第3話 殺害

沙織の部屋にて
沙織「もう、来るなら来るって連絡してよ。」
神田「いいじゃないか、それより肉じゃが作ったんだ。お腹空いたろう、食べようぜ。」
沙織「こういうの良くないよ。」
神田「え?」
沙織「私にだって私の時間があるんだもん、勝手に来るの辞めてほしい。」
神田「お前、俺がいたら何かまずいことでもあるのか?」
沙織「そうじゃないけど。」
神田「浮気か?」
沙織「そんなこと言ってないでしょう、あなたのそういう束縛するところ、本当嫌いだよ。」
ガチャンと勢い良く開くドア。
天童「大丈夫か!?」
沙織「天童さん。」
天童「悲鳴が聞こえたから駆け付けたんだ!」
神田「誰だお前は!」
天童「お前こそ誰だよ、お前だな、付きまとってるって奴は。」
神田「付きまとって…、沙織、お前、俺の事そんな風に…。」
沙織「天童さん違うの、この人は…。」
天童、玄関にあったモップを手に取る。
天童「剣道五段だぞこっちは。」
神田、台所から包丁を取り出す。
沙織「やめて!」
神田「この野郎!」
沙織「やめてーーー!!」
グサッ!
神田に刺さる包丁。
包丁の柄から手を放す沙織。
倒れる神田。
天童「おい、大丈夫か!?」
立ち尽くす沙織
天童「救急車だ!」
電話機を手に取る天童。
それを止める沙織。
唸る神田。
天童「お前、なんで止めるんだよ。」
沙織「いいの、これでいいの。」
天童「え?」
動かなくなる神田。
立ち尽くす二人。
……………
笑う沙織
天童「し、死んでる。」
沙織「うん。」
天童「うんってお前、いくら付きまとわれたからって…。」
沙織「違うの。」
天童「え?」
沙織「この人は付きまといじゃない。」
天童「え?」
沙織「私の彼氏、付き合ってる人。」
天童「彼氏に付きまとわれてたのか?」
沙織「ううん、付きまとってた人は別。」
天童「ごめん、わけわかんねえよ…。」
沙織「この人とは別に付きまといがいて、怖いのは本当。」
天童「…。」
沙織「帰ってきたら彼がいて…私嫌いなんだ、連絡もないのに突然家に来られるの。」
沙織「彼束縛すごくって、別れたかったの。」
天童「それで、わざと殺したのか?」
沙織「知らない、彼が包丁取り出して、私怖くなって、気が付いたら刺してた。」
天童「何故止めた…。」
沙織「え?」
天童「俺が救急車呼ぼうとしたのに、なぜ止めた、まさか死ねばいいと…」
沙織「死ねばいいと思った。」
天童「…。」
沙織「言わないでね?誰にも…。」

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最終更新:2022年09月14日 23:32