第5話 悪魔

沙織の部屋
天童「とにかく、死体をこのままにはできないから。」
沙織「…。」
天童「これさえ処理すれば、こいつがここで死んだってことはわからないと思うんだ。やっぱり山に埋めるのがベストか…。」
沙織「ねえ、報酬って何よ?」
天童「死体をずっとここへ置いておくわけいかないだろう?死体の処理を手伝ってやるって言ってんだよ、その報酬。」
沙織「…。」
天童「それとも何か、警察に全部喋ってやろうか?」
沙織「ゆすりじゃない…。」
天童「ゆすりじゃないよ、ビジネスだって言ったろう?死体の処理が終わったらサヨナラ、もう連絡もとらないし、完全に赤の他人だ。それとも、地獄へ行きたいか?」
沙織「あんただって共犯なんだからね。」
天童「馬鹿言うなよ、その男誰が刺した?束縛が嫌だって言ってたの誰だよ。」
沙織「…。」
天童「いいか、俺はその男がどこのどいつかもわからん。もしも警察に死体が見つかってもだ、俺にはそいつを殺す動機もないし、実際に殺してない。それどころか、俺は真犯人を知ってる。そいつが死んで、得する奴…。」
沙織「…。」
天童「心配すんなって、警察にばれないように!お前が捕まらないように!俺が死体の処理手伝ってやるからさ。」
沙織「…。」
天童「その代わり、報酬忘れんなよ?」
沙織「いくらよ?」
天童「そうだな、本来これは、一生お前をゆすることのできるネタだ。それを俺の好意で、死体の処理をした上で、きれいさっぱり忘れてやろうってことだしな…1,000万。」
沙織「そんな大金、あるわけないでしょ!」
天童「すぐに全部払わなくていいよ。1,000万は貸しで良い、しかも利子もいらねえ。お前が一生かけて俺に払ってくれればいいよ。」
沙織「結局ゆすりじゃない。」
天童「どうとろうがお前の勝手だけどさ、俺は穏便にいきたい、飽くまでもビジネスとして。そうだな、頭金として50万、まずは50万だけもらおうかな。」
沙織「…。」
天童「こっちもさ、死体処理するのにリスクあるから。まあとりあえずそいつの処理については、俺に任せてくれればいいから、なーんにも心配しなくていいんだよ。大丈夫、お前を刑務所なんかに行かせはしないから。」
悪魔のように微笑む天童。
沙織「…。」
天童「とりあえず明日また来るわ、色々と準備するものもあるし、どこへ捨てるのが一番いいか調べておくから、それじゃあな。」
部屋を出ていく天童。
沙織「…。」
沙織のアパートから離れていく天童。
天童の後ろに、足音。

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2022年09月14日 23:34