ギオド・ゴーン


「逃げなあかんやろ。あんなん勝てん」

概要

人間の青年。25歳。しがない一傭兵。
巌のよう、とまで言えるほどいい厳つさを持った顔でもなく、目が窪んで黒目が小さい。
鼻は大きいが低いと言う、どう言っていいか分からない奇妙な形をしていて、ヘンな形のわりにはインパクトが無く覚えにくい顔をしている。
唇は薄くも厚くも無く、その代わり口が大きい。
体系はずんぐりむっくりしていて、大きいが短い。身長185㎝、体重105㎏。
全身鎧を纏っているからか、外で活動するのに日焼けを特にしておらず、肌は黒くも白くも無い。
黄色人種の血を引いているのか、肌は黄色い。
そして、殆どヘルメットを取らないので、実は素顔を知る者は少ない。

性格は自己主張が少ないのか多いのか分からず、怒りはするが激昂はしない。
だからと言って冷徹でもなく、そうは見えづらい平坦な態度で人の心配をしたりする事が…彼の印象の薄さなので、有名になるかどうかは分からない。
薬にもなるが毒にもなる、と言う何処にでも居るタイプの人間だが、あまり人を外見や言動で差別せず、実益で物を見るのが良い所…かもしれない。

戦闘の才能は無い人より有る程度で、有る人より無い程度。
完全な雑兵ではないが、強豪とはとても言えない。多方面に対応出来るが、特化はしていない。
ただ一つの芸は「狭い通路で戦う事」。壁役になると普段より敵からしてみれば1.5倍ほどのしぶとさを感じるほどしつこい。
あまり才気溢れる事など無いが、色んなものをそこそこ扱える、というある意味ではかなりすごい才能も持っている。

普段の戦闘スタイルは、重い鎧を持ち前の筋力で引き摺り、遅くも無く早くも無く、人並みの速度で動けるというアドバンテージを前に出す。
武器は信頼性の高い、「旧式だけど当て易く威力もそこそこ、メンテも効き易く咄嗟のジャムはその場で治せる」というモノを好む。
近接戦では基本的にはヘビーメイス、敵によってはブロードソードやハンドアックスを使い分ける。
中距離戦ではサイドアームとしてリボルバー・ハンドガンを装備しており、それによって敵を牽制する。
遠距離戦は自分以外にやれる者が居ない場合にくらいしか引き受けないが、スナイパーライフルなども見かけによらず扱える。
「そこそこの目立たないくらいの戦果を出せる」と言うくらいのテクニックしか無いが、馬にも乗れるし戦車も動かせるし飛行船なども操縦出来る。
活躍がそこそこで、全く「上手い」レベルではないし、更に「下手」でも無いので、目立たないせいで誰も気に留めないが、よく考えたらすごい才能である。
もしズブの素人しか居ない集団の中に居れば、この男は突然目立って頼られてしまい、戸惑う事だろう。

魔法も初級魔法は一通り使え、必殺技としてかなりの集中を要するが、頑張れば中級魔法も一戦に一回くらいは使える。
一回放つと、普段しない集中のせいで頭が痛くなる為に休まなければもう使えないが。

総じて目立たない男であり、実は要所要所で役には立っているのに、人から存在を覚えてもらえない。
そして本人はそれに対して自己主張もあまりしない。
人から尊敬されたり、チヤホヤされるような器でもない事を元々自認しているし、そうされる事も面倒なので、好きではないからだ。

なお、実はこれでも力の有る貴族の出身で、周りと比べて出来が悪く実力も低いので、更に影の薄さでほぼ忘れられている。
家族の会議や晩餐会などにも呼ばれの通達が無いし、既に顔も忘れられている。
ギオド自身は、出来の悪い事で家族からイヤ事をくどくど言われたり、嫌がらせも受けてきたので、それでいいと思っている。
家族の事は嫌いだが、殺したいほど憎んでいるわけでもないので、そもそもあまり関わりたくない。

