伝えたかったんだろう。

ガーベラ「…レオン…」 オービット「……レオンが…最近妙にギルドの中にいるパートナーを組もうとしなかった原因は、これだったのか…。」

――3人共、文章を読んでショックを受けていた。しかし…俺はそれから少し経って、ある決意をした。

シャドウ「…みんな…すまない。明日から…俺もギルドをしばらく休ませてもらう。」 ガーベラ「ちょっと…! あんたまで居なくなったらサンクチュアリの仕事はどうすんだい!」 シャドウ「…パラケルス、エヴィリア、ミスト、クロム、火牙…とにかくサンクチュアリに行った事のある知り合いに掛け合って手伝ってもらうようにしてくれ。俺も、なるべく早く済ませるから…!」 オービット「で、そこまでしてお前は何しに行くんだ?せめて、それだけは聞かせてもらわないとな。」

シャドウ「……レオンを探してくる、そしてここに連れ戻す。 レオンが…あいつが下手すると死ぬかもしれない…!」 オービット「…おいおい…嘘だろ?」

――マスターが信じられない表情をした。それでも、俺は話を続ける。

シャドウ「…今のレオンは恐らく…自分が存在する意味を失いかけてる…。今までレオンが生きる理由が…こっちに書かれている内容に準じたものだったら…今、あいつは今完全に生きる理由を無くしてる。」 ガーベラ「『 シャドウの代わりとして、ギルドを支える 』所を言っているのかい。」 シャドウ「あぁ…。 それと…手紙の最後…『 自分じゃない俺の代わりを探してくれ 』の部分…。 きっと、レオンは…俺の代わりとしてギルドを支えていく…それが今までレオンが戦う原動力で…そして生きる理由としていたんだろう…。だけど…この最後の一文から…それをやっていける自信を…無くしてる。

俺は…そんなつもりでレオンに言ったんじゃないんだ…。俺は…レオンと一緒にギルドの仕事をし続けたいさ…。 だが、俺ももう…結婚している上に、ゆくゆくは親父の後を継いでエグゼナ全てを毎日見守っていかなければならない。そうなると、ギルドの仕事が出来なくなる。…そんな時になったとしても…レオンが俺に頼る事なく、一人でも大丈夫だと自信を仕事をやっていけるようになってほしい…そんな思いを込めてあの言葉を言ったんだ…。

…俺のせいだ…俺がレオンにプレッシャーを掛けさせていたんだ…。だから…」 ガーベラ「…そんなにあんたが責任を感じる悔いる必要はないよ、シャドウ。むしろ、あんたにそんな事言われて、誇りに思っていたんだよ、レオンは。 …あいつがあぁなったのは、きっと自分で自分の心を締め付けちゃったからだとあたしは思うね。」 シャドウ「だが…」

――言い訳ならいくらでも言える事は分かっているつもりだ。だけど、それでも俺はレオンを真剣に探しに行きたい。できれば今すぐにでも…。 だが…ギルドの休暇は一定の理由がなければ取れない。依頼にすれば仕事として動くことが出来る…。しかし…そうしない理由はいくつかあった。ギルドに対するイメージの低下を避けるため、レオンの今の行動に協力しているのであろう人物の動向を探るため、そして…他のギルドメンバーにこれ以上の迷惑を掛けさせない為…あと、報酬をもらう程の事ではないと俺が思っているから等だ。

何時になく落ち着かない表情をしていたのだろう、ガーベラさんが俺に悲痛な表情で叫んだ。

ガーベラ「あんたが自分自身を責める姿を、今レオンが見たら、本当に死んじまうよ!レオンが…あんたからそう話した事を、嬉しそうにあたしに話してくれたんだ。 …レオンが病にも負けず同族から除け者にされても、あたしらに嫌な顔を1つせず、ギルドで一所懸命に頑張っていたのは…

他ならないシャドウ、あんたが居たからなんだよ。」 シャドウ「ガーベラさん…。」

――明るく、何かと暴走しがちな兄貴達を平然と沈めるくらい強気ないつもの姿からは明らかに違い、 まだ帰らない弟の身を誰よりも心配している、姉としてのガーベラさんの姿がそこにはあった。 今、ギルドの誰もがレオンの無事を案じているのは事実だった。ギルドだけじゃない、まだ城の外に出ることさえも、ろくに出来なかった頃によくレオンと一緒に遊んでいたエヴィリアも、レオンの機械剣を作ったパラケルスも、皆レオンの無事を信じて今、自分に出来る事をやっている。

俺にも…いや、俺にしか出来ない事だってあるはずだ…!

シャドウ「だからなんだ…だから…今レオンの事をこのまま放っておく分けにはいかない…。 …将来エグゼナ統べるの王として、グロウリーパレスの一員として…いや…彼が兄と慕ってくれている者として…!」 オービット「で…レオンを探してどうするんだ?」 シャドウ「レオンに謝って、そして…あいつに今掛けるべき言葉を言ってくる…! …その為に、ギルドを休ませてもらうよ、マスター…。」

オービット「…分かった。」 ガーベラ「マスター!?」 オービット「こっちの事は任せろ。なるべく俺達だけで出来るよう頑張ってみるが、無理そうなら火牙やクロム達に支援してもらえるよう、魔王様に頼んでみる。 だから、お前はレオンを探しに行け。あと、定時報告は怠るな。こっちもレオンについて情報が出てきたら、お前に提供していく。」 シャドウ「マスター……。」 オービット「だが、約束してくれ。…もし、レオンを見つけたらどこにも寄らず、真っ先にここに連れて来い。」 シャドウ「分かった…!あ、マスター!この手紙預かるよ、レオンに俺達があいつの本当の言葉を見つけたんだって分かる証拠としてな!!」

――身支度を整え、翌日レオンの本当の言葉が記された手紙を手に、俺はエグゼナを飛び出し、サンクチュアリへと向かった。

道中俺が願う事はただ1つ、

レオンが無事である事、ただそれだけだった。
最終更新:2012年03月27日 18:54