第9話 訪問

アパートのドア
ドアノブに手をかけるスーツ姿の男、右手には拳銃。
ドンっと勢いよく開くドア。
清水「平田!動くな!」
平田「ちきしょう!サツか!」
拳銃を構える平田、銃声と共に倒れる。
平田「ぎゃーっ!」
拳銃を構えている清水、彼の拳銃からは煙が立っている。
「お手柄ですね!」

リビング
「警部、お手柄でしたね!」
「流石の腕前。」
清水「もういいだろう、その辺で。」
「いやいや、今回もスピード解決でしたね。」
清水「捜査はチームワークだ、俺一人の手柄じゃないよ。」
「流石警部。」
「人格者だ。」
ガチャっと扉が開き、息子がリビングへ入って来る。
清水「おう透、もう夕飯は食べたのか?」
透「…。」
清水「久しぶりに一緒に夕飯食べんか?」
透は黙ってリビングを出る。
清水「あいつ、どうしたんだ?」
「ちょっと騒ぎすぎましたかね?」
透の母「あの子、帰ってからずっと変なんですよ、会社で何かあったのかしら。」
清水「…。」
出かける透。

沙織の部屋
ただ一人、部屋の中でぼんやりしている沙織。
沙織の脳裏で神田、天童が笑いかけてくる。
その笑顔は突然狂気に満ちたおぞましい表情へと変化する。
力強く目を閉じる沙織。
ピンポーン
不意にインターホンが鳴る。
玄関ドアのドアスコープから外をのぞく。
透。
突然の訪問者に戸惑う沙織、玄関に立ち尽くす。

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最終更新:2022年09月14日 23:39