装備


「フルアーマー」
全身に装着した、薄水色の鎧。
この薄水色は対魔力塗料「マナラミネート」であり、初級魔法ほどの攻撃なら威力を半分ほどまで軽減出来る。
中級魔法より上の物相手になると、本当に単なる塗料以上の効果を発揮しない。
物理攻撃に対しては、重そうな見た目通りに結構な防御力を誇る。
ギオドの生命線の一つ。

「ピアスシールド」
敵の攻撃を受け流す事に優れた円盾。
中央にトゲが付いており、いざと言う時には打突武器として使える。

「ヘビーメイス」
重く硬い金属製のメイス。
それだけだが、当然これを持って全力で殴られれば、大抵の生き物は重傷を負うか死ぬ。
実は魔法金属製で、普通の相手を殴る時より威力はそこそこ落ちてしまうものの、魔力的、エーテル的な生物やアンデッド等にもダメージが通る。

「ブロードソード」
幅広の直剣。
実は普通のブロードソードではなく、一発だけ初級爆発魔法「ボム」を柄下面の魔石に仕込んでいる。
小規模の爆発を刀身の先から放ち、鍔迫り合いでの決め手にする。

「リボルバー・ハンドガン」
何の変哲もあるリボルバーハンドガン。
通常リボルバーシリンダーには5~6発ほどの弾丸しか入らないが、このモデルは10弾装填可能。
通常のモデルより重く、弾込めに時間が掛かってしまうが、メンテナンス性と弾数を優先した結果の銃選び、との事らしい。

「手榴弾」
鎧の陰に隠した手榴弾。2個持っている。
鎧が炎で炙られた時等に誘爆しないように、冷気と氷の破片を撒き散らすアイス・ボム。
範囲攻撃の要として使う。
魔法道具で、普通の手榴弾と値段はほぼ変わらない。

「フライ」
道具入れに入っている魔法の符。
これで10mほど飛び上がり、短時間飛行出来る。
主に高い段差を移動する時などに使われる。
空戦機動をするには、機動力があまりにも足りない。

「テレポーター」
機械式テレポーター。
逃走時に重宝する。


実は貴族語録


「逃げなあかんやろ。あんなん勝てん」
自分がどう逆立ちしても勝てなさそうな相手を前にすると、すぐ諦める。
そのおかげで生存率は高い。

「うし、次」
敵を倒した時。
最後の敵が居なくなるまで同じ事を繰り返す。

「ちょっと貸して」
ある特定の分野で、誰も精通した者が居ない時に多用する台詞。
解決する時3割、しない時7割。

「悩む気持ちは分かるけど、今は戦わんと死ぬで」
戦場で悩むものにかける言葉。
冷徹に見捨てたりしないだけ優しい、とはあまり思ってもらえない。

「あいつに装備さしとき」
「じゃあ持って帰ろか。金になるわ」
ダンジョンなどで強そうな戦利品が見つかった時。
人並みに公平に、誰が装備するか、傷付けずに持ち帰る方が良いかを判断する。

「狭い通路で壁になるのだけは得意やねん、お前ら先行って」
狭い通路で足止めをする時の言葉。
唯一人並みではないと自信が有るらしい。

「そんなすごい才能が有るんやから、それで頑張ればええやん」
自分は突出した才能を持っていないと自認しており、人を慰める時にはだいたいこう言う。
「俺なんかこの地味さやぞ」と「お前より下の俺を見て気を楽にしろ」という意味で諭すので、「ギオドさんは何でもそつなくこなすじゃないですか」と見抜いてくるような人間が居ると通じない。
でも殆どの場合は見抜かれないので大丈夫。

余談

名前に由来は無し。適当。
もさい主人公像を話していて思いついたので決定。
本人の土臭さ、地味さ、才能の無さを道具で補う量産型さを強調する為に家を貴族の血筋に設定。
最終更新:2016年10月18日 16:15