南条交番。
赤城、川村、新田の三人がそれぞれ机に向かっている。
書類を作成する赤城。
コーヒーを飲む川村。
何やら神妙な面持ちで一点を見つめる新田。
暫くの間はそれぞれの時間が流れたが、普段とは明らかに様子が違う新田に川村が気づく。
川村「新田君、どうしたの?」
新田「え、ええ…ちょっと…。」
川村「…?」
赤城も新田の異変に気付く。
赤城「体調悪いのか?」
新田「いや…。」
川村「何か考え事?」
新田「は、はあ…。」
赤城「何だよ気持ち悪いなあ、どうしたんだよ。」
新田「いや、大したことないですよ。」
川村「そんなことなさそうだけど…。」
赤城「言ってみろ。」
新田「いや、ただ、昼ご飯を赤いきつねにしようか緑のたぬきにしようか迷ってて…。」
川村「……。」
赤城「…まあ、両方食べれば良いんじゃない?若いんだし。」
新田「よし!そうします!」
勢いよく席を立ち、給湯室へ向かう新田。
川村「……。」
赤城「まあ、そんなとこだろう。」
給湯室にてお湯を淹れる新田。
鳴り響く電話。
新田「うわ!」
赤城の声「南条交番赤城です…空き巣…。」
新田「ふざけんな犯人!ご飯食べるところだったのに!ご飯もろくに食べさせてもらえんのかこの仕事は!」
川村「…食べてから、行こうか、ね…?」
新田「そんな、落ち着いてゆっくり食べれないじゃないですか。」
赤城「じゃあお前おれよ。そんな奴に現場来て欲しくないわ。」
新田「いや行きますよ、行きます!」
赤城「うるせえ、おれや。」
TOP
NEXT
最終更新:2022年08月29日 23:21